報道によれば、4月13日、北朝鮮政府は長距離弾道ミサイルの発射実験を国際社会の反対を押し切って強行した。もちろん、隣国日本は安全保障の面からもこのような暴挙に強く抗議し、防衛体制の充実を図るべきである。また、このミサイル発射も、今後実施される可能性の極めて高い北朝鮮核実験も、東アジアの脅威のみならず、テロリストに核兵器や化学兵器が拡散することによる国際平和への挑戦である。
しかし同時に、このミサイル発射の根本原因は、北朝鮮現政権の、民衆が飢餓で苦しんでいるというのに軍拡と瀬戸際外交によって政権を守ろうとする体制の本質に根差している。北朝鮮の核やミサイル開発は、かの独裁政権の打倒と民主化によってのみ成し遂げられることはこれまでの歴史から明らかであり、日本政府や国際社会がまず取り組むべき課題は独裁政権への広範囲な制裁と人権改善の要請である。
しかし現状では、同じく一党独裁体制である中国共産党政府は、ミサイル問題などでは北朝鮮政府への表面上停止を求めつつも、飢餓と弾圧から逃れて中朝国境を越えた脱北者を残酷にも逮捕して北朝鮮に強制送還し続けている。北朝鮮政府も最後には「悪の盟友」である中国独裁政権がいるからこそ、このような軍事的挑発をし続けるのであり、中国政府は本質的に北朝鮮独裁政権の共犯者に他ならない。我々アジア自由民主連帯協議会は、自由と民主主義の原則に基づき、以下の点を北朝鮮政府並びに中国、日本政府に訴える。
1、北朝鮮政府は今回のミサイル発射という暴挙に対し国際社会に謝罪するとともに、軍事優先政治を放棄し民衆の生活向上に努めよ。
2、北朝鮮政府は政治犯収容所に代表される国内の人権弾圧を停止し、核査察だけではなく、国際機関の人権査察を受け入れよ。
3、中国政府は難民条約を順守して脱北者の安全を確保するとともに、自国の人権問題、民族問題の解決とともに北朝鮮政府にも人権改善を求めよ。
4、日本政府は北朝鮮政府に抗議するとともに、ミサイル、核のみではなく、拉致被害者の奪還とともに人権改善を強く要請しそのためのあらゆる手段を講じて北朝鮮政府に圧力をかけよ。
5、日本政府は中国政府に脱北者強制送還の停止を求めるとともに、今後中国政府が北朝鮮政府の軍拡・人権弾圧政治を支持するのであれば中国政府に対しても経済制裁などあらゆる抗議の手段をとることを明言せよ。
2012年4月13日
アジア自由民主連帯協議会
会長 ペマ・ギャルポ
副会長 石平 ケレイド・フビスガルド 西村幸祐 吉田康一郎
専務理事 イリハム・マハムティ