総連やスパイ活動への対処を国会議員あてに書簡で訴え : 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会

北情報扱う団体にスパイ
支援者団体は細心の注意払う

統一日報 2012年06月27日 00:00
http://news.onekoreanews.net/detail.php?number=70288&thread=01r01

 兵庫県内に住む元朝鮮新報(英語版)編集長の男性が、北韓の情報を扱う民間団体にスタッフとして入り、同団体の責任者の動向を北韓当局に流していた疑いが明らかになった。一報は同様の活動をしている諸団体に、少なからず衝撃を与えている。極秘かつ人命にかかわる情報を扱うことも多い北韓関連団体だが、どの団体も情報漏洩には神経を尖らせている。

トップを狙った可能性も

 大阪府警に逮捕されたのは兵庫県尼崎市内の運送会社社長、吉田誠一容疑者(41)だ。吉田容疑者は詐欺容疑で逮捕されたものの、取り調べの中で年に数回北京や東南アジアで北韓の偵察総局から指示を受け、日本で情報収集などを行っていた容疑が浮上している。すでに府警は総連幹部だった吉田容疑者の親族宅にも捜査に入っている。
 吉田容疑者は朝鮮大学を卒業後、朝鮮新報(英語版)の編集長を務めた。複数の大学院に通う傍ら日本国籍を取得し、昨年3月には北韓の情報を扱う民間団体のスタッフになった。経歴は隠していたという。

 吉田容疑者は脱北者の情報収集だけでなく、団体トップの動向を北韓当局に流していたと見られる。脱北者支援を行っている別団体の関係者は、「ターゲットが中国に行った際、現地にいる北の保衛部員が拉致する計画でもしていたのではないか」と話す。この動きについては韓日両国の捜査当局が察知し、スタッフになった翌月、吉田容疑者は解雇された。

 報道目的や脱北者の保護、あるいは情報収集のため、スタッフが中朝国境地帯で活動しているという団体は日本に多くはない。今回の事件の第一報に接した諸団体の関係者は、一様にショックを受けた様子だ。
 脱北者の保護を行っているある団体の責任者は「脱北者の情報管理には幾重にも網を張っている」と話す。例えば北韓内から脱北者を逃がす現地スタッフは、中国内の別のスタッフの動きについて知ることはない。全体の動きを把握しているのは団体内で1人か2人だという。(中略)

 とはいえ、相手が潜水艦による隠密行動やサイバーテロ、要人暗殺などを行う北韓の偵察総局となれば話は別だ。情報は外部からでも不正入手できる可能性はあり、オフィスの内部に入ればさらにその確率は上がる(中略)

 今回取材した諸団体の関係者は「今まで怪しい人物が接触してきたことはない」と話す。機密情報の扱いにも細心の注意を払っているというが、脱北者を装ったスパイの存在は韓国で何例も報告されており、日本でもあったという。


これは結構重要な事件だったと思うのですが、今のところ、あまりマスコミには報じられていませんので、統一日報記事を紹介します。はっきり言って、このような事態を放置していては、脱北者で公的な場で証言する人はますます減っていくことでしょう。

先日、私(三浦)は国会議員全員あてに郵送で以下のメッセージを送りました。
一人でも二人でも議員の方々が目を通していただけるとありがたいのですが。


国会議員各位様
拝啓、梅雨入り以降不安定な天候が続きますが、日本国内外の諸問題に献身的に取り組まれているお姿に敬意を表します。
突然のお手紙、まことにご無礼とは存じますが、私は1994年に結成されました、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会(代表・山田文明)という市民団体の副代表を務めている三浦小太郎と申します。私たち守る会関東のメンバーおよび、ここ日本の関東地方に在住している北朝鮮からの脱北者の方々の連帯組織、関東脱北者協力会は、去る6月23日、東京飯田橋駅付近の朝鮮総連本部に対し、抗議行動とともに下記の声明文を投函いたしました。

朝鮮総連は北朝鮮3代世襲独裁政権への従属から脱し
帰国事業の責任を取り、帰国者、日本人妻の救援にたちあがれ

 北朝鮮の民主化に取り組んできた市民団体「RENK」の発表と産経新聞の報道によれば、朝鮮総連は、三代目の独裁政権世襲という時代遅れで社会主義の理想にも反する金正恩に対し、「天才中の天才」と絶賛し、かつ「金正恩語録」なる資料を編纂し幹部向けの学習会を行ったという。このような情報が外部に漏れるようになったのは、総連内部にも、現在の北朝鮮独裁体制とそれに従属する総連組織への批判があることの証拠であろう。
しかし、この「語録」では、金正恩を金正日総書記への忠孝と民衆への慈愛にあふれた軍事的天才と偶像化し、朝鮮学校長向け講習では「正恩体系」に基づく教育が指示されたという。このような事態は、朝鮮総連をますます北朝鮮独裁体制に従属させ、朝鮮学校教育を民主・人権教育から遠ざけ、ひいては、日本市民と在日コリアンの友好と相互理解に悪しき影響を与えるものである。
金正恩体制は金正日の独裁制体制と、先軍政治という民衆が餓死しても核開発を優先する政治を引き継ぎ、また核保有を憲法に明記し、日本人拉致をはじめとするテロ行為に何ら謝罪の意思を見せないテロ政権である。この体制は自由と民主主義を理念とする諸国とは本来共存しえないものであり、在日コリアンの人権を擁護すべき立場の朝鮮総連が金正恩体制に従属することは、自らの存在意義を放棄したに等しい。
かって朝鮮総連は、北朝鮮帰国事業を全面的に支持した。その結果は、在日同胞9万人以上と日本人配偶者を地獄の収容所国家に送り込んでしまったのだ。この歴史的責任と反省の見地に立ち、朝鮮総連は直ちに金正恩独裁世襲体制と決別し、帰国者、日本人妻の安否確認と日本国への自由な往来実現を求め、同時に脱北者の保護と、日本、韓国にたどり着いた元帰国者、日本人妻への謝罪と補償を行うべきではないか。
私たち日本の市民団体、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会と、日本の関東地方在住の脱北者の連帯組織である関東脱北者協力会は下記の3点を朝鮮総連に訴える。

1、朝鮮総連は北朝鮮金正恩独裁世襲政権と決別せよ
1、朝鮮総連は北朝鮮金正恩独裁政権に対し、帰国者、日本人妻の安否調査、人権弾圧の改善、また希望する者の第3国移住実現を要請せよ
1、朝鮮総連は帰国事業の責任を取り、脱北した元帰国者、日本人妻、その親族に深く謝罪し生活支援のための補償を行え。

2012年6月23日
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 代表 山田文明
http://hrnk.trycomp.net/
関東脱北者協力会 代表 木下公勝
http://jknkr.trycomp.net/


 しかし、朝鮮総連は私達には全く返答しようとせず、しかも産経新聞の報道によれば、6月21日、詐欺容疑で逮捕された吉田誠一容疑者なる人物が逮捕されましたが、彼は北朝鮮の工作機関からの指示を受け、工作員として脱北者らの情報などを収集しようと、昨年3月、北朝鮮の情報を取り扱う民間団体にスタッフとして潜入したばかりか、この民間団体の責任者を中国で拉致しようと企てた可能性が報じられています。大阪府警は21日、吉田容疑者の自宅や同社のほか、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の幹部だった親族宅も捜索中とのことです(吉田容疑者は朝鮮大学校を卒業後、朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」英語版編集長を務め、現在は日本国籍を取得し、国立大の博士課程に在籍)。

 私(三浦)は、ここ日本で何人かの脱北者と接してきました。彼らの多くは、朝鮮総連を、単に過去の帰国事業の責任だけではなく、今現在も北朝鮮独裁政権の従属下にあり、自分たちの情報を得た場合は平壌に報告することを命じられていると判断しています。総連に抗議に行く際も、彼らはマスクなどで顔を隠し、今のところペンネームなどを使わざるを得ないのは、北朝鮮に残った家族への危害を恐れるからであり、総連職員が施設内から、彼らが抗議する姿を撮影していることを知っているからです。

 それでも現在の朝鮮総連の、歴史への反省なき態度に怒り、北朝鮮で苦しむ民衆の人権の為に彼らは行動を起こしているのです。どうか国会議員の諸先生方も、朝鮮総連の工作活動に厳しい調査を行うとともに、脱北者の方々の声に耳を傾けてくださるよう切にお願いいたします。

2012年6月25日
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会副代表
三浦小太郎

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