新疆ウイグル自治区のイスラム弾圧 子供たちも犠牲に : 世界ウイグル会議

サーチナ 2012.06.20
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0620&f=politics_0620_017.shtml

 新疆ウイグル自治区でウイグル族の子供たちが激しい迫害を受けているようだ。

 香港を拠点とするラジオ局自由アジア放送によれば、コルラでイスラム学を学んでいた12歳の少年・ミルザヒド君が5月20日に地元警察に拘束された翌日、獄中で死亡した。警察は自殺と母親に説明したが、22日に自宅に戻された遺体は拷問跡があり、少年が獄中で拷問を受け死亡したのではないかとの疑惑がもたれている。

 母親にミルザヒド君の死を口外せずに速やかに火葬に処すことを命じ、22日火葬されたという。

 これに対し、ウイグル自治区新聞弁公室主任は中国紙「環球時報」(6月5日付)に対し、少年の傷跡は、イスラム学の教師による体罰であり、少年がうまくコーランを唱えられないために教師が長時間殴打し、頭を壁に叩きつけるなどしたところ、嘔吐し意識を失い、病院に運ばれる途中に死亡したのが真相だとしている。

 警察当局は、少年に暴力を振るったとして、学校関係者9人を拘束したほか、「拷問死というデマ」をネット上で拡散したとして、ウルムチ出身広東在住のネットユーザーを15日間の行政拘留処分とした。

 続いて6月6日には自治区ホータンのイスラム学校で地元警察が押し入り、催涙ガスを発射、子供たち54人を拘束したという。世界ウイグル会議が現地からの情報として発表した。

 12人の子供たちが催涙ガスでやけどを負ったもよう。しかし、国営新華社通信によれば、子供たちは違法な学校により監禁されイスラム学を学ぶことを強要されていたところを、警察が救出したという。このとき、教師が爆発物を爆発させ救出を妨害、その結果、子供たちが負傷したという。

 いずれも中国側の発表と、海外メディアや世界ウイグル会議の捉え方は大きく違い、真相は闇の中だが、宗教政策をめぐって子供たちが犠牲を強いられているもよう。

 中国では学校でイスラム学を教えることを禁じており、また18歳以下の未成年のイスラム寺院立ち入りも禁止している。このためイスラム教徒家庭の子供たちは仕方なく、イスラム学の私塾に通うが、当局は、これは違法な学校だとして厳重な取締・処罰の対象としている。    世界ウイグル会議のラビア・カーディル総裁は、これら事件を野蛮な宗教弾圧事件だと非難。「中国は、ウイグル人への迫害をただちに中止し、ウイグル人の宗教の自由を認めなければならない。子供とて例外ではない」と訴えている。


新疆ウイグル自治区のイスラム弾圧 子供たちも犠牲に : 世界ウイグル会議
http://www.uyghurcongress.org/jp/?p=4479

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