【書評】「チベットの現在―遙かなるラサ」諸星清佳編著

チベットの現在―遙かなるラサ

チベットの現在 遥かなるラサ 諸星清佳編著 日中出版 192頁 1800円+税

 本書にはチベット蜂起50周年の2009年3月、身分証を偽造してまでもチベットの取材を試み、しかし西寧にとどめられ、さらに「悪の組織」まで使ってでもラサに潜入しようとしたジャーナリスト諸星清佳氏の記事「進め、ラサへ」、チベット人医師西蔵ツワン氏の半世紀「遥かなるシガツエ」等が収録されている。
 諸星氏はチベットにおける取材への徹底的な妨害や、今も厳然と続く弾圧にもきちんと触れつつ、同時に、改革開放が定着した中国社会の変化も的確に記してゆく。その記述は、安易な中国崩壊論ではなく、現状を踏まえた上で中国政府のプロパガンダにきちんと反論する必要性を私たちに感じさせると共に、チベットの実態を取材させない中国政府と同時に、センセーショナリズムを負うか事なかれ主義に走るかのいずれかに偏りがちな日本の報道姿勢にも大きな責任があることを教えてくれる。
 そしてツワン氏が幼少時、中国政府のプロパガンダ映画に洗脳されていたことを率直に語る姿勢は、今も多くの中国民衆がどのような精神状態にあるかを考えさせる。チベット、そして中国の現在を知るための一冊として本書をお勧めしたい。(三浦小太郎)


日中出版 >> チベットの現在――遙かなるラサ
http://www.nicchu-shuppan.jp/?p=758



関連記事 :
  1. 【アクション】2月13日 チベット・インディペンデンス CELEBRATE THE SNOW LION FLAG : Students for a Free Tibet 日本
  2. 【12月19日】アジア自由民主連帯協議会「忘年会&トークライブ 2014年・激動アジアを振り返る」
  3. イリハム・マハムテイ「ウイグル国際会議報告会」 : 日本ウイグル協会
  4. 【中止となりました】チョルテンジャブさんを囲む会 「チベット・チベット」のトークとランチの集い
  5. チベット インディペンデンス 100 : Students for a Free Tibet Japan

.