【ダラムサラ(インド北部)=岩田智雄】チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相は19日までに、インド北部ダラムサラの首相府で産経新聞のインタビューに応じ、中国チベット自治区でチベット人の焼身自殺が増加していることについて「非難されるべきものはチベット人を抑圧してきた中国政府だ」と述べ、中国・習近平指導部に対し、チベットへの弾圧を止めて、政策を転換するよう訴えた。
センゲ首相はインタビューで、習指導部について、「より保守的なグループだと報じられている」と懸念を示しながらも、「チベットに対する姿勢を判断するには時期尚早だ。過去の強硬政策を考えれば楽観はできないが、新たな対応を取ることを期待している」と表明。「来年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)までには、指導部の政策がわかってくるだろう」と述べた。
中国政府と対話を行うためのチベット亡命政府の特使2人が辞任し、その後、後任人事が決まっていないことについては「われわれは対話を続けるため、新たな任命をする準備ができているが、中国の新指導部の対応を待っている」として、中国政府との対話の糸口がいまなお見つかっていないことを示した。
また、チベット問題の解決に向け、国際社会に対し「中国政府にさらなる圧力をかけてほしいし、各国代表団やジャーナリストにチベットに足を運んで現状を見てほしい」と訴えた。
日本に対しては「アジアで指導力を発揮し、民主的にも経済的にも発展した国だ」と称賛し、チベットの自由に対する協力を求め、来年4月までに、今年4月に次ぐ2度目の訪日を行うことを計画していると明らかにした。
チベット亡命政府 センゲ首相、中国の弾圧を非難 : MSN産経ニュース
2012.11.19 18:49
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121119/asi12111918540003-n1.htm