守る会関東学習会 姜昌萬氏(統一日報社長)講演会報告 : 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会

5月27日、星陵会館にて、姜昌萬氏(統一日報社長)の講演会が開催されました。
まず姜氏は、統一日報は1959年にガリ版刷りで発行されて以後、3つの役割を果たすために発行されてきたと述べ、まず、(1)統一運動の正しい認識を広める(2)ジャーナリズムとして事実を報道する(3)在日韓国人の立場から、在日の人権や立場を訴える、の3点を考えてきた媒体だと語りました。

そして、(1)の韓半島の統一問題に関しては、特に60年代までは、北朝鮮の宣伝する、統一=共産化という間違った認識が存在し、それに対し、北朝鮮の実態を訴える言論活動をしてきたと述べ、その最も象徴的な例として、1970年代にアベックが北陸地方で急に失踪したとき、これは北朝鮮による拉致事件だという論陣を最初にメデイアとして貼ったのは日本では統一日報だったと思うと述べ、産経の阿部氏などの単独での調査・言論活動はあったものの、メデイアとして統一日報が先駆的な役割を果たしたことを誇りを込めて語りました。同時に、本当は日本マスコミも公安警察もこの時点で拉致を知っていながら、座視していたのではないかと指摘し、特にこの70年代は日本は朝鮮総連と北朝鮮工作員が自由に活動を行い、対南工作の基地となっていたのではないかと述べました。

そして、自らの個人史として、自分の約50人いたクラスの同級生のうち、帰国事業で北朝鮮に渡らなかった人は5人くらいしかいない、特に勉強がよくできて真面目な人ほど帰国船に乗ったと語り、一番の親友も、自分の親族も多く帰国した。しかし、その親友からは一度葉書が来ただけであとは音沙汰もなく、また親族たちも、自分がこのような仕事をしている以上、むしろ連絡をお互いとらないほうがいいといいう立場から、今は連絡をあえてしていないと述べ、帰国事業が在日コリアン社会に与えた傷の深さを示唆しました。

続いて、自らも属する韓国民団の実態について、まず、組織としては重要な危機が二度あったと述べ、一つは1972年から74年にかけ、事実上、民団が総連系の影響の強い活動形に乗っ取られかかった、それに反撃し民団を正常化したのは、これも自慢するわけではないが当時の統一日報やその周辺の青年団の力であり、もう一つの危機は、2006年の総連と民団の和合という、政治的にも思想的にも全く無原則な行為だった、これも民団内の有志の力で防いだとはいえ、いまだに、組織としての民団はこの問題をきちんと総括も記録もしていない状態だと批判しました。そして最近発表された民団の宣言文や活動方針の中にも、民団のやるべき役割を逸脱しているとしか思えない言葉が見られ、自分はそれに反対したが少数派にとどまったと述べ、民団は組織力の低下のみならず思想的にも問題があると述べました。

そして、総連、そして北朝鮮の問題について、何よりも感じるのは、総連関係の人たちは、どこか、かって植民地支配されたという歴史に一面的にこだわり、日本社会にとって自分たちは遺物である、日本は自分たちを苦しめてきたのだから、日本の法律や週刊に従わなくてもよいのだという、遵法精神に欠けた発想をもつ傾向がある。そして、朝鮮学校の教育や北朝鮮の発表を見ると、事実を教えてその上で評論するのではなく、最初から虚偽を教える(朝鮮戦争はアメリカと韓国が始めたとか)ことを全く抵抗なく行っており、これではとてもまともな議論にはならないと述べました。

そして韓国の実状について、現在、韓国保守が作った「従北勢力」という言葉を挙げ、北朝鮮にシンパシーを持つ「親北」ではなく、全く北朝鮮政府の意のままに行動する危険な「従北勢力」である統合進歩党がこの前の総選挙で大きく得票を伸ばし、議席を13議席とほぼ倍増させたこと、得票率を観てもセヌリ党や保守の勝利とは全く言えないことを指摘し、次期大統領選挙においても、果たして北朝鮮に対し原則的な政策をとり、中国を含めて対峙できる政権ができるか否かは危うい状況だが、それができる韓国政府を選挙で作れるかどうかにこの半島の命運がかかっているのではないかと述べました。

そして、最後に金正恩という三代世襲独裁について、実は金正日が世襲で独裁者となった時、朝鮮総連内部では非主流派が、世襲はおかしいという批判の声を内部で挙げていた。しかし、現在の総連ではそのような動きは全くない、これは民団をはじめ、自由と民主主義を守り広める側の勢力が総連に何らアプローチをしていないからだと述べました。そして、かって朝鮮大学で教師をしていたような在日知識人は、一時は北朝鮮を支持していた責任もあるのだから、この総連を改革する、それが不可能ならば解体していくという運動に立ち上がってほしいと講演を結びました(三浦)

お知らせ:

脱北者支援 洪惠貞(ホン・ヘジョン)チャリティーピアノコンサート

アメリカを中心に活躍しているピアニスト洪惠貞(ホン・ヘジョン)の脱北者支援チャリティーコンサートにご招待します。
 
{日時}
2012年6月3日(日)  開場:午後3時/開演:午後3時30分
{場所} 在日本韓国YMCA 9階国際ホール
(〒101-0064 東京都千代田区猿楽町 2 – 5 – 5)
【アクセス】
JR水道橋駅・・・徒歩5分 JR御茶ノ水駅・・・徒歩8分 
地下鉄神保町駅・・・徒歩7分

連絡先:03-3401-0431(統一日報)

入場料金はカンパのみ、ぜひ多くの皆様のご参加を期待しております


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