2012年3月31日20時41分
チベット亡命政府のロブサン・サンガイ首相が来日し、31日午後、成田空港で朝日新聞の取材に応じた。中国のチベット族地域で中国政府に対する僧侶らの抗議の焼身自殺が相次ぐ状況などを踏まえ、「チベットの深刻で悲劇的な現状を説明して気持ちを分かち合い、今後の良好な関係を築く布石としたい」と話した。5日まで滞在し、国会議員らに会う予定だ。
サンガイ氏は昨春、インド北部ダラムサラに本拠を置くチベット亡命政府の新首相に直接選挙で選ばれ、ダライ・ラマ14世から政治権限を移譲された。
首相として初来日となるサンガイ氏は「チベットでは平和的なデモに参加しただけで殺される。日本は民主主義国で、自由や経済的な権利、平等が保障されている。それこそがチベットの人に必要だと伝えたい」と話した。
中国政府は、チベット亡命政府そのものを認めていない。サンガイ氏は「(中国は)訪日に関心を持つべきではない。日本には言論の自由がある。民主的に選ばれ、チベット人の信託を得ている私が話すことを、日本人がどう判断するかだ」とした。
朝日新聞デジタル:「チベットの状況は悲劇的」 亡命政府首相が初来日 – 国際
http://www.asahi.com/international/update/0331/TKY201203310450.html