香港民主化デモは返還以来最悪の混乱に、政府は機動隊を撤収 : ロイター、他

香港民主化デモは返還以来最悪の混乱に、政府は機動隊を撤収 : ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HN0YP20140929
2014年 09月 29日 18:30 JST

 [香港 29日 ロイター] – 香港行政長官選挙制度をめぐる中国政府の決定に反発した民主派が29日、金融街を占拠する抗議活動を実施。警官がデモ隊に催涙弾を発射するなど、1997年の香港返還以来、最悪の混乱に見舞われた。

 主催者側の発表によると、デモ参加者は最大8万人に達した。

 梁振英・行政長官は抗議活動に「断固とした」姿勢で臨む方針を表明。警察が催涙弾を使用したのは2005年以来初めてとなる。警察はゴム弾を発射したとのうわさを否定している。

 その後、民主派の抗議活動が沈静化し始めたことを受け、香港政府は機動隊をデモ隊の活動拠点から撤収させたと明らかにした。政府報道官は声明で、デモ隊に対し、できるだけ平和的に活動拠点から立ち去るよう求めている。

 ただ、機動隊の撤収後も、「傘の革命」と一部で呼ばれる民主化デモのシンボルとなった傘で日差しを避けて道路に横になったり、道端で眠るデモ参加者の姿も見られた。

 18歳の学生は、デモ隊は現在状況を見極めているとし、香港政府の対応次第では再びデモが激化する可能性を示唆した。

 中国外務省の報道官は29日、香港での民主派団体による抗議デモのような「違法行為」を支持する国外の一切の動きに反対すると表明し、中国国内の問題に外国が介入すべきでないとの見解を示した。

 一方、香港市場は続落。返還後最悪の事態に発展した民主派デモが地合いを圧迫し、ハンセン指数は2カ月半ぶり安値で終了した。

 ハンセン指数.HSI終値は449.20ポイント(1.90%)安の2万3229.21と7月9日以来の安値。下落率もここ約3週間で最大となった。


香港の民主派デモは主要地区で道路占拠続ける、各国も情勢注視 : ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HP01J20140930
2014年 09月 30日 09:47 JST

 [香港 30日 ロイター] – 香港の民主派デモ隊は、30日も数万人が主要地区で幹線道路の占拠を続けている。ただ、機動隊の大半は撤収し、これまでに起きたような衝突は発生しておらず、一部のデモ参加者が歌を歌ったり、スローガンを唱える姿も見られた。

 デモ隊は大半が学生で構成され、2017年の行政長官選挙をめぐり民主派の立候補を事実上排除する中国の決定に反発。完全な民主化と梁振英・現行政長官の辞任を要求している。

 中国政府はデモ活動を「違法」としている。これまでには警官がデモ隊に催涙弾を発射するなど、1997年の香港返還以来で最悪の混乱となった。

 30日朝の時点では、香港政府本部庁舎がある金鐘(アドミラルティ)、ビジネス街の中環(セントラル)、商業地区の銅鑼湾(コーズウェイベイ)、九龍地区の繁華街である旺角(モンコック)の少なくとも4か所でデモ隊の占拠が続いている。

 デモ活動は10月1日の中国の国慶節(建国記念日)にエスカレートすると見込まれている。中国政府としては、弾圧に乗り出せば香港の金融ハブとしての国際的地位を脅かしかねない一方で、厳しい姿勢を示さなければ本土内の反体制派を勢いづけかねないだけに、難しい判断を迫られそうだ。

 各国・地域も香港情勢を注視している。

 米ホワイトハウスのアーネスト報道官は29日、「米国は香港当局には自制を、デモ隊には平和的手段で自らの見解を表明することを求める」と述べた。

 台湾の馬英九総統は「(中国政府は)香港の人々の要求に耳を傾ける」必要があると述べた。

 英外務省も情勢を懸念しているとし、抗議する権利は守られるべきだと指摘した。

 HSBC(HSBA.L: 株価, 企業情報, レポート)やシティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)、中国銀行(BOC)(601988.SS: 株価, 企業情報, レポート)、スタンダード・チャータード(STAN.L: 株価, 企業情報, レポート)、DBS(DBSM.SI: 株価, 企業情報, レポート)を含め、香港で営業する各行は一部支店を一時閉鎖し、従業員には自宅勤務などを指示した。

 香港株式市場は29日、1.9%安で取引を終えた。

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