ベトナム警察の蛮行:繰り返される嫌がらせ : ベトタン ベトナム革新党

警察の蛮行:繰り返される嫌がらせ
2016年3月7日
チン・グエン

昨年8月の晴れた日、家族、友人、支援者たちの大集団が南部ラムドン省ラムハ地区にある警察署のゲートを走り抜け、トラン・ミン・ニャットを歓迎した。

4年間にわたりニャットは監視下に置かれ、5か所の異なる刑務所に閉じ込められていた。この日の出所に際して、彼は感情あふれる歓迎を受けた。

大学生のとき、ニャットは中国が主張しているベトナムの主権海域に対する抗議活動に参加し、セントラルハイランドのボーキサイト採掘に関する活動に人々を結集させ、カトリックのメディアネットワークであるベトナム・リデンプトロリスト・ニュースとラジオ・アルフォンソのレポーターをボランティアでおこなった。数多くの活動家と同様、平和的な抗議活動の中で彼は多くの場合、公安警察との衝突を経験した。

サイゴンでの2011年の逮捕は、大学試験終了後だった。刑務所でニャットは悪臭を放つ水と腐敗した食べ物に耐え、現状に抗議するために時には数週間のハンガーストライキを始めた。今は28歳になり獄中から釈放された彼は、警察の蛮行の脅威からまだ解放されていない。

セントラルハイランドの自宅に戻ったニャットは、実刑に続く3年間の自宅軟禁は絶え間のない嫌がらせを意味すると分かり始めている。

「最近の事件は2月22日。夜に家族とお祈りをしていると、警察官のロンがバイクに乗って我が家の入り口へ猛スピードで来たのです」と彼はロアに語った。「母は外に出て、何が起きているのかを見ようとしました。その警官はあらゆる口汚い言葉を叫びながら、彼女を嘲り罵ったのです」

この数か月間にわたり耐えている警察の集中的な嫌がらせはあまりに頻繁に起きているので、彼はその犯人たちの氏名を知っている。

「なぜそれはラムハ警察の仕業だと言えるのか?どのように彼らの名前を知ったのか?それは、私を監視し家に投石しているのは同じ人物だからです。彼らはラムハ公安警察です。私がバイクで行くのをいつも阻止して襲撃するのは、ロンとフンとハンです」とニャットは主張する。

ベトナムにおけるかつての政治犯同様、自宅軟禁下のニャットの日常は、行動が制限され常に監視されている。健康診断を受けるためのちょっとした外出にも、許可が必要である。去年の秋、別の警察官にから受けた怪我の治療のため、もうひとりの活動家と外出した際にニャットは私服警官に襲撃された。

「検診が終わってクリニックからわずか100m離れた街中、母校の近くで彼らに止められ、人々の前で襲われました」と彼は説明する。「7、8人が私のバイクに向かい襲ってきました。警察本部へ連れていかれたのです。自分に聞いてみてください。民間人なのに、なぜこのように警察本部へ来なければならないか?警察署の前でなぜこのような襲撃をさせるのか?もし彼らが警察官でなければ、どのように私は取り調べを受けて立証されるのか?」

罰せられないままに行動している野蛮な公安警察部隊にニャットは疑問を感じているが、その部隊は人権活動家の日常的な脅威になっている。獄中にいる逮捕者と政治犯の人数はここ数年で増加し、警察による殴打は日常においてほとんど現実になっている。

著名な活動家のフェイスブックには活動に関する日々の取り組みだけではなく、今や彼らを脅す方法が投稿されている。それは監視、ラップトップパソコンと携帯電話の没収、言葉の暴力、待ち伏せ、殴打である。

それに、警察の暴力の標的になっているのは活動家だけではない。YouTube上で“công an đánh người”もしくは「人々を残忍に扱う公安警察」という語句を入力すると、23万ものビデオが検索される。それらは、罰金の支払いを拒んだ通勤者を平手打ちする交通警官、地面に投げ飛ばされ顔を踏みつけられている抗議行動の見物人、自分の土地から無理やり体を引きずられている農民などである。

このように広まっている警察の暴力の源は、国家に対する力を持った鈍器として、および法の支配が及ばないままに行動を起こす警察組織として、公安警察を利用している与党である。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア地区副所長であるフィル・ロバートソンは、「ベトナムでは警察の役割が常に二重にあることを、実際に認識することが重要です」と説明している。一方、事実上の優先事項は与党権力のセーフガードとして、国内と海外の敵対する勢力と思われるものからベトナム共産党を保護し、プロの警察組織としての機能を果たすことである」と説明している。

ベトナム公安省は警察を管理する政治機関である。軍隊を起源として、公安省はふたつの勢力を監督する。それは、犯罪調査と従来の警察業務に責任を負う人民警察と、国家を守る組織としての人民公安部隊である。

政治犯罪、反体制派、声を上げる活動家について、重点的に取り組んでいるのは人民公安部隊である。国家の安全に対する脅威、最近ではブロガーや人権活動家として定義されることが多いが、それらを除去する仕事をしている。

トラン・ミン・ニャットと他の多くの活動家を殴打した警察官たちは?彼らは公安警察、もしくはcông anである。それはサイズの合わない制服により、いつも見分けがつく。私服警官による活動家への襲撃は?それもcông an 部隊である。

そうすると、公安省はどれほどに強力なのか?現在の公安大臣であるチャン・ダイ・クアンは、ベトナムの新国家主席に選出されたばかりである。

反体制派への矛先はランダムではなく、上記のように組織化されている。「反体制派は政治的な人々で政府によって政治的であると認識され、公安大臣の大いなるトップダウン方式により、嫌がらせ、暴漢の利用、反対派の家族や友人に対する定期的な脅迫、雇用主が彼らを雇用しないようにする取り組みなどを通じて、まさにターゲットにされています」とロバートソンは言う。「これらのことは、警察が反体制派のキーパーソンたちに圧力を加えるあらゆることのうちの一部であり、組織内の上司の命令と教唆によるものです」39歳の活動家で、ふたりの子供がいるハナム出身のシングルマザー、チャン・トゥイ・ティ・ンガーは公安警察とのいざこざを数多く経験していて、暴力の使用に対する彼らの言い訳さえも耳にしている。「警察が私を襲撃しているときに、彼らは『どうか分かってほしい。これは上からの命令で、政治局からのものもある』ということがありました。彼らの言葉によると、これは公安警察からの命令であって、彼らは単に命令に従っているだけだと。私は何も過ちは犯していないと知っているのに、私の監視が任務なのです。私を襲うのは命令だから。私たちが敵だからではないのです」彼女は詳しく述べた。

彼女は付け加える。「なぜなら公安警察の職に就くとき、彼らは組織に対する忠誠と、保護するのは政府であって人民ではないことを誓うのです。だから、彼らは襲撃を実行します。これらの行為が間違っていると知っているにもかかわらず、命令に反対すべきでないと心の中で思っています。これが公安警察の考え方で最も危険な部分です」

ンガーは自分への襲撃を記録したことで知られている。彼女が持つふたつのYouTubeチャンネルには、公安警察と対立した際の短いクリップとビデオが何百とおさめられている。多くは怪我につながる残虐行為だった。しかし、最も屈辱的なのは日常的な嫌がらせが蛮行である点、つまり取り調べに毎日連れていかれることだと彼女は言う。

「私が拘留されるときはいつでも、彼らは私の持ち物をすべて取り上げて調べるのです。服を全部脱がされ、レコーダー、携帯、カメラのすべてを取り上げられることもあります。誰かに連絡することは許可されず、私はいつも監視されているのです」

ニャットに対する刑務所外の嫌がらせは、彼の愛する人たちに影響を与えるやり方でもっぱら妨害され、自分ひとりだけに影響が及ぶという保証はないと彼は言う。

「刑務所内の状態とその外で経験していることには、かなりの違いがあります。私が刑務所にいる間は姪や甥が脅かされる可能性はありますが、身体的な攻撃を受けるのは私だけです。獄中で殴打され、権利は奪われました。しかし、それはただ自分のみ。今や釈放されましたが、攻撃や嫌がらせを受けるのは私だけではありません。家族も兄弟も友人もそうなのです。今では私のコミュニティが絶え間ない脅威にさらされています」

多くの国家において、警察は人民に尽くして人民を守るためにある。ベトナムでは、警察は嫌がらせを繰り返すためにある。

原文
http://www.viettan.org/Police-Brutality-Abuse-and-Repeat.html


ベトナム警察の蛮行:繰り返される嫌がらせ : ベトタン ベトナム革新党
http://viettan.sakura.ne.jp/?p=165



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