去る4月17日、石原東京都知事は尖閣諸島を東京都が地権者から買い上げ、都の責任において中国の侵略から防衛することを発表した。自由と民主主義は近代国家の成立と法治を前提とした政治体制であり、国家主権や領土防衛なくして守ることは出来ない。又、日本国国民である漁民の安全な漁業を守るという生命と人権擁護の姿勢からも、尖閣諸島を責任なる政治家として防衛しようというと知事の宣言は原則的に評価すべきものである。
これに対し、一時は日本国による買い上げを示唆したものの、日本政府はその後、日中国交回復40周年を記念する今年、両国の友好関係の妨げになるとして、この都知事の決断に及び腰の姿勢を示し始めた。選挙を経て選出された日本政府に対してまことに遺憾ながら、一昨年も尖閣諸島近辺で衝突してきた漁船の船長を中国政府の圧力で解放し、それ以前も以後も、何ら中国政府の尖閣近辺での暴挙や侵略行為に明確な対抗措置も取りえなかった日本政府がこの重要な領土を仮に購入したところで、真の意味で尖閣諸島を防衛できるとは考えられない。
私達アジア自由民主連帯協議会は、日本の自由と民主主義ならびに国家主権を防衛し、更に、南シナ海においてフィリピンや台湾、ベトナムなどに脅威を与えている中国の行為に抗議し停止を求めるためにも、石原知事の発言を支持するのみならず、石原知事退任以後も、二度と政府も東京都も尖閣を放棄することを防ぐため、日本国国民自身による募金運動によりこの島を意識ある国民の手に取り戻すことを呼びかけたい。
私達は世界と日本国民に対し以下のように宣言する。
1、石原知事の発言を支持し、日本国の主権と漁業関係者の人権のためにも、日本国政府と国民は尖閣諸島の防衛の義務を果たさねばならないことを確認する。
2、同時に、これまでの日本政府の対応を省みるとき、又、都知事退任後の将来的な主権維持のためにも、国民運動としての募金活動による尖閣諸島の買取が必要であると考える。
3、我々は以上の点を具体化するために、尖閣諸島防衛という理念に基づいて事業を行う、ナショナル・トラストの様な団体を石原知事を中心に設立し、その趣旨に賛同する者に寄付を募りつつ、島の土地を購入・管理していく枠組みの具体的な構築を早急に要請するものである。
2012年4月24日
アジア自由民主連帯協議会
会長 ペマ・ギャルポ
副会長 石平 ケレイド・フビスガルド 西村幸祐 吉田康一郎
専務理事 イリハム・マハムティ
印刷用PDFファイル(261KB)
https://freeasia2011.org/statement/20120424.pdf