【報告】2018新春シンポジウム「アジアの現状と民主化への展望」

 1月28日、アジア自由民主連帯協議会今年初めてのイベントとして、2018新春シンポジウム「アジアの現状と民主化への展望」が、新宿のジャズバー、サムライにて、午後2時半から始まりました。

 登壇したのはペマ・ギャルポ会長、イリハム・マハムティ。西村幸祐副会長、三浦事務局長、司会は広報担当の古川郁絵。本日は参加者たちとの交流を中心に、リラックスした雰囲気で進められました。

 まず、ペマ会長より、アジアの現状はまだまだ残念ながら民主化には程遠く、最近では、一帯一路をはじめとする中国の覇権主義がさらに高まり、例えばネパールでも親中的な政権が誕生するなど、事態は決していい方向に進んではいない、しかし、だからこそ、アジアの自由と民主主義を掲げる団体は必要であり、こうして多くの皆さんが参加して下さり、インターネットなどでも情報を挙げてくださることに感謝したいと述べました。

 続いてイリハム副会長より、ウイグルの現状は、ある意味、かってのナチス・ドイツの支配下でユダヤ人が置かれていたような状態にウイグル人が追い詰められている、しかも、国際社会がその現実に対し殆ど抗議の声を上げていないと批判的に指摘しました。そして、ウイグルのみならず、外国に住んでいるウイグル人もまた、例えばパスポートを更新しようとして、ここ日本で中国大使館に赴いても、そこではまずパスポートを受け取る、そして、その後電話でいきなり、パスポートを更新したければ中国に戻るように強制される。その理由も何も明らかにされないが、万が一、中国に戻れば再び戻ることはできないばかりか、中にはそのまま行方不明になってしまうこともあると述べました。

 しかし、日本で留学生や会社員として彼らを受け入れたはずなのに、何ら日本の企業も学校もこのような事態に対し抗議の声を上げていない。同じく、ノーベル平和賞に劉暁波氏が受賞したのち、中国が議長国ノルウェーに対し経済的に圧力をかけた時に、国際社会はノルウェーの側には立たなかった、これによって、中国がむしろ国際的に力を持ってしまった。民主主義諸国が、中国に対しこのような態度を取り続ければ、いつか、彼ら民主主義国家の側も、同じく中国の覇権にさらされるだろうとイリハム氏は警告しました。

 また、西村副会長も、アジアの事態は決して良くなってはいないのだが、マスコミを含め、日本の危機が迫っていることが的確に伝えられていないことが問題だとまず述べたうえで、その実例の一つとして、例えば北朝鮮の問題を報じる時も、ミサイルや核の問題、また、オリンピックに参加するなどの話題は語られても、北朝鮮でどのような事態が起きているかは報じられないと指摘し、脱北者が隠し撮りした映像を流しながら、このような貧しい中闇市場ができている状態、ミサイルや核開発を進める政権が民衆を見捨て、こうして民衆は生きのびるために闇市で生きていくしかないことに問題の本質があると述べました。

 そして、ペマ会長は、このミサイル実験の報道などに問題があるのは、まるで、今度はいつ撃つのだろうかなどという予想のような話だけがよくマスコミをにぎわすが、核実験をはじめ軍事的な実験は、一定程度技術が進歩した時にその成果を試すために行うのが常で、いつ行われるかなどを論じるよりも、日本が、このような核開発、軍拡を続ける諸国に対しどのように対峙していくかが問われているはずだと述べました。

 その上で、イリハム氏の指摘に触れ、今、チベットでは、中国共産党にむしろチベット語を学ぶことを推奨し、チベット人からは言語を奪っていく。そして、仮に観光客が来たときなど、いかにも現地の中国人がチベット語を使い友好的にふるまっているかを演出する、お寺においても仏教を保護しているかに振る舞う、このような、ある種のショーウインドーのような店物を作り、その陰では弾圧が続いていると述べました。

 ペマ会長はさらに、自分の知るウイグル人も、家族が故郷でとらわれた人がいる、現在は、ウイグルにおける弾圧が最も高まっている時期で、中国はその時代時代において、時にはチベット、時には南モンゴル、また時にはウイグルと、弾圧を最も厳しくする標的を定めると指摘しました。

 そして、イリハム副会長は、ウイグルの現状をさらに詳細に、今ウイグル人が殆ど全土にわたって、中国政府による監視体制に置かれ、あらゆるところに配置された監視カメラによって、家から数百メートル離れればもうその段階で監視対象となる、トイレや自宅でも心を休めることができない。さらに、先ほどの外国の例で言えば、エジプトの権威ある大学でイスラムを学んでいたウイグル人が中国に強制送還され、ひどい目にあっているにもかかわらず、同じイスラムの同胞のはずのイスラム社会も全く声を上げない、民主主義国のみならず、イスラムの連帯もすでに薄れつつあると述べました。

 西村副会長は、このような監視体制や、一部をショーウインドーのように見せるやり方は「1984」で描かれたように、共産主義国家では得意のやり方であること、日本国も、今国内の「報道しない自由」にみられるように、同じようなことが一部マスコミでは行われていることを示唆しました。

 三浦事務局長からは、このようなウイグル弾圧は、様々な理由があるだろうけれど、一つには中国の主張する一帯一路政策の要所がウイグルであり、そこから中央アジアに勢力を伸ばそうとする中国にとってあの地域を完全に掌握しようとする政策があるのではないか、仮に、日本が経済政策として一帯一路に賛同、協力するのなら、せめて、その為にはウイグルにおける人権状況の調査と改善を前提にすべきだ、同じように、平昌オリンピックに安倍首相が開会式に参加すると伝えられているが、これもまた、事実上の北朝鮮の宣伝の場であり、北優位の「統一旗」がはためく中に安倍首相が参加し形式的であれ手を振ったりすれば、それは北朝鮮に対する断固たる制裁と、拉致被害者奪還への意志すら国際的に疑われてしまう、国民は反対の声を上げるべきではないかと語りました。また、会場からも様々な積極的な質問がなされ、午後5時にシンポジウムは閉会となりました。

 最後に、イリハム副会長が指摘したウイグルにおける人権弾圧の状況について、下記サイトが詳しく記していますので紹介いたします。

中東をウイグル排除に追い込む、中国マネーとイスラム分断策
https://www.newsweekjapan.jp/youkaiei/2017/09/post.php

これが監視社会だ。最新技術で常に見張られる人々たち
中国は、活況を呈する大都市の北京から遠く離れた場所に、ディストピア的な最新技術と、人間による警備を融合させた巨大な監視システムを築きつつある。まさに「監視技術を研究するための最前線ラボ」だ。
https://www.buzzfeed.com/jp/meghara/21centurypolice-in-china



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