松原仁大臣が北朝鮮自由放送で収録した北朝鮮へのメッセージ : 救う会全国協議会ニュース

●=王ヘンに文

 本日4月22日午後、韓国ソウルの自由北朝鮮放送スタジオで松原仁拉致問題担当大臣が北朝鮮向けメッセージを収録した。約10分間の対北朝鮮メッセージ(朝鮮語翻訳つき)の後、金聖●代表との対談形式で収録がなされた。西岡力救う会会長が全体のアレンジと通訳を担当した。

 同放送は、米国関係機関の毎年の脱北者設問調査によると北朝鮮国内で一番聞かれている海外放送だ。救う会西岡会長が2005年の放送開始以来継続して、固定番組を持って、拉致問題の現況を伝え、被害者に関わる情報提供などを求めている。また、西岡会長を委員長とする自由北朝鮮放送支援日本委員会が組織され、カンパ集めなどを日本国内で展開している。

 同放送局を日本の大臣が訪問して、番組収録を行うのは初めて。なお、本日収録されたメッセージは明日から1ヵ月間、毎日同放送で流される。対談部分は今週の土曜日の西岡会長の番組で放送される予定だ。

 松原大臣のメッセージは以下の通り。

松原大臣メッセージ

 この放送をお聞きの皆さん、私は、日本政府の拉致問題担当大臣に任命された、松原仁です。

 まず最初に、この放送を聞いている日本から連れて行かれた被害者の皆さん、私は大臣に任命される前から、10年以上の長きにわたり、国会議員として、北朝鮮に連れて行かれた拉皆さんを早期に救出するための活動に取り組んでまいりました。

 野田総理は、昨年9月に日本の総理大臣に就任されて以来、常に日本から連れて行かれた被害者を必ず取り戻すという真剣な思いを持たれています。

 日本政府は、国の責任において、あらゆる手段を用いて、皆さんを一刻も早く救出するために全力を尽くします。決して希望を捨てずに、お体を大切にしてください。

 次に、北朝鮮の指導者の方々に申し上げたい。

 我々は引き続き、日朝の国交正常化が、双方の国益にとって、更には北東アジアの安定と繁栄にとって重要であり、これを我々の目標とするべきであると考えております。一方、拉致問題の解決なくして日朝国交正常化はありえない、これは我が国の一貫した基本方針であります。

 また、基本的な認識として、拉致問題はどれほど時間が経過しても風化することはありません。具体的な進展がなければ、圧力が強まることがあっても弱まることはありません。関係者の中にご高齢の方も多い中、万が一にも、解決を見ずして関係者が多く亡くなられるような事態に至れば、国交正常化の機会は未来永劫に失われることになります。そして、残された時間は少ないということを強く申し上げたい。

 北朝鮮が国際社会の声を無視してミサイル発射を強行したことは極めて遺憾であり、国際社会はこれに厳しく反発をしています。また再びのミサイル発射や核実験をしないことを強く求めます。一方で、北朝鮮が、発射失敗を率直に認めたように、新政権が現実に真摯に向き合い、具体的な行動を示すならば、我が国を含む国際社会はこれを評価することもあるでしょう。拉致問題において、既に死亡していると主張してきた方々が、例えば、再調査の結果、実は生存していたと主張を変えたとしても、過去の責任を問うのではなく、大きな進展と評価してまいりたいと、あえて申し上げたい。

 具体的な進展が見られるなら、我が国としては歴史的にも地理的にも近い北朝鮮ですから、如何なる他国にも劣らぬ人道支援が可能だという立場です。更には国交正常化の暁には我が国は北朝鮮にとって最も必要な隣国となるということを、あえて私は申し上げたい。拉致問題という避けて通ることのできない課題に対して、新体制が一定の新たな方向性を出すことを期待してやみません。

 以上、私は日本政府拉致問題担当大臣として北朝鮮指導者の皆さんに強く真摯に訴えます。

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