中国当局に拘束された11歳のウイグル人の子供が死亡。拷問死か? : 世界ウイグル会議

RFA 2012.06.04 | 翻訳・掲載:2012.06.06
http://www.rfa.org/english/news/uyghur/death-06042012180843.html

認可を受けていない学校でイスラム教を学んだとして中国当局に拘束されていたウイグル人の少年ミルザヒド(11)が死亡した。海外の人権団体はこの事件に対し抗議の声をあげている。

ミルザヒドの逮捕は5月20日。ウイグル自治区のコルラの教師宅であった。他の学生や教師とともにイスラム教の祈りを学び、聖書クルアーンを唱えていたところを逮捕された。

中国当局からの規制により、ウイグル人が宗教教育を受けるのは難しくなっている。

中国当局は18歳以下の子供がモスクへ立ち入ること、学校でイスラム教を学ぶことを禁じている。認可を受けていない「自宅」の学校でイスラム教を学ぶことは、教師にとっても学生にとっても大きなリスクとなる。当局に見つかれば投獄は免れない。

警察は、ミルザヒドの母に対し、ミルザヒドが拘束中に自殺したと伝えたという。母親がミルザヒドの遺体を受け取った際、体に拷問の跡が残っていることを確認した。繰り返し殴られた跡があり、首には絞められた跡もあったという。

警察は、ミルザヒドの死を口外せずすみやかに遺体を火葬するよう母親に命じたという。5月22日、警察の立ち会いの下でミルザヒドは火葬された。クルアーンの祈りの言葉が捧げられることもなかった。

中国国営メディアは、ミルザヒドの死は、逮捕前に教師から受けた傷が原因だと報じた。ミルザヒドが上手に祈ることができなかったため、教師が殴ったのだという。

この事件に対し、ドイツの世界ウイグル会議は抗議の声をあげている。世界ウイグル会議によると、クルアーンをめぐってウイグル人の若者と警察の衝突があり、4人のウイグル人が死亡したという。その後、治安部隊による取り締まりが強まっていることがミルザヒドの死の背景にあるという。

「この事件は、国際人権法違反です。ウイグル人が日々迫害を受けていることを示すものです。刑務所で命を落とす若者が大勢いるのです。2011年11月にもノル・ウル・イスラム・シェルバズという若者が命を落としています。」

当時17歳であったノル・ウル・イスラム・シェルバズは、2009年7月のウルムチでのウイグル人の抗議活動の後に拘束された。2010年、彼は暴動を扇動したとして有罪となった。彼は刑務所の病院で毒を注射され、その後、当局により即座に火葬されたと見られる。家族がシェルバズの顔を見ることはなかった。

「野蛮」な事件

世界ウイグル会議代表ラビア・カーディルは、多くのウイグル人が拘束、拷問され、処刑あるいは他の方法で殺害されていると語った。「ミルザヒドの事件は特に野蛮なものだ」という。

「彼がやったことが罪になるはずがありません。子供が拘束されてはならないのです。ましてや、命を落とすまで拷問するなど許されるべきことではありません。」

「この事件は、国際人権法に著しく反しています。」

カーディルによると、中国は『拷問、その他の残虐な、非人道的なもしくは品位を傷つけるような処遇あるいは刑罰に反対する国連条約』および『子供の権利条約』を批准しているという。

「中国は、法を正しく認識し、野蛮な行為が再び起きないようあらゆる対策を講じなければなりません。」

「中国はウイグル人への迫害をただちに中止し、ウイグル人の宗教の自由を認めなければなりません。子供とて例外ではありません。」

日本語訳:http://ameblo.jp/dream-for-children/entry-11270300804.html


中国当局に拘束された11歳のウイグル人の子供が死亡。拷問死か? : 世界ウイグル会議
http://www.uyghurcongress.org/jp/?p=4406

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