第7回チベット支援団体国際会議(2016年9月8日〜10日、ブリュッセル)声明 : ダライ・ラマ法王日本代表部事務所

2016年9月11日

第7回チベット支援団体(TSG)国際会議は欧州議会チベット支援グループの主催、インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベット(ICT)、ライツ・オン・チベット(Lights on Tibet)、レザミ・デュ・チベ(Les Amis du Tibet)、在ベルギー・チベット人コミュニティの共催で開催され、中央チベット政権情報・国際関係省(DIIR)が協賛した。世界中の50ヶ国の支援団体の250名の代表、それ以外のNGOのメンバー、特別ゲストがこの会議に参加した。

チベット支援団体国際会議は世界中のTSGの多様なスキルと見解、および、それらに共通の目的感覚からインスピレーションと戦略的恩恵を得た。会議中は、占領下のチベットの(特に政治面の)現状、およびチベットにおける人権と環境問題が考察され、チベットの自由に向けた動きの現状評価と協調行動のための計画策定が行なわれた。

2016年9月8日の開会セレモニーでは、名誉ゲストであるダライ・ラマ法王が演壇に立たれ、最近の政治的責務からの引退後の3つのコミットメントについて説明された。開会セレモニーのその他のスピーカーには、欧州議会の議員であるトーマス・マン氏とクリスチャン・ダン・プレダ氏、フランダース議会のヤン・プーマンス議長、欧州経済社会評議会のアンリ・マロース前会長、ICTのリチャード・ギア会長がいた。ロブサン・センゲ主席大臣は、中道アプローチを通じてチベット問題の解決に当たることへのチベット亡命政権指導部のコミットメントを改めて強調し、こうした取り組みに対する国際社会の支援を訴えた。また、閉会挨拶は、チベット亡命政権議会のケンポ・ソナム・テンペル議長、ドイツ連邦議会のクラウディア・ロート副議長、欧州議会のサバ・ソゴル議員が行なった。

同会議は中国人弁護士、学者、人権活動家の討議への活発な参加を歓迎し、彼らの取り組みを中国人とチベット人の連帯の拡大の証左の一つと捉える。

同会議はチベットの人権状況の悪化に多大な懸念を抱いている。悪化する人権状況には、中国の体制がますます権威主義的になる中での宗教的自由の後退やチベット人の民族アイデンティティと言語の弾圧が含まれる。同会議はチベットの全政治囚との連帯を表明する。こうした文脈において、同会議は関係各国の政府が行なった対中国の共同アクションを歓迎し、これを踏まえたチベットについてのさらなるアクションを要求する。

同会議は中国共産党と中国政府のダライ・ラマ法王とチベット中央政権に対する姿勢の強硬化、および、チベット問題の解決のために対話することを拒む態度に失望している。自由を希求し、チベットのアイデンティティと宗教を守る決意を示し、それを破壊する中華人民共和国に抗議し、ダライ・ラマ法王を祖国に帰還させるために、チベットの多くの男女が自らの命という究極の犠牲を払うことを選んだことに、同会議は深い悲嘆の念を表す。

同会議は脆弱かつ全世界的に極めて重要なチベットの環境に中国の政策が及ぼす破壊的影響を深く懸念する。とりわけ懸念するべきはアジアの主要河川へのダム建設、破壊的な採掘方法、遊牧民の強制定住措置などで、その全てはチベット高原と周辺地域の気候変動と環境破壊を増長するものである。

同会議はチベット人の自由、および、基本的人権の回復に向けた彼らの非暴力の戦いに全面的かつ継続的な連帯の意を表明する。チベット人の諸権利を尊重するために中華人民共和国に圧力をかけ、中国政府にダライ・ラマ法王代表団との対話再開を迫り、チベット人の真の自治を求める中道アプローチを通じて互恵的解決策を模索する法王の取り組みに応じるよう主張する、多くの国の議員と政府関係者の取り組みを称賛する。

チベットは古代より中国の一部だと法王に宣言させようとする中国政府の要求は、一つにはこうした歴史の主張が虚偽であり、もう一つには、こうした前提条件が課せられることが本格的な交渉の障害になっているという理由から、完全に受けがたいものだと同会議は考える。チベットは歴史的に見て中国の一部ではないこと、および、チベット人が自らの命運を決める権利は彼らの手にあるとの信念を同会議は再確認する。中華人民共和国は法王と国際社会に虚偽の主張を強制することでは自らのチベット支配の正当性を得られない点を同会議は強調する。中華人民共和国がチベットに果たす役割の正当性は、互恵的合意を通じ、チベット人の必要性と希求に基づいてチベット政策を真に転換させることを通じて初めてチベット人自身によって認められるものである。よって同会議は中国政府には無条件の対話再開を求め、各国政府には中国のチベットにおける主張を承認するよう求める中国政府の圧力に抗うことを求める。

同会議はチベットの国家と民族の正当な代表である中央チベット政権の指導者選出において、亡命チベット社会と亡命チベット人が自身の民主的権利を行使したことを称賛する。

会議参加者はチベット人の自由、その人権尊重、チベット高原の環境保護のための戦いの支援にのコミットしていることを再確認する。ダライ・ラマ法王と中央チベット政権指導部がチベット問題解決に向けた本格的対話を再三にわたり求めていることを参加者は全面的に支援するとともに、対話に応じるよう中国政府を説得するために、国際社会への圧力を強化していく所存である。チベット支援団体(TSG)は満足すべき解決が得られるまで努力を続けていく所存である。

これらを踏まえ、同会議は次の提案を行った。こうした提案に基づきアクション・プランが注意深く策定される見込みである。

人権アクション
・宗教的自由のための各国政府の共同・個別のアクション。特に国際メディアによって世界の関心を集めたラルンガル僧院の破壊に反対するアクション。
・普遍的な法の支配に基づく自国法廷での訴訟。
・チベットにおける文化・民族アイデンティティのレジリエンス運動への連帯の意の表明。
・国連における言語権のアクション。
・パンチェン・ラマの釈放を米中首脳会議のアジェンダに載せる。

真実を取り戻す要求
・孔子学院の政治アジェンダに反対し、学問の自由を求めるアクション。
・1959年のチベット蜂起をUNESCOの世界記憶遺産に登録申請する。
・Wikipediaサイトにチベットについての正しい情報を載せるシステムの構築。

中国におけるアウトリーチ活動
・チベット人の証言と個人の身の上話を中国語に翻訳して中国国内で配布する。
・中国語のWikipediaサイトにチベットについての正しい情報を載せるシステムの構築。

環境アクション
・チベット高原を源流とする河川について、関係諸国、特に中華人民共和国に対し、水資源共有契約の締結に向けて圧力をかける。
・気候変動をペースダウンさせて、世界中に恩恵をもたらすべく、チベット人をチベット高原の管理人とするよう中華人民共和国を説得する。
・中華人民共和国の環境法上の有益な規定を通じて、同国にチベット高原における環境保護に本格的に取り組むことを迫る。


第7回チベット支援団体国際会議(2016年9月8日〜10日、ブリュッセル)声明 : ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
http://www.tibethouse.jp/news_release/2016/160919_Statement_160911.html



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