脱北コッチェビ少年の治療と義足の支援を
加藤 博
北朝鮮難民救援基金NEWS May 2012 № 076
孤児からの手紙
「尊敬する先生たち、ありがとうございます。この罪びとの私を、先生たちが私の足が治るように助けて下さってありがとうございます。私の足をもと通りに治して、神様の前に感謝し、お父さんの仕事をします。先生たち助けて下さい。私は13才です。名前はチョン・イルグァン(鄭日光)です」
このような手紙が韓国のキリスト教系のNGOから届いた。(編集部注:下記の写真)
このNGOの責任者の金熙泰氏は、中国の現地の朝鮮族と韓国キリスト教の伝道師たちと協力し、脱北者とコッチェビ少年(ホームレス)の支援活動をしている。当基金も人道的な立場から支援に参加する。
山の傾斜地に穴倉を掘り暮らす
北朝鮮両江道の恵山の対岸にある中国吉林省長白県には、山の傾斜地に穴倉を掘り、洞窟を利用して住処とし生活する脱北者やコッチェビが意外と多い。
1週間に2、3回ずつ、夜ごと朝鮮族の協力者に巡回を頼み、コッチェビに会えば、古着と食べ物を分け与えている。
昨年11月の寒さがきびしく零下になったころ、協力者が12人のコッチェビに出会い、服と食べ物を与えたが、それから何日もしないうちに中国公安に逮捕され強制送還されてしまった。
コッチェビ収容所から釈放
強制的に北朝鮮に送還された後は、2カ月間コッチェビ収容所にいたのだが、食糧が不足し養うのが難しい理由のためか、年の明けた‘12年1月25日釈放されて、元の洞窟暮らしに戻った。
問題の少年の鄭光日は、1999年生まれのホームレス少年団のリーダー格でコッチェビ収容所から釈放された時に、対岸の中国長白県の現地状況を調査するために先発隊として脱北を決行した。
凍傷と火傷に罹り、両足首を切断
現地事情を調べ終えて恵山に戻ろうと鴨緑江を渡ろうとしていた。先発隊で中国側の事情を調べているうちに凍傷に罹ってしまい、それ以上に疲労が重なって、焚火のそばで、知らぬ間に寝込んでしまった。安物の中国製のゴム底靴に火がついて火傷した。火傷するまで気づかないとは、よほど疲れていたのだろう。
履物に火がついて火傷するまでになってしまった
ちょうど巡回していた朝鮮族の協力者に発見され、履物の火は消し止められましたが、自分では歩くこともできない怪我でした。その後、凍傷のために足首を切断し、なお火傷の治療も続けています。傷口が治り安定するまで6カ月ほどかかります。歩くための義足が必要です。皆さんのご支援をお願いします。
鄭日光が中国に事情を調べに行ったまま戻らないので、3 月の15 日に4 人のコッチェビ仲間が彼を探すために脱北して来ました。それとは別に10 人余りのコッチェビも脱北して来ました。現在面倒を見ているのは15 人になりました。この子どもたちも何とか面倒を見てあげたいと思っています。
当面私たちは彼らの食糧費として10 万円を募金したいと思っています。
脱北コッチェビ少年の治療と義足の支援を
http://www.asahi-net.or.jp/~fe6h-ktu/news7602.pdf
北朝鮮難民救援基金ニュースより紹介させていただきました。
支援の仕方はさまざまです。少しでもお金に余裕のある方は、基金あてに寄付を。
仮に「当面」の養育費や、義足分のお金が集まったとしても、このコッチェビ達を支援し続けるのは一定のお金が必要です。
基金の方々は自分たちの資金でできる支援や脱北者保護、第3国への脱出の支援は原則的に自分たちで行っています。こうして対外的に支援を求めるのはよほどの時のことです。どうかそのことをご理解ください。
寄付先は北朝鮮難民救援基金 みずほ銀行 本郷支店(普)2489718
もしくは郵便振替口座番号 00160-7-116613
もちろん寄付だけが支援ではありません。例えばこの情報を、ブログや掲示板をお持ちの方は一部紹介してくださるだけでも意味があります。報道機関の方々は、上記ホームページをクリックいただき、そこでの衝撃的な写真をぜひご覧になってください。そして、少しでも報じてくださればと思います。
このような事態が今も放置されていること、心ある個人、団体の支援ではもはや限界を超えていることをご理解ください。私も近日わずかばかりですが寄付させていただきます(三浦)
脱北コッチェビ少年の治療と義足の支援を(北朝鮮難民救援基金ニュース) : 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会
http://hrnk.trycomp.net/news.php?eid=00843