カンボジアから強制送還されたウイグル人に17年の収監刑判決 : 世界ウイグル会議

 昨日、ラジオ・フリーアジアによって発表された記事によると、2009年12月19日にカンボジアから中国に強制送還された20人のウイグル人の内の一人ムサ・ムハマド(ムハメッド)氏に昨秋、17年の収監刑の判決が宣告された。25歳のムハマド氏の親族はカシュガル中級人民法院が2011年10月20日に秘密裁判において彼に宣告したとRFAに語った、しかし当局はムハマド氏に対する容疑に関する情報を提供することを拒否した。世界ウイグル会議(WUC)はこの判決が、考えられる刑期の中でもっとも厳しいことを非難し、また他の強制的にカンボジアから送還されたウイグル人が同様の結果に苦しめられることを危惧するものである。

 強制送還されたウイグル人グループの一員についての信頼できる情報が公開に至ったのは初めてのことである。国際社会に対してこれらのウイグル人が送還にあたって透明性のある処遇を受けることを約束したにもかかわらず、この二年間、中国政府はこの強制送還された人々の消息や法的地位を提供することを執拗に拒否してきた。2009年の強制送還は中国当局による強い圧力と影響によってもたらされたが、そのことは中国が国際的な人権諸条約、特に難民の地位に関する1951年の条約と1967年難民の地位に関する議定書(カンボジアはそれらの協定の一当事国)、そして同様に国際的な慣習法、それらすべては拷問や他の形式の虐待に直面するであろう国家への個人の送還を禁止しているが、それらの甚だしい侵害であることを表している。

 「私たちは何度も何度も国際社会の前で中国に強制送還されたウイグル人が拷問、収監、そして強制的な失踪の極度な危機にあるということを強調してきました。そしてムサ・ムハマド氏のこの一件は私たちの危惧が確固たる根拠のあることをまたしても証明しています。」

 世界ウイグル会議総裁でウイグル人権活動家のラビア・カーディルさんは本日こう語った。

 「私たちは再び国際社会に対して、中国当局にすべての強制送還されたウイグル人の消息を開示させ、どんなものでも彼らにかけられた容疑内容を提供させるように圧力をかけることを要請します。」

 ヒューマンライツウォッチによって発表された「ワールドレポート2012」によると「2011年(中国は)中央アジアと南西アジアの諸政府に強制的にウイグル人難民を送還する圧力を著しく強めてきた、そのことが少なくとも20人の人々の送還に導いてしまった。」ヒューマンライツウォッチは2011年5月のエリシデン・イスライルのカザフスタンから中国への強制送還や2011年8月の11人のウイグル人難民のマレーシアから中国への追放、そしてバンコックで中国当局に引き渡されたヌル・ムハメッドのような事例を強調した。それらすべての人々はそのとき以来失踪してしまっている。ヒューマンライツウォッチは中国のウイグル人に対する恣意的な拘束や拷問の記録は、それらの失踪者が暴行、虐待、拷問への極度の危機に置かれていることを主張する。キルギスタン、ネパール、ラオス、カンボジア、ウズベキスタン、タジキスタンなどの他の国々でも、ウイグル人難民や亡命申請者が追放されている。

 中国当局によって「犯罪者」とみなされていたカンボジアのウイグル人難民はいくつかの小集団で2009年の東トルキスタン区都ウルムチでの諸事件の後、2009年の5月から10月にかけて中国を脱出した。彼らは中国公安部隊が2009年7月のウルムチでの平和的なウイグル人の抗議活動においてデモ参加者に残虐で致死的な武力を用い逮捕することを目撃した後に脱出したのである。そのウイグル人たちはプノンペンの国連高等難民弁務官(UNHCR)事務所に難民の申請をしていた。彼らの事案は中国に強制送還されたときにまだ検討途中であった。あるUNHCR職員は「この三十年のUNHCRの歴史の中で私が過去に経験したもっともはなはだしい難民の地位に関する1951年条約の侵害である。」と語った。

 この追放の後、送還の二日後にある協定に署名し、その非難されるべき行動に対して中国はカンボジアに報酬を与えた。その協定はカンボジアに対する援助として12億ドルを供与するというものと報道された。

WUC 2012.01.26 | 翻訳・掲載:2012.01.28
http://www.uyghurcongress.org/en/?p=13535


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