南モンゴル人権活動家ハダ氏の妻シンナさんへのインタビュー : モンゴル自由連盟党

南モンゴル人権活動家ハダ氏及び家族は非人道的迫害を受け続けている
ドイチェ・ヴェレ

「スパイ」や「国家分裂」などの無実の罪を着せられて投獄された南モンゴル人権活動家ハダ氏は2010年12月に刑期が終わったにも拘わらず、現在も監禁されて虐待され続けている。ドイチェ・ヴェレがハダ氏の奥さんにインタビューしたところ、2011年以降、ハダ氏に精神的な異変が現れているという。
以下はハダ氏の奥さん、シンナさんへのインタビューである。


ドイチェ・ヴェレ:シンナさん、今日は、こちらは貴方と旦那さんの最近の状況を教えていただきたい。

シンナ:はい、私の夫は不法監禁されているままです。しかも最近は私の面会も禁止されています。夫は2010年12月10日に釈放されるはずでしたが、公安局(警察署)国保支隊(国家安全保護支部)により赤峰市の刑務所からフフホト市郊外にある特殊な牢屋に移されて監禁されました。もうそろそろ二年になります。
夫の釈放される数日前に、公安局は12月3日に私を逮捕し、12月5日に息子を逮捕しました。「違法経営」の罪でハダと私の経営していた本屋を封鎖し、懲役三年を五年後に実行する重刑を私に言い渡しました。息子には「薬物の所持」の罪を着せ、起訴はされなかったもののやはり有罪という判定をしました。
現在、私は息子と一緒に金蒙家园(フフホトのある住宅団地)で倉庫を借りて住んでいますが、旦那は金叶园(フフホトのある丁目と思われる)に居ます。家族三人は二箇所に分割監禁されています。十八大(中国共産党第十八大会)が始まる前から監視や尾行が酷くなりました。今、私は犬と散歩していますがまだ尾行されています。どこへ行っても四、五人が付いてきます。さっき、息子が銭湯へ行くと言って出かけましたが、彼ら(中国公安)は息子の携帯を没収しました。携帯で写真を取ったからといいます。息子との連絡ができなくなり、息子がどのようなことをされているか分からなくて心配です。
二、三日前から携帯は繋がるようになりましたがこの前は遮断されていました。母親との通話も許されません。インターネットは完全に切断されたままです。本屋は閉鎖されて収入源が閉ざされ、家賃を払えなくなりました。店に残った本を安く処理しようとしても許されません。公安はいったいどうするつもりかが分かりません。政治面での圧迫に続きハダと我々を誹謗中傷し、裁判で家族三人とも犯罪の犯人とされ、生活の面で激しい嫌がらせを受けています。この前、私は中国共産党内モンゴル党委書記、政法委員会、公安局長に手紙を送り、私の夫を早急に釈放し、私たち家族への迫害を収束させるように要求しましたが、いつも無視されます。

ドイチェ・ヴェレ:旦那さんのことをとても心配しているそうだが、彼の状況はどうですか。

シンナ:そうですね。15年間の刑期が終わった2010年12月10日、今彼を監禁している牢屋で家族三人が一時的一緒に暮らしたことがあります。あの時、彼の体調が悪かったですが、気分がまだ良さそうに見えていました。冤罪を着せられて15年間も獄中生活をし、刑期を終わってもまだ監禁し続く中国公安に対し、私たちは絶食し抗議しました。それで、共産政府は私たちを別々の刑務所に監禁しました。一年後に再会する時、彼の精神に異変が生じました。暴れ易くなったりいつもボウっとしたりし、一年前とは全く別人のようになってしまいました。刑務所は彼にトイレットペーパーすらくれないため、いつも水で洗ったりして一年も経っているという。しばしば虐待されたようです。それでも、政法委員会は記者会見を開き、「ハダ氏は良い生活をしている」という発表をしました。それ以後、私たちの面会も禁止されました。

ドイチェ・ヴェレ:現在は中国の政界に幾つかの変化があり、政法委員会にも変化があるといいます。シンナさんは中国の新しいリーダーシップにある種の期待を持っていませんか。

シンナ:そうですね。十八大講話を見たところ「法律は公開的(闇の中ではなく)に運用する」といいます。当日、私は公安局長に送る手紙にこの言葉を書き込みました。この話が嘘ではないことを願っています。改革開放してから既に30年もすぎ、中国は何かを突破したと思います。まず人権問題を改善するべきです。例えば私たち一家族の問題に対して改善すべきです。そうでなければまだ(公開的運用というのは)嘘に決まっているでしょう。中国の一番の問題は、法律がないことではなく、法律に従わないことだと思います。きちんとした法律であっても、いつも彼ら(中国公安)に無視されていることが私たち一家族への迫害からはっきりと見受けられます。そのため、中国政界の新しいリーダーシップが中国の民主化を促進させ、少数民族問題を改善させるように願っています。ある資料に習近平のお父さんが「私の人生で他人を苦しめたことはない」と言った。しかし、自分が中国共産党の党内同志に苦しめられたそうです。このような背景から、習近平は期待されるべきではないと思います。私はいつも「内蒙古」に陳情を送っていました。今は北京へ行って陳情をすることを怖く思っています。彼ら(中国公安)はこんなにきつく見張っているからです。だから私は待つことしかできませんが、国際社会からの幅広い関心や呼びかけに対し心より感謝を申し上げます。

ドイチェ・ヴェレ:旦那さんの病気についてどのような解決方法を考えていますか。

シンナ:内蒙古病院へ行って診断を受けましたが、先生は夫を精神病院へ行くことを勧めました。しかし彼ら(中国公安)は許しませんでした。このように患者として病院へ行くことさえ禁止され、家族の面会も禁止されています。彼ら(中国公安)に人間らしい情が生まれ、夫を病院へ行かせるように願っています。このままならば彼は本当に「廃棄物」になるしかないでしょう。過去の二年間で彼の病状は明らかに悪化しています。
 15年間の非人間的な扱いを乗り越えた彼は家族と一緒に暮らせるはずでしたが、まだ釈放されなかった上に私と息子をも逮捕し投獄しました。これが私の夫に対してもっと大きなショックであったでしょう。

インタビュー:乐然  編集:石涛  翻訳:ジリガラ


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