チベット民主デー53周年記念 カシャック(チベット中央政権内閣)の声明 : ダライ・ラマ法王日本代表部事務所

2013年9月2日 CTA

チベット民主デー53周年の本日、カシャックはチベット人を代表して、偉大なるダライ・ラマ法王14世に心からの敬意と感謝の念を捧げるとともに、チベット内外に住む全てのチベット人同胞に挨拶をしたいと思います。

53年前の今日、チベット人を代表する最初の人々がインドのダラムサラで就任宣誓を行いました。これによって、偉大なるダライ・ラマ法王14世がビジョンとして掲げる民主主義の原則に導かれてチベット人は亡命地における将来に向けて第一歩を踏み出したのでした。

国を失い打ちひしがれたチベット人はダライ・ラマ法王の智慧と洞察に励まされました。民主的チベット人社会という法王が掲げたビジョンに力を得て、チベット人は自らの文化、言語、宗教、生活様式の維持に向けて取組みました。その結果、強固な土台が亡命地に築かれ、その上にチベットのアイデンティティは維持されています。

すでに2500年前、お釈迦様は社会の平等と民主的手続きという革命的概念を出家集団に取り入れられました。

ダライ・ラマ法王がチベット本土におられたとき、わずか17歳の若さで改革委員会を立ち上げて、減税や土地の公平な再配分を通じて困窮したチベット人や貧農に課された重荷を軽減しようとされました。ですが外部要因と内部要因の両方のせいで改革委員会の目的は十分に達成出来ませんでした。

ダライ・ラマ法王の指導下、チベット亡命社会の民主主義はこれまで大きな決定を通じて進展してきました。1960年にチベット議会が設立され、1963年には将来のチベットのための憲法の枠組みが制定されました。1991年には亡命チベット人憲章が採択され、2001年には主席大臣の直接選挙が実施されました。こうした実績を積み上げつつチベット人はダライ・ラマ法王から民主的に選出されたリーダーに対する政治権力の移譲(2011年3月)に備えてきました。

2011年8月8日の主席大臣の就任式では、1751年にダライ・ラマ7世が作成したカシャックの正式の印章である「カダム シィシ デキ マ(Ka-dham Si-shi De-kyi ma)」が民主的に選出された主席大臣に授与され、歴史的な正当性と正統なリーダーシップの継続性が保たれることになりました。

こうした大きな実績は、民主主義を深く理解して実践する地であるインドで達成されました。1956年の訪印時に、インドでは統治制度に社会的公平と民主的手続きの原則が根付いているとダライ・ラマ法王は感じられ、多党制のインド議会での活発な議論にも強い印象を受けられました。

インドは多様性の中の一体性を体現する国です。異なる信仰、言語、慣習を持つ多様な人々を抱えるインドは、一貫して民主主義の理想に根ざしており、そうした理想によって統合されています。こうした多様性の中の一体性という土壌で、亡命地でのチベット人の民主主義は発達、進展してきました。インドに対する感謝の念はどう表わして良いか分からないほどです。

歴史的な政治権力の移譲を済ませた現在のカシャックは、移行を円滑なものにしてチベット人の闘争を前進させていくという大きな課題に直面しています。そうした中、カシャックは団結(Consolidation)、行動(Action)、交渉(Negotiation)という3段階の統合戦略であるCAN戦略を発表しました。

権力の移譲は国際社会からも認知されました。チベットに関する国際的な議員ネットワークは、「数十年の時間をかけて、亡命難民社会が整然と民主主義を組織してきたことは素晴らしい」との声明を出しました。米国上院決議案第356号は、主席大臣の直接選挙は、「競争的かつ自由、公正で、国際的な選挙の基準を満たしたものである」と認めました。欧州議会の2012年6月14日の決議は、ダライ・ラマ法王による亡命チベット人社会の統治における極めて重要な、そして成功した民主化プロセスを称賛するとともに、チベット人の希望に沿った形で政治権力と責務が民主的に選出されたチベット中央政権の主席大臣に最近、移譲されたことに対しても賛辞を送っています。

そして最大の承認と支持を送ったのはチベット本土のチベット人であり、歌、タンカ、祈祷の形でそれが示されました。

ご存知のようにチベット本土では暗い状況が続いています。そうした状況は焼身行為によって示されており、これまで焼身行為は120件に及び、このうち22件は2013年に発生しました。こうした行動によりこれまで103人が亡くなっています。こうした 悲痛で深刻な状況に終止符を打つ唯一の道は、中国がチベット人が求める自由を尊重し、偉大なるダライ・ラマ法王14世のチベット帰還を認めることです。

中道アプローチは交渉の土台であり、チベット問題を平和的に解決する唯一の道であると我々は堅く信じています。中道アプローチとは、チベットの現状を受け入れるという立場と、中華人民共和国からの分離を求めるという立場の中間の道を採るというものです。これが実現しても、中華人民共和国の最も懸念する点である主権と領土の一体性はそのままです。

我々は中国の指導陣がこのアプローチの利点を認識し、チベット問題を解決しようとすることを望み、それによってチベット本土のチベット人の苦しみがなくせると考えます。チベット問題の平和的な解決は、中国の国際的イメージを向上させ、必要とされてるソフトパワーの獲得につながることから、中国の利益にもなります。 チベット人による交渉のためのタスクフォースの第26回会議が近日中に始まります。

亡命チベット人社会、そして外国に住むチベット人は底力を見せる必要があります。どうか自らの民主的権利と責任を誠実に行使し、チベット本土のチベット人の苦しみに連帯感を感じて彼らと一体となることが必要だということを忘れないで下さい。

チベット民主デーの53周年の今日、チベット中央政権は本土のチベット人の希望をかなえるため一体となって取り組む決意を新たにします。全チベット人はこの取組みに参加し、この機会を利用して支援の手を差し伸べ、協力してくれる友人たちにカシャックからの感謝の念を伝えてください。

我々は共に前進することができますし、共に進まなければなりません。

偉大なるダライ・ラマ法王14世の長寿を祈念します。

2013 年9月2日
カシャック


チベット民主デー53周年記念 カシャック(チベット中央政権内閣)の声明 : ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
http://www.tibethouse.jp/news_release/2013/130905_statement-of-the-kashag-on-the-53rd-anniversary-of-tibetan-democracy-day.html



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