朝鮮民主主義人民共和国:北朝鮮:ICNKは国連調査委員会の活動開始を評価 協力を要請 : アムネスティ日本

2013年8月26日[NGO共同声明]
国・地域:朝鮮民主主義人民共和国
トピック:国際人権法

『北朝鮮における「人道に対する罪」を止める国際NGO連合(以下ICNK)』は本日、8月29日から東京で公聴会(パブリック・ヒアリング)を開く「北朝鮮の人権に関する国連調査委員会」に大きな期待を寄せていると述べると共に、同委員会の活動に関係する情報を持つ全ての人びとに対し、調査への協力を呼びかけた。

アムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、国際人権連盟(FIDH)、クリスチャン・ソリダリティ・ワールドワイドなど42の人権団体からなるICNKは、北朝鮮政府による人権侵害について、前述の国連委員会の活動が新たな光をあてるに違いないと述べた。

ICNKメンバーであるヒューマン・ライツ・ウォッチの日本代表代理 吉岡利代は、「国連調査委員会が東京で証言収集を始めるにあたり、ICNKは北朝鮮政府に対し、人権を尊重するよう求めるキャンペーンを継続していく。ICNKのメンバー団体は、北朝鮮政府が行なってきた日本など外国国籍者の拉致、政治犯の大量投獄、強制収容所での飢餓、拷問、超法規的処刑などの人権侵害の証拠を多数集めてきた。私たちが『人道に対する罪』であると考えるこれらを含む重要な犯罪行為の証拠を、国連調査委員会が明らかにすることを私たちは期待している」と述べた。

同委員会の活動開始を歓迎し、前出の吉岡は更に「北朝鮮の人権問題は惨憺たる状況のままだ。同国は、非常に深刻で広範かつ組織的な人権侵害を行っており、朝鮮民主主義人民共和国の人権状況に関する前・国連特別報告者は、同国の人権状況を、世界に類をみない『独自のカテゴリー (sui generis)』であると報告した。北朝鮮国内では、日常的に人権が否定されているのが現実だ」と主張した。

ICNKは、国連調査委員会の調査結果が、北朝鮮の人権状況に関するこれまでで最も確実で権威ある報告となることを期待している。同委員会の結論と勧告は、北朝鮮での人権保護に向けた、世界的な動きを更に促進することとなるだろう。

北朝鮮政府が同委員会への協力を拒否していることに、ICNKは大いに失望している。北朝鮮指導部は本姿勢を再検討し、自国を訪問するよう同委員会を招待すると共に、調査への全面協力を申し出るべきだ。ICNKは、本委員会の活動は北朝鮮が自らの政策を見直し、深刻な人権侵害に終止符を打つ機会を提供するものであると考える。

国連委員会が東京で行う公聴会と調査は、北朝鮮による人権侵害の被害者の声が、今までになく大きく、そして明確に世界に届けられる機会となるとICNKは期待している。北朝鮮政府による人権侵害の被害者と、同国内で同様に苦しむ何百万の人々に対し行われた犯罪の完全なる説明責任が追及され、その責任者が裁判にかけられてしかるべきだ。

北朝鮮難民救援基金の加藤博理事長は、「日本をはじめとした韓国、タイそして世界各国の拉致被害者の家族は、あまりにも長い間、暗闇の中で愛する人びとの帰りを待ち続けてきた」と述べる。「国連調査委員会による、北朝鮮の人権侵害の包括的な調査は、何十年にもわたり答えを探して来た家族たちに、ようやく希望の光をもたらすことになろう。」

北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合(ICNK)共同声明(原文英語)
2013年8月26日(東京)

ICNKについて:
『北朝鮮における「人道に対する罪」を止める国際NGO連合』は、世界各国の40以上の人権団体により構成され、北朝鮮における人権保護と共に、国内外で人権侵害を行ってきた北朝鮮政府の説明責任追及を求めて活動している。

※お問い合わせについてはアムネスティのサイトをご覧ください。


朝鮮民主主義人民共和国:北朝鮮:ICNKは国連調査委員会の活動開始を評価 協力を要請 : アムネスティ日本
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0826_4144.html

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