6月20日国連世界難民デー 国際議員ネットワーク、チベットのために結束を要請 : ダライ・ラマ法王日本代表部事務所

国際議員ネットワーク、チベットのために結束を要請 : ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
http://www.tibethouse.jp/news_release/2012/120614_intl-parliamentarians-to-observe-solidarity-day-for-tibet-on-20-june.html

2012年6月12日 ダラムサラ CTA

来たる6月20日の「チベットのための議員結束日」に向けて、世界中の議員が、中国政府によるチベット地域への軍隊増強配置やチベット地域の封鎖、チベット人弾圧、と深刻化が続くチベットの危機的状況に光を当てよう、という呼びかけが行われている。

この明快な呼びかけを行なっているのは、チベットのための国際議員ネットワーク(International Network of Parliamentarian on Tibet - INPaT )のワーキング・グループ・メンバーズで、欧州議会のトーマス・マン議員、イタリアのマテオ・メカッチ議員、アイスランドのバージッタ・ジョーンズドッティ議員、南アフリカのサントシュ・カルヤン議員ならびにマリオ・アンブロシーニ議員、カンボジアのソン・カイ議員、カナダのコンシグリオ・ディ・ニノ議員、オーストラリアのマイケル・ダンビー議員、インドのトーマス・サンマ議員ら。INPaTワーキング・グループ・メンバーズは、2012年4月27日から29日にかけてカナダのオタワで開かれた「第6回チベットのための国際議員会議(WPCT)」で委任された。

INPatは各国の議員に対し、中国指導部が中央チベット政権との実質的な対話を行い、『全チベット民族が名実を共にする自治を実現するための草案』に基づいてチベット問題を解決するよう、各国政府から中国指導部に要請することを呼びかけている。

また、中国が関わるすべての二国間および多国間協議事項に人権擁護を含めるよう、自国政府に要請することを求めている。

INPatはまた、中国当局が国連人権高等弁務官による事実を調査するための視察団のチベット地域入域(焼身抗議が行われた地域を含む)を受け入れるよう、各国の議員から中国当局に要請することを呼びかけている。

また、6月18日にジュネーブで開かれる「第20回国連人権理事会」において、慢性化しているチベットでの人権侵害について懸念を表明するよう、自国政府に呼びかけることを強く求めている。

INPatは、中国政府がチベット地域における大規模な軍隊配置に終止符を打ち、アムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチによる広範囲な人権の見直しに応じるよう、各国政府から中国に要請することを求めている。また、パンチェン・ラマ第11世であるゲンドゥン・チョーキ・ニマ少年をはじめとする政治犯(良心の囚人)の釈放も呼びかけている。
(訳:小池美和)


<関連>

緊急アピール:チベットのための国際議員ネットワーク(INPaT)メンバーの皆さまへ
http://www.tibethouse.jp/news_release/2012/120614_honourable-members-of-inpat.html
2012年6月4日

2012年5月27日の二名のチベット青年による焼身抗議に続き、ラサで多数の逮捕者が出ていることを、チベット内部の人権侵害を懸念する複数の報道筋が伝えています。中国新華社通信が明らかにしたところによると、焼身抗議を行ったのは四川省(焼身抗議者が最も多数出ている省)ンガバ(中国語:アバ)出身のダルジェさんと、甘粛省ラプラン出身のトプキェ・ツェテンさんです。

2012年5月31日、チベット亡命政権はウエブサイト上でラサの現状を説明しました。ラサに住むチベット人によると、同地区で焼身抗議者が行われて以来、警察や武装警察が大挙し、大規模な取り締まりを強行しています。ラサだけで600人以上のチベット人が拘束され、チベット自治区居住者でないチベット人はラサから追放されています。

東チベットで三人の子どもを持つ36歳の女性、リキョさんが焼身抗議を行ったことも確かな情報として確認されています。5月30日、彼女はンガバ州バルマ郷ザムタンのチョナン僧院前で自らに火を放ち、その場で亡くなりました。

このようなチベット内部の近況を私たちは深く危惧し、第6回チベットに関する世界議員大会(World Parliamentarians’Convention on Tibet)で採択された行動計画(Action Plan)を徹底させるためにも、それぞれの政府に以下のような問いかけをしていただき、状況を把握していただけるようにINPaTのメンバーの皆さまにお願い申し上げます。

1. 2012年5月27日、ラサ中心部のジョカン寺で焼身抗議が行われた後、「ラサで数百人が拘束された」という報道について認識しているか。最近、ラサ市内およびその近郊で多くのチベット人が拘束され、「チベット自治区」居住者でない者は追放処分となっている、というのは正しい情報か。拘束された人の人数、そして追放された人の人数を知っているか。

2. 焼身抗議の模様を写真やビデオに収めたために拘留されている者が多数いる、というのは正しい情報か。

3. 焼身抗議の場に居合わせた観光客が中国当局に出頭を命じられている、という報告を認識しているか。

4. 2009年2月に焼身抗議が行われるようになって以来、拘束されている人たちの成り行きについて中国当局に尋ねたことがあるか。

5. 最も最近(2012年5月30日)、ンガパ(中国語:アバ)のザムタンで3人の子どもの母親が行った焼身抗議について知っているか。

(2012年5月31日、ハリー・ヴァン・ボメル社会党議員が、オランダ政府に対して同様の質疑を行いました。)

以下はインターナショナル・キャンペーン・フォー・チベットが2012年5月31日にアップロードした、チベット内部の焼身抗議に関する情報です。

● 2009年2月27日以降、38人のチベット人が焼身抗議をしたことが確認されている。
● 内訳は男性32人、女性6人である。
● 38人中29人が焼身抗議の後亡くなっている。
● 38人中25人が四川省、アバ・チベット族チャン族自治州の出身である。
● 1人はチベット自治区、チャムド州の出身である。
● 5人は青海省チベット自治区域(州)出身である。
● 38人中7人はンガバのキルティ寺院の僧である。
● 38人中8人は同寺院の元僧侶である。(8人目が自ら寺院を去ったのか政府によって追放されたのかは現在のところ不明。)
● 38名中2人はンガバのマメ・デチェン・チュコルリン尼僧院の尼僧である。
● 37件の焼身抗議が2011年3月16日以降に行われた。
● 焼身抗議が行われた場所を地図に記す。

最後に、6月20日の国連世界難民デーには「チベットのための議会団結デー(Parliamentary Solidarity Day for Tibet)」のために活動していただくことをお願いいたします。各政府への声明の発表、決議案の提出などを通して、チベットにおける人権侵害の現状に関心を持っていただけるよう尽力していただきたく存じます。議会が会期中でない場合には、記者会見など、別の相応しい方法をご考慮ください。
マテオ・メカッチ(Matteo Mecacci)

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