ハダとその家族からの公開書簡 : 南モンゴル人権情報センター

ハダ、シンナ、ウイレス
南モンゴル、フフホト
英訳:SMHRIC

中国国家主席習近平、国連人権委員会および米国議会外務委員会への請願書
請願者:
ハダ:男性、59歳、モンゴル人、学歴:大学院
シンナ:女性、58歳、モンゴル人、学歴:短期大学
ウイレス:男性、30歳、モンゴル人、学歴:高校

ハダは2010年12月10日、刑期を終えた。ところが、釈放されることなく、内モンゴル警察局により、フフホト(呼和浩特)郊外にある秘密の「黒い監獄」に非合法に収監され続けている。この「黒い監獄」は、フフホトの東郊外の混合施設内に位置している。外部ゲートには「科学研究制限区域・侵入禁止」との表示がある。混合施設は2シフト制で私服警備員が常勤している。敷地は広大で、北西の角には高圧電流の有刺鉄線で四方を囲まれた小規模な混合施設がある。

この小規模な混合施設は二階建ての小さな建物である。ハダはこの建物の2階に収監されている。内モンゴル警察局国家安全チームから20人余りの警官がこの混合施設を警備している。窓は特別に厚く、完全密閉のガラスでできている。

ハダは1995年12月10日深夜、南モンゴル民主連合(SMDA)を設立した罪により自宅で逮捕された。その後、懲役15年が宣告された。ハダは、オラーンハダ(赤峰)市にある内モンゴル第四刑務所で刑期を終えた。ハダは15年間の服役中、自らの罪を認めるあらゆる強要を拒否した。妻のシンナも夫の釈放を求め、この人権侵害事件に国際社会が注意を向けるよう発言した。シンナは、迫害をやめさせるため中国政府に圧力がかるよう主張してきた。

ハダと家族は世界へ語りかけた。

「南モンゴル民主連合」設立の動機と目的は、「中国政府の南モンゴル草原への大量移民政策と、草原のさらなる砂漠化を避けるため、草原の農地化と破壊に反対し、草原の生態のさらなる破壊を止め、南モンゴル人が言語や伝統を失い(漢民族に)同化しないよう、また同時にモンゴル文化が根絶しないよう、南モンゴルにおける高度自治あるいは真の自治を要求することである」(起訴状の陳述より)。

SMDAを設立し、モンゴルの若者にモンゴル史の講義をし、民族問題についての13編の記事を書くことは違憲ではなく、市民権の行使は法律で保証されている。これがどうして「犯罪」の告発の根拠になり得るのか。さらにひどいことは、ハダが15年の刑期を終えて後も、内モンゴル警察局がハダの妻と息子に対して非人道的な迫害を行なったことである。ここに、彼らの恥知らずで邪悪な行いの例を示す。

(1)刑期を終えてもハダを収監し続け、全ての罪を認めるよう強要することは、刑法・監獄法および他の関係法令に違反している。「黒い監獄」に彼を収監することは、違法な監禁罪に当たる。この不法な投獄の責任者は法律に従って起訴されなければならない。

(2)2010年12月3~5日まで、内モンゴル警察局はハダの釈放予定の一週間前に妻と息子を逮捕した。警察局は「モンゴル学書店」というシンナの書店を閉鎖し、多くの書籍と土産物を押収した。捜査・押収令状はなかった。押収物はいまだ返却されていない。

(3)シンナとウイレスは、第一および第三フフホト拘置所にそれぞれ拘留された。同時に、内モンゴル警察局国家安全チームはハダを脅迫した。「おまえが罪を認めなければ、シンナとウイレスが刑務所に入ることになるぞ。罪を認めて、私たちに協力するなら即刻釈放してやる」と。

(4)2010年12月10日、警察局はシンナとウイレスを拘置所からハダが収監されている「黒い監獄」へ連行し、複合施設の高い壁と有刺鉄線内で家族を「再会」させた。この間、公安職員と内モンゴル政治法制委員会の委員がシンナとウイレスに、ハダが罪を認めるよう説得するよう強要した。ところが、シンナとウイレスは拒否するばかりか、ハダの立場を強く支持した。後に、違法収監に抗議する家族のハンストによって、家族は15年間隔離された後17日間の短い再会を果たし引き裂かれた。シンナとウイレスはそれぞれの拘置所に連行され、ハダは内モンゴル警察局が家族に対して非人道的な迫害をしたと抗議しハンストを続けた。

(5)シンナとウイレスが内モンゴル警察局によって拘留された直後、フフホトのサイハン地区裁判所はシンナ・ウイレス事件の裁判の開始に備えて裁判所に送検されているとシンナの親類に通知した。弁護士であるシンナの兄は、適切な資料の追加調査を要求したが、サイハン地区裁判所は裁判官の不在を口実に事件に関するあらゆるファイルの公開を拒否した。数か月遅れで、シンナの事件は法廷で審理された。ウイレスに対する「薬物所持」の証拠は提出されなかった。告訴には根拠がなかった。裁判所はその事件の関係ファイルを公開していない。ウイレスはいまだ有罪と考えられているが、不起訴の決定を出した人民検察に差し戻された。

シンナに対する「違法ビジネス」の告発がでっち上げられた後、警察局は公判日のわずか3日前に彼女の弁護士に通知した。これは明らかに法律違反である。弁護士は北京から来て、事件を調べ、被告に会い、資料を準備しなければならなかった。弁護士はたった3日で準備作業を終えないといけなかったため、裁判を数日間延期することを要求したが、法廷は弁護士の要求を拒否した。裁判では、弁護士はシンナを弁護して無罪を主張し、警察当局の証拠、その他非合法活動のでっち上げを非難した。法定は記録することとこれらの議論を考慮することを拒否した。裁判前にシンナを16か月間拘束することは完全に違法である。最後的に、シンナに対し「違法ビジネス」の罪で懲役3年、執行猶予5年の判決が言い渡された。シンナとウイレスに対する内モンゴル警察局の誤った告発と根拠のない有罪判決は、ハダが罪を認めないこと明白に関連しており、冤罪に当たる。責任ある当事者が法律に従って起訴されなければならない。

要約すると、私たちは、私たち家族に対する激しい迫害に国際社会が注意を向け続けるよう強く要求する。ハダを即刻釈放し、かつ中国において全ての少数民族の人権状況が改善されるよう中国政府に強く要求する。

敬具
南モンゴルの中国国民:ハダ、シンナ、ウイレス
2014年7月2日

原文 http://www.smhric.org/news_534.htm


ハダとその家族からの公開書簡 : 南モンゴル人権情報センター
http://www.smhric.org/jap_197.htm



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