救う会福島での脱北者証言集会報告 : 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会

6月9日、福島にて救う会福島主催の集会にて、日本人妻斉藤博子さんと、脱北者の山本葉津子さん(「光射せ!」にて北朝鮮での生活の思い出を連載中)の証言を聴く集会が開催されました。参加者は30名ほどですが、大変真摯に耳を傾け、活発な質問をしていただくなど質の高い集まりを催してくださったと思います。主催者である救う会福島の方々に感謝します。

ここでの斉藤博子さんの発言は録画してありますので、近い将来ネットなどに動画を公開する予定です。斉藤さんのご家族は今厳しい状況におかれており、そのことを公にすべきか否かご本人も私個人も悩むところが多かったのですが、既に一部ネット記事では明らかになったことでもあり、動画で配信することで、北朝鮮で今もなお厳しい弾圧が続いていることを訴えたく思います。

講演会での印象に残る質疑応答のやり取りを紹介します。

質問:北朝鮮向けのラジオ放送や、風船ビラなどは効果がありますか。

答え(山本)自分も北朝鮮にいたとき、ラジオでこっそり韓国や中国の放送などを隠れて聴いていました。脱北して韓国などに行けるという情報はそのラジオが手掛かりでした。もちろん、北朝鮮では、海外の放送を聴けないように、ラジオが見つかったら取り上げたり、またチャンネルを固定したりします。しかし、私の家などは、日本から来た親戚がくれた録音機(ラジカセ)で、仮にチャンネルが固定されても、それをこっそりはがして、夜放送を聴いていて、聴き終わるとまたチャンネルを前のように貼り付けたり、いろいろ工夫をして聴いていたんです。

ですから、ラジオ放送は確かに効果があると思います。ビラについては私が来たにいたとき、確かに何か飛んできていました。北朝鮮では、あのビラに触れたら毒が塗ってあって皮膚病になるとか、仮にお菓子などが入っていても毒薬が仕込んであるから食べるなとか宣伝するんですけど、もう食べ物のない人たちはそんなことを気にせずお菓子などはいっていたら食べるでしょうね。ただ、効果という点では、私の経験では放送の方が強いと思います。

質問:北朝鮮の国民の意識はどういう状態でしょうか

答え(斎藤)あの国のこれまでの指導者は、ご存知のように、国民のためとか、そういうことは全く考えてこなかったんです。ですから餓死者がたくさん出てもほとんど手を打たなかった。私も最初は、飢えて死んでいる人を見てかわいそうだと思いましたけど、餓死者がたくさん出て、いつも道端で見かけるようになると、だんだん何も感じなくなってしまうんです。ですから、もう、国民も政治のこととかには関心もない。

とにかく人々は、日に三度のご飯が食べられればいい、そういうことしか考えていないと思います。私が最近北の親戚などから聞いた話では、もう上にだれが立とうが関係ない、少しでの今の暮らしが楽になり、経済がよくなれば誰でもいいという考えのようなんです。そして、もちろん一部の人かもしれませんが、金正恩よりは金正男の方が、少なくとも外国のことをよく知っているから、すこしはよくなるのではないかと考えている人もいるようです。

なお、私は最後にコメントし、北朝鮮では自発的な民衆決起は今後もおそらくないだろうこと、国際社会との連携はもちろん大切だが、少なくとも拉致問題に関しては、日本国民を取り戻すのは日本の力で行わなくてはならないこと、真の敵がどこにあるかを直視しなくてはならないことなどについて述べました。脱北者の方のお話を聞くのは初めての方が多かったようで、このような地道な講演会、学習会がまだまだ必要だと実感しました。(三浦)


救う会福島での脱北者証言集会報告 : 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会
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