現在、東トルキスタン(現在中国新疆ウイグル自治区とされる)において、信仰の自由が踏みにじられ、子供たちが逮捕のみならず殺害される事態が進行中であることが分かった。
世界ウイグル会議並びにラジオ・フリー・アジアなど各種情報によれば、5月20日にはコルラで、宗教施設でコーランを学んでいたウイグル人の少年ミルザヒドが、警察により拘束され、拘留中に拷問により死亡した。RFAによる現地からの情報によると、警察から彼の母親に対し、ミルザヒドは拘留中に自殺したと連絡が入った。しかし母親が彼の体を確認すると、体中には繰り返し殴られた跡、首には絞められた跡があった。警察は母親に対し、ミルザヒドの死を口外せず、すみやかに埋葬するよう命じたという。
5月31日にはカシュガル地区の各地方裁判所で、9名のウイグル人が不法な宗教活動を行ったなどとして、6年から15年の実刑判決を受けた。
6月6日未明にはホータンの宗教学校が警察により襲撃を受け、12名の生徒と3名の職員がやけどにより病院に搬送され、11名の女性を含む47名が逮捕された。
現在、中国政府は全土で中国共産党の管理下以外での宗教活動を不当に弾圧している。特に東トルキスタンにおいて、本来政治とは独立した存在であるべき宗教指導者たちは、愛国教育を強制され、政府公認の宗教書以外での教育は弾圧の対象である。18歳以下の若者は回教寺院(モスク)への立ち入りも禁じられ、またラマダン[断食月]の実践も許されない。このような弾圧化で、民族と信仰のアイデンティティを守りたいウイグル人は、暴力と迫害の中酷い場合には死に至らしめられているのである。
中国政府は信仰の自由を求め、民族のアイデンティティを守ろうとするウイグル人をテロリストのレッテルを貼り誹謗中傷しているが、本来、子供の生命を奪い宗教指導者を迫害する中国人こそが、民族の尊厳と信仰の自由を暴力で踏みにじるテロ行為を行っているのだ。
アジア自由民主連帯協議会は以下の点を中国政府並びに日本政府に要請する。
1、中国政府は東トルキスタン(新疆ウイグル)における宗教弾圧を直ちに停止し、被害者の遺族に謝罪と補償を行い、迫害者を処罰せよ。
2、信仰と民族文化を学ぶ権利は普遍的な人権と民族自決権に属する。中国政府は東トルキスタン(新疆ウイグル)における信仰の自由と宗教活動の自由を全面的に承認せよ。
3、日本政府は人権外交の視点からこの東トルキスタン(新疆ウイグル)における宗教弾圧に対し、中国政府に正式に抗議するとともに、この人権侵害が改善されるまでは中国政府に対するODAをはじめとした経済支援の停止をも含む抗議を行わざるを得ないことを公的に声明せよ。
2012年6月15日
アジア自由民主連帯協議会
会長 ペマ・ギャルポ
副会長 石平 ケレイド・フビスガルド 西村幸祐 吉田康一郎
専務理事 イリハム・マハムティ
声明文 PDFファイル
https://freeasia2011.org//statement/20120615.pdf