【報告】第22回講演会「中国民主化運動の現状と今後」講師 王戴氏

【報告】第22回講演会「中国民主化運動の現状と今後」講師 王戴氏

 2016年9月24日、東京、飯田橋でアジア自由民主協議会第22回講演会「中国民主化運動の現状と今後」講師 王戴氏、が開催されました。講演会の文字起こしを掲載します。


 皆さまこんにちは。日本中国民主化運動団体協調会の王戴と申します。本日は雨の中わざわざお越しいただき、ありがとうございます。

 9月7日~10日まで約3日間、ベルギーのブリュッセルで欧州議会第7回チベット支援グループによる国際会議を開きました。私は日本の参加メンバーの中に唯一中国人として参加しました。全世界から私みたいな中国の民主化活動家が、28人この会議に参加しました。会議に参加して、私自身、国際会議ですから、まず英語の能力のなさをものすごく痛感しました。中国語や日本語の同時通訳がついてくださればありがたいのですが、通訳がなかったので、グループ分けで討論するときに、周りはみんな流暢な英語で話をして、自分は何もできないような思いで、かなり悩みました。これから英語に力を入れないといけないかなと思っています。皆さまも2020年の東京オリンピックのときに英語を使う場合があるかと思います。在日中国人の一人ですが、私も日本の一員として社会貢献ができるように努力しないといけないと思っています。

 これから中国の民主化の現状と今後について話をさせていただきます。皆さまご存じのように、1950年代は世界中には20カ国の民主国家がありました。今まで全世界で約121の民主主義国家があります。つい最近、独裁国家であったミャンマーも、アウンサンスーチーさんの活躍で、彼女が率いている政党の大躍進で民主化の道を歩んでいます。しかし、残念ながら世界の人口の大半を占める中国は、いまだに共産党一党独裁の体制です。これは中国の人々の悲しみだけではなく、おそらく全世界の華人の恥でもあるかと思っています。

 中国の民主化運動を遡ると、共産党が1949年に政権を取って以来、残虐な文化大革命があって、2年後の1978年から、まずは北京の春という運動、そして民主の壁があって、当時の指導者である鄧小平が四つの現代化を唱えました。日本語で言えば近代化ですが、まず工業、農業、国防、科学技術の近代化という目標を掲げました。それに対して民主の壁に立ち上がったいちばん最初の活動家たち、とくに著名な活動家である魏京生さんが第五の近代化を唱えました。第五の近代化というのは、まず政治の近代化です。要するに民主化をしなければいけないということを唱えました。もちろん当局としてはこれは許されないことで、魏京生さんは長年の刑務所生活を送りました。その後、1997年に、名目としては治療のためにアメリカに渡しましたが、当局から言わせれば、まずこういった反対側の勢力の人間は、中国の土地を離れたらもう何もできないだろうと考え、まずは海外に追い出すのです。

 もちろん民主化運動はそれで完全に消えたわけではない。その後、1989年に、学生運動、そして民主化運動が最高に高揚した時期を迎えました。それは皆さまご存じのように、とても残念なことですが、当時の学生さんは当時の中国共産党そのものを打倒する意思はありませんでした。もし最初から共産党そのものに反対であれば、ソ連や東欧の民主化のように、もっと中国の政治情勢を変える力を持った可能性はありますが、当時の学生さんはそれまでは要求しなかった。単に自分の母である、父である共産党が腐敗を改めて、正しい道を進むことを望んだけれども、天安門事件では、武器を持たない学生さんと市民たちは残虐な弾圧を受けて、いまだにその全容は明らかにならないほどの残虐な虐殺事件が起きました。

 その後、時間の流れによって、1992年頃から次第に民主化運動は、中国国内では急速に衰退して、海外に拡散したいろいろな活動家たちは、それぞれ自分が住む国で民主化運動を続けてきました。その後、一時的に当局のいろいろな工作によって第一線から離れた活動家もいるし、残念ながら運動はそれほど盛り上がらなかったのです。

王戴氏

 私は1989年に天安門事件の1カ月後に日本に来ました。当時日本は、かなり大規模で、私より先輩である方も本日こちらに見えていますが、いろいろなところで1万人以上の規模で、もちろん在日の中国人、そして応援してくださった日本の方々が、たとえば渋谷の宮下公園などで抗議デモなどをやっていました。その後、その規模はどんどん小さくなっていった。もちろん中共の工作によるものだと思います。

 その後、2010年に劉暁波さんがノーベル平和賞を受賞されました。これは再び中国に民主化運動への情熱を蘇らせました。ただ、劉暁波さんがノーベル平和賞を受賞されたことに対して大議論にもなりました。その議論というのは、彼の言う「私に敵はいない」という説についてです。劉氏は、私は敵がいない、共産党も敵ではありません。ただ、08憲章によって、まずは中国は民主化の道を進まなければいけない。でも、共産党そのものに反対するわけでもない。

 その後、国内でもこういった論点に対してかなりの論争をしました。あとで少しお話ししますが、もちろん劉暁波さんは国家政権転覆の罪で11年の懲役を受けている。今でも刑務所生活を送っています。ただ、劉暁波さんは別格で、刑務所生活は普通よりも結構いい待遇を受けている。どういう待遇かはわからないですが、ノーベル平和賞の受賞者ですから、当局としてはもっとやさしく対応しないといけないかなと思っているのでしょう。国際的な世論が彼を支持していることもあると思います。

 そのほかに、1992年以来、中国共産党は、海外の組織、あるいは民主化運動団体、あるいは華僑のいろいろな集会、そして中国語のメディアに対して、大量の工作員、いわゆるスパイを派遣し、そういった組織に浸透し始めました。これによってそれぞれの組織の中に内部紛争を起こして対立ムードをつくってしまうのです。そういったムードがどんどん高まっていって、いろいろな団体が分裂するようになりました。特に日本においては、留学生新聞がいちばん最初にありました。その新聞は中国人と台湾人が共同で経営していた新聞で、そのきっかけとしては天安門事件ですが、今の中共政府に対して批判的な立場の新聞でした。ただ、その後いろいろな理由で、たとえば経済面の原因、あるいは経営がうまくいかない。そして中国政府の買収の動きなどがからんできたのだと思います。それぞれが生きるためにどうしてもそういった影響は受けざるを得ない。

 いろいろなことが考えられますが、結果的には中国政府は92年から今までずっとそういう工作をやっている。世界各地の中国人がいる至る所にそういったスパイが存在すると思います。実例としては、アメリカ本部における中国社会民主党があります。その政党は5年前から大分裂した。遡って2001年からもう11回ぐらいの分裂がありました。その分裂には二つの種類があります。内部紛争がまず一つの原因だと思いますが、もう一つは外部からの要因です。外部というのは、中国でいろいろな関係者を派遣する。もともとが反対陣営の人間で、そして利益のために自分の政治的な心情を変えて向こうの中国に帰られた。あるいはお金のために、ビジネスのために、政治的な立場を変えて当局の協力者になっている。そういった人間を中共政府が利用して派遣して、いろいろな団体の中に入り込ませる。もちろん入ることによって、政治的な見解は異なっているのですから、結果的には内部紛争になるのだけれども、私の考えは、思想や運動論の違いだけではなく、もともと運動をかく乱するために送り込まれてくる人もいるのではないかと思います。

 ただ、それだけではなく、本当の内部紛争もあります。中国共産党に対してどういった立場をとるか、、どういった路線で闘うという立場の相違だと思います。その大きな相違が、まず先ほど言った敵はあり、敵はなしとかいったことです。もちろん劉暁波さんの意見について論じるのは、今日の主要なテーマではないので多くは語りませんが、私は劉氏に賛成する立場ではない。なぜかというと、今まで、つい3日前も、中国の活動家は11年の国家転覆扇動罪の罪で懲役を宣告された。これに対して、共産党はこんなにひどい弾圧をしているにもかかわらず、共産党を敵ではないなどといえるのですか。
しかも、国際的には中国はものすごく脅威的な存在になりつつある。これでは皆さんも中国は敵ではないと言えますか。当然言えないと思います。この点、共産党に対し敵とみなすか、みなさないかで大きく民主化運動内部でも意見は分かれます。一部の人たちは、共産党とも平和的に交渉し、理性、対話、協調の精神を唱えていますが、本当に共産党自体がその中で変わっていってくれればいいのですけれど、現実はそうはなりません。ここは一つの考え方の違い、民主化運動をどう進めるかの内部紛争の原因となるでしょう。

 もちろん海外にいる私たち、たとえば中国人が、滞在する国の中でいろいろな大きな課題をかかえています。もちろん中国のそういった活動家たちは例外ではないです。でも、たとえばよい生活をしたい。豊かな生活を手に入れたい。手段はいろいろあります。人によって歩んだ道は違う。日本で地道に働いて、どんな仕事でも、危険な建築現場で働く人々もいます。正社員になって会社に勤める人間もいます。
でも、そのほかに、真面目に仕事をせず裏ビジネスをやる人間がいます。私はもともとは民主中国陣線日本支部の一員でした。ただ、所属するまではほとんど、政治活動にも、民主化運動にもかかわっていませんでした。なぜかというと、当時、天安門事件のおかげで海外にいる学生運動のリーダーたちの、その後の姿勢に対し、私は私なりの疑問を持っていましたから。中には、天安門事件当時当局に指名手配された21人の中にも、のちには中国政府に迎え入れられ、考えを変えた人もいます。もちろん、人それぞれ、生き方は自由です。自分の政治的理念、信条を変えることはその人の自由です。ただ、その人が、運動を利用したり、民主化運動の評判を落とすようなふるまいをしたり、私たちに危害を及ぼすような行動をすることは私は絶対に許しません。

 日本においても、あえて私は今日は述べさせていただきますが、運動家の中でも、組織を私物化し、例えば偽装難民のビジネスとしか思えない行動をした人がいます。明らかに、何の政治的意識もない、単に日本に滞在して仕事をする資格がほしいだけの中国人、またオーバーステイになりそうな中国人に、あえて政治難民であるかのような申請をさせていました。これには、もちろんいろいろなお金が伴います。いろいろな名目をつけて義援金を募っていたのです。たとえば中国民主化運動を応援するために、まず入門金みたいにお金を、政治意識なにもなさそうな人から、滞在資格を取ってあげるお礼として出させる。これらの資金が民主化運動のために使われていたのならともかく、私物化されていたとしか思えない。

 そのほかにもそういったビジネスはいっぱいあります。これは明らかに私たち中国人のイメージをいい方向に向けることは絶対にあり得ない。悪いイメージ、中国人はみんな悪い。もちろんこれは在日だけではなく、世界中から見れば、特にアメリカもそうですが、難民ビジネスをやっている中国の民主化運動の団体があります。たとえば1人頭でどのくらいのドルといったランクがあるという話すら聞きます。まあ、アメリカは移民国家ですから、いろいろな民族、いろいろな人種が集まる国で、日本とは少し事情は違います。六四天安門事件後、世界各地、特に欧米で、当時の留学生に永住権を与えることが行われ、数万人規模が認められています。しかし日本の場合、政治難民として認定された中国の民主活動家は、現在まで2人しかいません。私もそうですが、多くは、人道上で在留の特別許可を受けて特定活動という在留資格を持って住んでいます。もちろん、日本独自の理由も法律もあるのですから、私たちは日本社会に感謝し、これを受け入れなくてはいけませんけれども。

 今回、ベルギーに私が行った時も、民主化運動の中で、大きなグループである民主中国陣線内部で二つのグループが対立をしていて、私から見れば夫婦げんかのようにみえますが、おそらくチベット側が気を使ったのでしょう、その対立している両陣営のトップは意識的に呼んでいないんです。私が思うには、外部からもいろいろな工作員が入って内部紛争が激しくなっている。中には個人的な攻撃もあります。あの人は経済的な問題があるとか、個人のプライベートの問題までも攻撃材料になっている。これはどうかなと思っています。でも、残念ながらこれが中国の海外における民主化運動の現状だと思います。

質疑応答

 それを私たちはかなり実感して、日本においてはまずは小異を捨てて大同につくという原則で、日本にいるほかの民主化運動の団体をみんな再構築して、こういった日本中国民主化運動団体協調会を立ち上げました。もちろんその中にそれぞれの考え方があって、同じテーマに対しても立場は違う。これは民主社会ではごく普通だと思います。みんな同じ考え方ということはまずあり得ないと思います。

 もしかしたら中国人は世界で最も団結力の弱い民族だと思います。中国人の中にもいろいろな民族があります。たとえばほかの民族に対して民族間のトラブルは、私が考えると、多くの原因は中国政府の民族政策の間違いです。私たち民主化運動を目指しているメンバーたちは、まず政権を取るという考えがないといけない。政権を取った後に、もちろん弾圧された民族にまず謝らなければいけない。申し訳ございませんでした。すみませんでした。これが本音で言えないといけない。そして、周りの諸国に対しても素直な気持ちで接しないといけない。私はそういうふうに考えています。

 これが国外におけるだいたいの中国の民主化運動の現状だと思いますが、国内においては、昔の反対派勢力に対して、江沢民から胡錦濤まで、あるいは現在の習近平まではみんな弾圧を強めてきました。特に習近平の場合はとことんやっています。時代の逆戻りで、今年は文化大革命の50周年に当たる年ですが、中国の国内外で再び、文化大革命の再来になるのではないかと、みんな危機感を持っています。
それぞれの考え方は違うと思いますが、習近平は個人の崇拝で毛沢東の真似をしています。中華思想で大統一を目指している。そういった偉業を果たして偉い人間になりたい。ただ、彼はそういう素質はないと思います。なぜかというと、昔から、こちらの連帯協議会の会の中でも、たとえばラージャオさんもそういっているのですが、メキシコで、習近平は、西側諸国に対し、われわれは革命も貧困も輸出していないのだから、国内の人権問題や民主化問題について、お前たちは黙っていろと言った、大変傲慢なことを言いました。

 鄧小平はずるい。民主化運動をあんなにさかんにやっていたにもかかわらず、経済が大優先で、計画経済から市場経済を導入して今の発展につながっている。もう一つは、日本は大きな役割を果たしました。六四の後に西側諸国はみんな経済制裁を実施しているにもかかわらず、日本は海部政府だったか、経済制裁を解除して大きな経済援助をしていた。それが今の中国経済の発展につながるのではないかと思っています。もちろん中国人、あるいは中国政府はそれは認めない。私たちの力で自分でここまでがんばってきたと言う。

 結局私が実感するのは、ヨーロッパに行って、もちろん中国人として行っているものですから、中国人は経済力を身につけても、どこの国でも尊敬されない。なぜかというと中国政府が悪い。教育が悪いのです。人間の最低のルールを知らずに、外に出たら傲慢さで、金さえあれば何でもできるような勘違いをする。これが大きな間違いだと私は思っています。日本社会で28年間生活をして、だいたい日本的なスタイルになります。ヨーロッパに行くと、まず時間は厳守。ヨーロッパの人間、あるいは周りの人間はそうではない。たとえば9時だったら、9時半までだらだらと来る人間がいます。これは日本人のよさだと思うし、私もそうです。

 実感するのは、たとえば亡命者はいろいろな国にいます。日本が亡命を認めない人間がヨーロッパに行っています。私は会議の後に、たとえばオランダに何カ所か行きました。フランスにも行きました。みんな生活する環境はとてもいい。住まいはかなり広い。日本みたいな狭さは感じさせない。みんな最低限の生活が保障されている。日本はちょっと違う。私たちは仕事をしないといけない。家族を養うことができない。たとえば今日ここに来ている若い仲間は、コンビニで長時間毎日働いています。休みもほとんど取らない。だいたいここで終わったらみんな懇親会に行くのだけれども、彼はほとんど行かない。いつも仕事をしている。それなりの労働でそれなりの保障も得ているのでうらやましいですが。いろいろなことがありますが、うらやましいのはうらやましい。でも、私は日本にいながらこの国を愛している。この国で社会貢献ができれば、微力でも出し切ることが私の責務かなと思っています。もちろんそれぞれの考えもありますが。

 現在、中国国内においてはいろいろな人権派の弁護士が活動し、市民が陳情という形で様々な訴えを中国政府に求めています。これも民主化運動につながるかどうかはたぶん皆さん関心があるかと思いますが、私はこれはかなりつながっていると思います。なぜかというと昔から中国人は全部政府に任せる。自分の意見はあまりない。共産党は何でもかんでも全て決まっているからいい。今現在は違う。通信手段の発達によっていろいろな情報が簡単に手に入る。今は中国のアリババという会社はネットショッピングにかなり力を入れているし、昔のデパートなどはどんどんつぶれている。彼らはネットショッピングの革命を起こしている。日本にもたぶんそういった力を及ぼすけれども、ネット環境によって世間は変わっている。

 労働者は自分の権利を守るために命をかけていろいろな活動をしている。海外にいる私たちはそれらの人たちといろいろな形で綿密な連携を取っている。皆さんはご存じかどうかわからないですが、フェイスブック、ツイッターは中国にはまだないですが、でもソーシャルメディア、SNSのLINEみたいに、たとえばWeChatは、中国語で微信(ウイシン)と言うのですが、もうかなりユーザーがいます。一時的に数字的に言ってくるのだと思うのですが、6億人はいるらしい。

 WeChatの中にいろいろなグループをつくることが可能です。グループの中に500人の上限があって、そのあとグループ1とか2、3とかに分かれる。この中で皆さんの意見を素直に言っている。団体でなければ、共産党に対して「ばか」とか「死ね」とかいうことを平気で書いている。当局としてはコントロールできる範囲でやっている。もしそれ以上にさかんにやっていると、そういったユーザーの口座を封鎖して利用することができなくなる。でも、こういった情報の伝達はものすごく速い。

 本来であれば共産党はこういった交流が世間に拡散することは求めていない。いろいろな形で一生懸命阻止しなければいけないというのが当局の考えですが、携帯電話などの技術の発展によって、昔みたいな思想の解放の理念を変えられる。海外にいる私たちは、微信を通じて本当の民主化国家が中国と違って、こういう世界に通用するやり方でやってますよと、国内の人達とこういった交流をさかんにやっています。私は携帯の中でこういったグループがいくつもあります。すべて参加していますが、新しい内容に更新するときに、ずっとブザーを鳴らしています。鳴らさないでマナーモードに切り替えて、更新はわかるのだけれども邪魔にならずにすむ話です。そうしないと、ずっとこういった更新があるのです。

 批判的な立場もあります。その中にいろいろな思想があります。危ない思想もあります。(皇漢)という組織があります。要するに漢民族は最も偉大で、漢民族はほかの民族を統制するのだということを露骨に言っている。これは本当にばかげたことです。なぜかというと、そういった思想は完全にナチスの考えです。たぶん当局はあえて黙認している。なぜかというと、これは習近平の中華大統一という思想と合致しているので、たぶん弾圧しないのだけれども、この考えを持つメンバーはいろいろなグループの中に入り込んで、これはとても危ない思想です。思想解放によって考え方がそれぞれの立場で出てくるのですが、当局としてはあくまで予想外の展開になっているのだと思うし、今の段階である程度コントロールできる範囲で、もしコントロールできなければどういった方向に発展するか。

 もし仮に1989年のような民主化運動が再び発生すれば、昔と同じような結果になることはあり得ない。なぜかと言うと、その意味は、今度そういったことが起これば、弾圧されるのは普通の中国国民ではなく、中国政府の崩壊につながると思います。六四天安門事件のときに、漫画家のラージャオさんが描かれた漫画があります。その漫画は、タンカーの前に立ちはばかる1人の人間がいて、でもそのタンカーの向きは後ろ向きになっている。もちろん砲口は中共政府に民衆に向かっているのではない。このような動きはみんなもう察知している。普通の人間はたぶんそれがもうわかっているのです。

 中国の民主化運動の現状はだいたいこんなものですが、これから中国はどういうふうになるか。私の考えを皆さんに述べたいと思います。まず中国は今の政治体制を転換することが必要。その第1段階は、ベルリンの壁の崩壊のように中国共産党の壁を崩壊すること。第2段階は二つの勢力がこれから争う。一つは、イギリスあるいはアメリカのような連邦制度で、もう一つの勢力は中国の大統一という勢力。もちろん前者、連邦制度が実現すれば、中国はもしかしたら一流の民主国家になれる。ただ、後者の大統一のほうで実現するのであれば、今までのいろいろな民族問題はまだそのまま存在する。解決につながらない。しかも、民主化に転換しても一流の国家にならないのです。これは第2段階。第3段階がもちろん望んでいること。アメリカのような連邦制度を取り入れて、それぞれの民族自治区に自治権を与えないといけない。彼らの自らの気持ちで、自らの意向で、自分たちの未来を決めることが連邦制度かなと思っています。これが中国の未来だと思っています。

 もちろんいろいろな論客はありますが、中国の民主化運動がおそらく今世紀に実現すれば話は別ですが、今世紀中の中で世界の大テーマだと思います。なぜかというと、世界中のならず者国家は中国と北朝鮮です。本当にとんでもないです。ベルギーに滞在していたときに金正恩はまたミサイルを発射しました。何をやっているのかよくわからない。その後ろ盾は中国。中国の顔色をうかがうというか、常任理事国ですから黙認するのです。

 はっきり言って、北朝鮮はもし中国が裏についていなければ、そこまで大胆にやることはたぶんないと思います。でも、中国は、やくざみたいに手下がこういうことをやっていること自体を見逃しています。好き放題にやれよと。なぜかというと、西側諸国にわざと難癖をつけるために、こういった矛盾することを生かしている。これが主な中国の現状というか、いろいろな民主化のことを考えてもそうです。
中国独特のそういった制度があって、状況もほかの国に類がないことです。中国はいろいろな民族をかかえています。このあいだある集会である方のお話は、中国は56の民族があるとは思わない。せいぜい三つの民族で、その三つの民族はどの民族か確認しなかったのですが、おそらく漢民族、ほかは全部漢化されている民族、鈍化されている民族です。あとの二つの民族はどちらを指しているかは私はよくわかりませんが、おそらくチベットとウィグルかと思っています。

 これは納得できる部分もあります。たとえば私はヨーロッパに行ったときに、チベットの方は、持っているのはパスポートではなく黄色い難民旅行証なのです。ベルギーに入国するときに、「おまえら、これはパスポートではないんじゃないか。パスポートを持たない人間は入国できない」と言われた。いろいろな人間が本来は参加すべき時間帯に、参加すべき論議に入ることが、結局時間どおりに到達することができなかった。私は同じ立場に立つと、やはりチベットの方はほかの民族と異って、本当に悲しいことで、パスポートがないんです。中国は認めない。亡命政府がインドから発給された旅行証で、確かにこれはパスポートではない。

 民族の独立とかいった考え方も理解できないわけではない。ただ、一つ言えるのは、中国の民主化が実現しない限り、解決につながらないと思います。大きな問題は中国の今の独裁政権です。いかなる手段、いかなる形で独裁政権を崩壊させないといけないと思っています。もちろん中国共産党自体が内部からの改革や改良で政権を維持することを望んでいると思うけれども、フランスにいたときに、フランスの仲間が、習近平は5年以内にもしかしたら政治体制の名前を変えて大統領になるかもしれない。何の大統領になるのか。政治体制を変えないために大統領になる。何の大統領かよくわからない。今の憲法が共産党はずっと与党ですから、政権はずっと与党。野党は形としてはないのです。多党制と言うけれども、選挙によって国民が選んだ政党は多党制と言えるけれども、最初から憲法で共産党政権はずっと与党と決まっているのだから、これを変えないといけないと私は思っています。

 いろいろな方の考え方がありますが、日本においては、たとえば学術的な研究者もいます。私は研究者ではないので、私の立場から言えることは、この国のすばらしいことです。このあいだフェイスブックを通じて、安倍総理の夫人が反対派陣営のデモに参加して、そこでツーショット写真を撮ったのですが、台湾のメディアで報道された。やはり民主国家ですね。いろいろな立場で表現できる。しかも弾圧も受けない。言論の自由。中国はまだ言論の自由はない。

 しかも、日本にとある中国人団体は、数年前の話では、自分は何の関係もないのに突然中国大使館から、あなたたちの活動はなぜ大使館に報告しないのか。なぜ報告しないといけないのですかと聞くと、中国人団体だから報告が当然ではないかと言われた。これは日本だけではなく、いろいろな国で中国人のグループ、中国人の組織に中国共産党の影がある。これは警戒しないといけない。もちろん日本は中国と近いから、ヨーロッパと違って、2時間あまりで行ったり来たりすることが可能です。工作員も頻繁に行ったり切ったりすることが可能です。

 日本に拠点を置いて中国の民主化運動を目指してやっているのですから、日本社会の応援がとても重要だと思っていますし、ほかの団体ともよい連携をして、まず中国の工作員の工作をつぶさないといけない。私たちはより団結をして、中共政府に正々堂々とノーと言える立場でないと、どんどんどんどんつぶされていく。これが今の中国の民主化の現状だと私は考えています。

 中国はもしかしたらこれから大動乱に陥るかもしれない。大動乱というのは報道されないような暴動とか、地方においては政府機関の腐敗とか、いろいろな変なことをやっている。人権を侵害するような動きは至る所にあります。広東省のある烏坎村で、選挙によって選ばれる村長さんでも逮捕される。もちろん広東省は香港の隣ですから影響が受けている。今回の香港の独立を目指している若者はもう議会で当選しています。若者とは、今年の1月頃に、台湾の総統選挙のときにもそういったつながりもありました。今回のベルギーの会議で台湾の方も参加していた。台湾の与党の方、あるいは野党の方と私たちとの連携もあります。中国文化と台湾文化は同じですから、言葉も同じで、親近感はあります。だから台湾をよりいいモデルとして中国は経験を学ばないといけない。そして西側諸国の中でも中国が最も学ぶべき国は日本です。なぜかというと、中国語の中でも名詞はいくつか外来語がある。もともと中国人の中でそういった言語はなかったのだから。たとえば革命とか、民主とか、こういった名詞や言葉はもともと中国語の中になかったもので、日本から伝わってきたものです。日本は中国に多大な影響をもたらす国で、日本の経験をもっと勉強しないといけない。

 将来的に私たちの仲間の中でより多く勉強して、必ず卓越した人材が現れるだろうと思っています。その人たちは中国の明るい未来を担っている。中国人はそんなに頭の悪いやつではない。ただ、団結力は弱い。そして自己中です。そういった思想、考え方は全体的に考えないといけない。これは基本的な教育だと思うし、私たちの啓蒙活動も不可欠です。

 このような考え方は私たちだけではなく、周りの中国人、あるいは日本の方の協力を受けないといけない。これからも日本の活動においては、より皆さまの支援、連携をいただかなければいけないと実感していますし、今年の六四天安門事件のところでは、いろいろな方からの協力をいただいて成功につながっていると思います。まず感謝の気持ちでいっぱいでございます。

 これからも中国民主化運動へのご支援をよろしくお願いします。以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

登壇した三浦小太郎事務局長

司会の古川郁絵




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