中国当局が南モンゴルの社会不安に備えて厳戒態勢に入った : 南モンゴル人権情報センター

SMHRIC 2014年5月12日 ニューヨーク

モンゴル人による全国的な抗議行動から3年となる2014年5月10日が近づくと、南(内)モンゴルの中国当局は厳戒態勢を敷き、学校・大学に対して学生による抗議行動に参加しないよう警告し、いかなる混乱をも鎮圧するための安全対策を強化した。

中国警察または公安当局から南モンゴルの主要な学校・大学に通知が送られ、その内容は:

昆明駅のテロ事件以降、中国全土で多くのテロが起きている。人通りの多い場所はテロの対象となり易い。最近、内モンゴルのネット監視当局が「内モンゴル正青年組織」という団体が5月10日午後5時30分「5・10フフホト夜間デモ」を計画していることを突きとめた。全学生の安全のために学校は学生が週末に学外に出ることを不許可にし、活動への参加は厳禁とされた。どうしても学外に出る必要のある学生は休学の手続きをしなければならなかった。もし急用がなければ、学生は街に出てはいけない。もし学生が関係する活動に参加しているのが発見された場合、学校は処罰しなければならない。全ての学生が規則に従うよう望まれる。

その後に出された通知では「内モンゴル正青年組織は海外の反体制勢力によって内モンゴルで創設された」と明らかにし、学生に学内にいて、それぞれの学校が組織する活動に参加するよう警告している。

「もし不穏な動きがあれば、全ての教室と寮で学生の点呼を行い、担任に報告しなければならない」。通知は学生に対し「警戒しなさい、政治意識と感覚を高めなさい、責任ある市民としてできるだけ社会の安定と社会の調和に貢献するように」と警告している。

南モンゴル首府フフホト市の大学の学生や教員から入手した情報では、学内のセキュリティは非常に厳しく、学生らは週末スポーツ大会や芸術祭りなど臨時の学内行事に参加させられている。

中国当局は、起こり得る学生の抗議行動を先制して抑える対策を講じる一方、学外の公共の場で起こり得るいかなる大規模な抗議行動をも制圧する準備を整えていた。大がかりな反テロ訓練及び関連活動が最近中国当局によって南モンゴル各地で実施された。

2014年5月5日、内モンゴル自治区警察庁は「武器及び備品の合法的使用の特別訓練」8セッションのうちの第1セッションをスタートした。警察庁ウェブサイトによると、「新たな環境下において社会の安定に関わる様々な問題と取り組むため」の「反テロ意識」「戦闘意識」「法意識」「安全意識」「自己修養意識」を含む5つの意識が訓練の主要スローガンとなっている。

2014年5月7~8日、コードネーム「翡翠龍No.4」反テロ訓練が南モンゴル東部オラーンハダ(赤峰市)で実施された。訓練の筋書きでは「数十人の敵が駅に突然現れ、手当たり次第に群衆を襲い始め、多数の死傷者が出た」。内モンゴル自治区警察庁公式サイトによると、反テロ司令部がすぐに設置され、刑事警察・交通警察・消防・公安・刑事・インターネット安全・公安・情報機関・武装警察を含む全勢力が協力して25分以内に「テロリスト8人を射殺した」「その一方で、2人は車で逃走中である」という。

2014年5月8日、内モンゴル自治区副主席馬明と内モンゴル自治区警察庁長官が「鉄道および地元住民の安全の改善のため」フフホト駅を特別視察した。馬明副主席は、「社会の安定を十分に維持するため」危険な場所に対する安全対策は厳しくすると強調した。


中国当局が南モンゴルの社会不安に備えて厳戒態勢に入った : 南モンゴル人権情報センター
http://www.smhric.org/jap_194.htm

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