欧州:北朝鮮に関する国連調査委員会の設立 提起を : ヒューマン・ライツ・ウォッチ

国際社会が行動を起こすまでに、北朝鮮の政治犯強制収容所で一体どれだけの人が死ななければならないのか。北朝鮮内で、人道に対する罪に該当する人権侵害がおきていると脱北者たちは一貫して訴えている。それにもかかわらず、欧州各国政府は何を待ち続けているのだろうか。政治リーダーたちは今こそ腰を上げ、真相の究明及び責任者の特定のため、国連調査委員会による全体的な調査の実施を要求するべきだ。

フィル・ロバートソン、アジア局長代理


(ソウル)-「北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合」(以下ICNK) の代表団が、欧州各国政府とEUに対し、北朝鮮における「人道に対する罪」の調査に向けた国連調査委員会設立を支持するよう要請するため、2012年6月7日から欧州歴訪を開始する、と同NGO連合は本日述べた。

ICNKは、北朝鮮でおきている悲惨な人権侵害を止めるために設立された国際NGO連合である。

同代表団は

・姜哲煥(カン・チョルファン)氏、北朝鮮強制収容所に収容されていた人物。ピエール・リグロと「平壌の水槽」を共著
・デビット・ホーク(David Hawk)氏、コロンビア大学客員研究員。「隠された強制収容所」(新版が2012年4月に出版)の著者
・クォン・ウンギョン(Kwon Eunkyoung)氏、Open North Koreaメンバー
・ジャレッド・ゲンサー(Jared Genser)氏、ICNKを代理して、2012年4月2日、国連に対して北朝鮮の人権侵害を調査するよう求める申立書を提出した国際的人権弁護士

などから成る。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理フィル・ロバートソンは「国際社会が行動を起こすまでに、北朝鮮の政治犯強制収容所で一体どれだけの人が死ななければならないのか。北朝鮮内で、人道に対する罪に該当する人権侵害がおきていると脱北者たちは一貫して訴えている。それにもかかわらず、欧州各国政府は何を待ち続けているのだろうか。政治リーダーたちは今こそ腰を上げ、真相の究明及び責任者の特定のため、国連調査委員会による全体的な調査の実施を要求するべきだ」と語る。

代表団は6月7日にブリュッセルを訪問し、欧州議会議員と欧州委員会委員と会談する。6月11日にはロンドンで、外務・英連邦省及び上院と下院の議員らと会談し、保守党人権委員会が開催する説明会でブリーフィングスピーチを行う。更に、6月12日にはパリでフランス政府当局者及び上院と下院の議員らと会談する。6月13日と14日にはジュネーブで国連の北朝鮮人権問題担当特別報告者などの国連高官らと面会する。

国際人権連盟(International Federation for Human Rights , FIDH)のアジアデスク長のデビッド・ノーテ(David Knaute)は「2011年9月に設立されたICNKは、北朝鮮の悲惨な人権問題の解決を目指してグローバルに活動することを目的として、西側諸国はもちろんアジアや中南米など世界中の人権団体が団結した初の国際NGO連合である。20万人ともいわれる北朝鮮の人びとを非人道的な環境下で拘束している政治犯強制収容所の閉鎖を、北朝鮮政府に対する外交政策の核心部分に置き、あらゆる人権保護制度・機関を動員することが、国際社会の急務である」と語る。

ロンドンにおいて代表団のホストを務めるクリスチャン・ソリダリティ・ワールドワイドの東アジア・チームリーダーのベネディクト・ロジャースは「今回の訪問は、欧州の政治リーダーたちに北朝鮮の悲惨で絶望的な人権状況を伝えると共に、人道に対する罪への国際的な調査の重要性を理解してもらう重要な機会である。欧州の政治リーダーと国連は、北朝鮮の人びとを苦しみから解放し、金正恩政権の責任を問うために、行動を起こす責任がある」と語る。

本連合の参加メンバーは以下のとおり:

-Advocates International Global Council
-Amnesty International/アムネスティ・インターナショナル
-Asia Justice and Rights
-Asian Federation Against Involuntary Disappearances
-Asian Human Rights & Humanity Association of Japan/アジア人権人道学会
-Burma Partnership (Thailand)
-Christian Lawyers Association for Paraguay
-Christian Solidarity Worldwide
-Committee for Human Rights in North Korea (USA)
-Conectas (Brazil)
-Council for Human Rights in North Korea (Canada)
-Freedom House (USA)
-Free NK Gulag (ROK)
-Free North Korea Radio (ROK)
-Han Voice (Canada)
-HH Katacombs (ROK)
-Human Rights Watch/ヒューマン・ライツ・ウォッチ
-Human Rights Without Frontiers (Belgium)
-Inter-American Federation of Christian Lawyers
-International Federation for Human Rights (FIDH)
-COMJAN (Investigation Commission on Missing Japanese Probably Related to North Korea) / 特定失踪者問題調査会(Japan)
-Japanese Lawyers Association for Abduction and Other Human Rights Issues in North Korea/北朝鮮による拉致と人権問題に取り組む法律家の会
-Jubilee Campaign (USA)
-Justice for North Korea (ROK)
-Kontras (Indonesia)
-Liberty in North Korea – LiNK (USA)
-Life Funds for North Korean Refugees (Japan)/ 北朝鮮難民救援基金
-Network for North Korean Democracy and Human Rights (ROK)
-NK Intellectual Solidarity (ROK)
-NO FENCE / ノー・フェンス(Japan)
-North Korea Freedom Coalition
-Odhikar (Bangladesh)
-Open North Korea (ROK)
-People In Need (Czech Republic)
-PSALT NK (Prayer Service Action Love Truth for North Korea)
-The Simon Wiesenthal Center
-The Society to Help Returnees to North Korea / 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会(Japan)
-Students Alliance for Human Rights in North Korea (ROK)
-Young Defectors’ Alliance for North Korean Human Rights (ROK)
-Yuki Akimoto, Burmainfo (Japan)
-Tomoharu Ebihara
-David Hawk, Visiting Scholar, Columbia University, Institute for the Study of Human Rights, and author of Hidden Gulag
-Ken Kato, Director, Human Rights in Asia/アジア調査機構代表加藤健(Japan)

-Tomoyuki Kawazoe,Kanagawa Association for The Rescue of Japanese Kidnapped by North Korea /北朝鮮に拉致された日本人を救う神奈川の会 代表川添友幸(Japan)
-Suzanne Scholte, Seoul Peace Prize Recipient & Defense Forum Foundation (USA)
-Dr. Norbert Vollertsen


欧州:北朝鮮に関する国連調査委員会の設立 提起を : ヒューマン・ライツ・ウォッチ
http://www.hrw.org/ja/news/2012/06/05

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