チベット・天空の英雄「ケサル大王」上映会
3月31日(日)午後1時開場 1時半開映 シアターセブン(大阪・十三)
講演 「ケサル大王伝とは」三宅伸一郎
当日2000円 前売り(劇場)学割・映画館会員・ネット予約 1500円
4月6日(土)から12日(金)午後2時40分
一般1500円 大学生1300円 中高生・シニア・映画館会員1200円
ドキュメンタリー「ケサル大王」とは
「ケサル大王」はチベットの誇り、世界最長の英雄叙事詩『ケサル大王伝』の主人公です。初めて名前を聞いたのは8年前、当時はウィキペディアにも掲載されていませんでした。本当にそんな英雄はいるのか。疑問と好奇心をもって四川省のチベット地域に入りました。そこで叙事詩を千枚のタンカに残す壮大なプロジェクトの現場、そして今なおチベット文化が息づくデルゲで文化大革命の嵐から守られた勇壮な表情のケサルタンカと出会いました。民族の誇りを託されたケサル大王でした。
これがきっかけになり、日本のテレビで紹介されたことのない「ケサル大王」「東チベット」を本格的に取材してみたいと思いました。それから毎年のように2週間の観光ビザを使い、出たばかりの高性能小型カメラを持って広大な青海省、四川省のアジアの大河の源であるチベット高原に入り、高山病と闘いながらピンポイント取材を繰り返してきました。
冬の山の家で暮らす神秘的な語り部ーその存在から世界でもまれな生きている英雄叙事詩といわれます。ゾクチェン寺の正月の壮麗な「僧侶百人ケサル仮面舞踏」、夏のリタンのアクロバティックな「地方競馬大会」などかけがえのない、そして魅力的な「ケサル文化」を収録してきました。また各地に建立され始めたケサル大王像にもスポットをあてました。
一方、ケサルの聖なる山をはじめ、地球温暖化と地下資源の大開発などで環境破壊が進み、牧畜民は草原から追い立てられている現実を目にしました。物語のケサル大王は戦に強く、酒好き、女性にもてる庶民の憧れの英雄です。しかし今、急激な社会変化と閉塞状況の中、人々はケサル大王をエンターテイメントの英雄、あるいはかつての軍神としてだけでなく、自分たちを救い、大地を救う慈悲の英雄として崇めています。 それは今この時代、中国支配下で生きるこの地のチベットの人々の思いに重なります。
*焼身自殺の始まる直前までの取材です。
三宅伸一郎 プロフィール
1967年生まれ。大谷大学卒業。大谷大学教員。専門はチベット学。
とくにケサル王物語や仏教・ボン教の高僧伝などを中心に研究をすすめている。
「口承文学「ケサル王物語」とその担い手」(『チベットを知るための50章』)
2006年第6回 国際ケサル学シンポジウムにて研究発表
映画『チベット 天空の英雄 ケサル大王』講演付上映会 / シアターセブン
http://www.theater-seven.com/2013/b1_130331.html
上映会案内 | ケサル大王最新上映会
http://gesar.jp/?page_id=6