【報告と動画】第3回「アジアの民主化を促進する東京集会」

 12月2日、新宿牛込箪笥ホールにて「アジアの民主化を促進する東京集会」が開催されました。司会はジャーナリストの佐波優子氏。まず、集会実行委員長で外交評論家の、加瀬英明が開会あいさつを行いました。

 加瀬委員長は、日本はアメリカとの不平等条約を明治時代にはねのけ、さらに、今年(2013年)に70周年を迎える大東亜会議の開催などを通じ、アジア諸国の独立と民族差別の撤廃に向け努力してきたが、未だに中国に於いては、共産党独裁政権により、各民族への暴虐な弾圧と、又他国に対しての覇権主義が続いている、この中国の弾圧をどうはねのけ、諸民族の独立を実現するかを、これから皆さんと一緒に考えていきたいと述べました。


外交評論家 加瀬英明氏

 そして、櫻井よし子氏、西村慎吾議員等のメッセージが読み上げられた後、第一部「崩壊に向かう中国」が開催され、中国問題研究家の宮崎正弘氏がまず講演を行いました。
 宮崎氏は、現在、中国経済が成長を続け、巨大な市場であるかのような報道が未だに続いているが、それは全く現実とはかけ離れたものであって、中国経済は今後外国からの投資が減っていく中、輪転機を次々に回して紙幣をすり続けるようになる、そして、これは日本ではほとんど報道されていないけれど、実はそのうち20%は偽札で、それほど本質的には危うい虚構の経済だと述べました。


司会、ジャーナリスト 佐波優子氏

 また宮崎氏は、中国は空洞化した経済や、不良債権を抱え込んだ銀行を隠すために、かって日本が国鉄を清算事業団を作って民営化に向けた整理を、もっと滅茶苦茶な形で行う、つまり、不良債権をよそに全部移して、国の借金自体は勿論増えるのだけど、表面の数字上は銀行は債権が減って優良銀行になる、そして増資してその下部をロンドンや香港市場で売るという、殆ど詐欺まがいのやり方をしていると述べました。
 そしてその株は、そこまでしても中国はここ6年間は低迷状態で、不動産バブルの崩壊も近い、しかし、日本の新聞はその事実を報じないで中国の不動産は大丈夫のような報道をしているけれど、あれは、意図的に取引に出した土地を、国有企業や共産党内の太子党が買って価格を操作している見え見えのやり方なのに、その事実を伝えないという点では、日本のマスコミや経済紙は敢えて言えば中国政府の悪しき宣伝に加担する犯罪行為ではないかと宮崎氏は批判しました。


評論家 宮崎正弘氏

 続いて外交評論家の加瀬英明氏が、自分は中国共産党政府は、2017年前後に崩壊するという予想を建てていると語り、その理由は、歴史を見ると、全体主義国家が陸のオリンピックを開催すると、必ずその9年後に崩壊するという20世紀の前例がある、1936年、ナチスはベルリンオリンピックを開催したが1945年には跡形もなく崩壊した、ソ連も、1980年モスクワオリンピックを開催し89年に崩壊した、おそらく同様に中国共産党も、2008年の北京オリンピックの9年後、2017年前後には崩壊し、南モンゴル、チベット、ウイグルの諸民族が独立を果たせるよう、日本も積極的に彼ら民族を支援していきたいと述べました。

 続いて中国研究家の黄文雄氏が、台湾について触れ、日本政府が台湾について、中国側の、台湾は国家ではない、という姿勢を無批判に受け入れてきたことが、現在中国が日本をくみしやすしと尖閣に出てきたことの背景にあると、外交に於いては決して相手に屈してはならないという原則を指摘しました。そして、確かに中国は崩壊に向かっているのかもしれないが、逆に最も恐ろしいのは、崩壊に向かう途中、自分だけが滅ぶのは嫌だと、他国を、アジア全体を巻き添えにするような強硬な手段に出る危険性がある、そのようなときに備えての様々な備えを万全にしておかなければならないと述べました。


評論家 黄文雄氏

 ここで休憩をはさみ、第二部、アジア諸民族の訴えに移り、まず、カチン民族機構副代表のラトウ・モング・ユン・ナウ氏が、現在ミャンマー(ビルマ)では民主化が進んでいるように見えるけれども、実際にはカチンをはじめ少数民族は未だに圧迫されていること、軍事的な攻撃すら続いていることを指摘しました。その上で、日本は民主化への支援と同時に、ミャンマー政府に、この民族問題もはっきり提起してくれることを期待したいと述べました。また、国際機関も、民主化に向かっている今だからこそ、より現実を見据えた対応を呼びかけたいと述べました。


カチン民族機構日本副議長 ラトウ・モング・ナン・ユン氏

 続いてモンゴル自由連盟党のオノホルド・ダイチン氏は、中国はまさにファシスト政権というべきであり、あえて言えばヒトラーよりも凶悪な存在であることを日本人にも理解してほしい、中国共産党政権は今現在、周りの国々に自分の経済力を浸透させ、その後はソフトパワーを浸透させ、遂には大量移民や軍事的圧力で迫ってくる、このやり方は我が南モンゴルでも、ウイグルでも、チベットでも同様に行われ、わがモンゴルは、草原も、牧畜生活も、言語も、宗教も、総てを奪われてしまった、このことが日本にも起きるかもしれないという現実を知ってほしいと述べました。それは自分たちモンゴル人が中国に対し往こう敵で彼らの言い分を信じた結果であり、それこそが破滅への道だと述べました。


モンゴル自由連盟党代表 オルホノド・ダイチン氏

 続いて在日チベット人コミュニテイ前代表ロサン・イシ氏が登壇、日本ではほとんど紹介されないニュースとして、この11月18日、スペインの国家裁判所はチベットにおけるジェノサイド、人道に対する犯罪に関与した容疑で中国の元国家主席江沢民ほか5人の政府幹部に逮捕状を発行したことを紹介しました。このチベットジェノサイド裁判はスペインにあるチベットサポートグループが2006年から持続して行ってきたもので、2008年から審議が始まったのですが、日本では余りにも報道されないと、イシ氏は日本のジャーナリズムの報道姿勢に疑問を呈した上で、チベットで起きたことが日本でも起きようとしている、それはこの裁判が示すようにジェノサイドなのだと述べました。


ペマ・ギャルポ氏、在日チベット人コミュニティー前代表 ロサン・イシ氏

 続いて日本ウイグル協会のイリハム・マハムテイ会長が登壇、今中国で、政治犯、国家反逆者として逮捕される人々の多くはウイグル人であること、これは何ら罪を犯していない人でも、中国政府は、ウイグル人自体を、国に反逆する滅ぼすべき存在とみなしているのだと述べました。そして、このような民族そのものを敵とし、たとえおとなしくしていても罪人とみなされるのならば、むしろいっそこの政府に抵抗して戦った方がいいと思うようになっても何ら不思議ではないと述べました。
 そして、現在の日本は、この中国の正体と危険性に関し、正直あまりにも危機意識が薄いのではないか、自分は日本に住む人間として不安になると警告しました。


世界ウイグル会議副総裁 イリハム・マハムティ氏

 続いてベトナム革新党のアウン・ミン・ユン氏は、今ベトナムは中国の侵略に対する抗議デモと共に、ベトナムの一党独裁政権の腐敗と官僚主義や、ベトナム民衆の土地の強制収用などの人権侵害に対しても抗議の声を挙げはじめており、国外のわれわれも積極的に民主化支援の呼びかけを行ってきたが、正直、今回大変残念なことに、国連の人権理事会に中国もベトナムも当選してしまった。これはいったいどういうことなのか、国際社会の正義はどこに行ったのかと思ってしまうと述べました。しかしそれでも、自分たちの訴える力がまだまだ足りなかったのだと反省し、最終的には正義が必ず実現すると信じて訴え続けていきたいと述べました。


ベトナム革新党組織委員会日本代表 アウン・ミン・ユン氏

 最後に、北朝鮮難民であり関東脱北者協力会代表の木下公勝氏が登壇、北朝鮮政府は、直ちにミサイルや核開発を断念し、その予算や努力をすべて国民に食料が渡るようにすべきなのに、未だに全く間違った主体農法という農業政策を続け、結果として何百万人が飢餓に苦しみ餓死していく自体が続いていると北朝鮮政府を批判しました。そして、ある脱北者は、核を開発するお金があるならせめてトウモロコシでも国民に配ればいいのにと自分に直接語っており、国内でも独裁政権への信頼は低くなっていることを報告、さらに、このような集会に来ると、顔かたちから言語に至るまで、ウイグル人やモンゴル人が中国の漢民族とは違うことが分かる、中国はどう考えてもそれぞれの民族で独立していくべきではないかと述べました。


関東脱北者協力会代表 木下公勝氏

 この集会も3回を迎えますが、壇上にて加瀬委員長より、今後は更にアジア諸民族を中心とした集会として新体制で継続していくことが語られ、それを受けてペマ協議会会長も、中国が民主化され、アジアに平和と民族自決権の確立が実現するまで、粘り強い運動を展開していくことが確認されました。アジアの民主化は、まさに21世紀の課題として、私達の前に残された重要な政治目標であることが再確認された集会でした(文責 三浦小太郎)


第3回アジアの民主化を促進する東京集会「提言」、アジア自由民主連帯協議会会長 ペマ・ギャルポ氏


第3回アジアの民主化を促進する東京集会「宣言」、アジア自由民主連帯協議会事務局長 古川郁絵氏
【宣言文】第三回アジアの民主化を促進する東京集会


閉会挨拶、維新政党・新風代表 鈴木信行氏


【動画】

【1/2】第3回アジアの民主化を促進する東京集会「中国の暴虐にどう対応するか」第一部
https://www.youtube.com/watch?v=c_eayqwOno0

第一部 基調講演と提言

開会挨拶
加瀬英明(外交評論家)

メッセージ
城内実(衆議院議員)
櫻井よし子(ジャーナリスト)
頭山興助(呉竹会会長)
西村真悟(衆議院議員)

基調講演
宮崎正弘(評論家)

提言
加瀬英明(外交評論家)
黄文雄(評論家)

司会 佐波優子

【2/2】第3回アジアの民主化を促進する東京集会「中国の暴虐にどう対応するか」第二部
https://www.youtube.com/watch?v=Ve9RrjV0TLk

第二部「中国の暴虐に抗する諸民族」

ミャンマー
ラトウ・モング・ナン・ユン(カチン民族機構日本副議長)

南モンゴル
オルホノド・ダイチン(モンゴル自由連盟党代表)

チベット
ロサン・イシ(在日チベット人コミュニティー前代表)
ペマ・ギャルポ(アジア自由民主連帯協議会会長)

ウイグル
イリハム・マハムティ(世界ウイグル会議副総裁)

ベトナム
アウン・ミン・ユン(ベトナム革新党組織委員会日本代表)

北朝鮮
木下公勝(関東脱北者協力会代表)

提言
ペマ・ギャルポ(アジア自由民主連帯協議会会長)

宣言
古川郁絵(アジア自由民主連帯協議会事務局長)

閉会挨拶
鈴木信行(維新政党・新風代表)


アジア民主化促進会議
http://asiandemocracy.jp/

アジア自由民主連帯協議会
https://freeasia2011.org/

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