ビルマ(ミャンマー):カチン州の紛争 民間人を守れ
2013年1月31日
カチン州で、政府軍が行ったとみられる空爆により、民間人3人が死亡した。ビルマ政府はあらゆる手段を講じて、民間人を攻撃から守らなければならない。
カチン独立軍(KIA)もまた同様に、民間人のいる地域に、攻撃の標的になるものを配置してはならない。そして、国際人道法を全面的に尊重すべきだ。
報道によると、カチン州ライザ村で1月14日、十代の子どもら3人が、ミャンマー政府軍の空爆で死亡した。また、子ども2人と女性2人の計4人も負傷した。 ライザ村は中国と国境を接し、かつては事実上のKIAの本拠地だった。
政府軍とKIAの双方とも、紛争下にある民間人を確実に保護しなければならない。ライザ村での3人の死によって、無差別攻撃が民間人の命を危険にさらしていることが明らかになった。
アムネスティは当局に対し、今回の攻撃の事実を迅速に調査し、戦時国際法に違反した疑いを究明するよう要請した。
激化する政府軍とKIAの争い
政府とKIA間の現在の紛争は、17年間の停戦協定が破綻した2011年6月に始まった。争いは、2012年11月から激化している。
カチン独立機構の軍事組織であるKIAは、自治権の増大を要求している。また、当局は主要武装勢力の中で、KIAとのみ、停戦協定の締結に失敗した。
2012年12月、政府軍はカチン州で新たな作戦を開始した。1月初旬からは、軍のヘリコプターや戦闘機が、国内避難民のキャンプやKIAの支配下地域を、低空飛行している。政府軍の動きは、避難キャンプの人びとや子どもたちを含め、民間人を極度の恐怖に陥れている。
少数民族のカチンの人びとによると、政府軍は12月半ば、KIAが支配する東部と北部の2つの村を空爆し、12月24日にはライザ村を空爆した。
この紛争で7万5000人を越える避難民が発生し、難民キャンプではシェルターが必要になっている。当局は2012年を通して、KIA支配地域の難民キャンプへの人道的支援を制限し、人びとは食料不足や不十分な衛生状態に陥っている。
アムネスティは2012年、政府軍がカチンの民間人に対し、超法規的処刑、拷問、虐待、恣意的監禁、強制労働、性暴力などの人権侵害を行っているという、信頼性の高い報告を受け取っている。
アムネスティ国際ニュース
2013年1月15日
ビルマ(ミャンマー) カチン州の紛争 民間人を守れ : アムネスティ日本
http://www.amnesty.or.jp/news/2013/0131_3791.html