RFA 2013.03.22(一部抜粋)| 翻訳・掲載:2013.03.27
今年3月7日にコルラ市で起きた殺傷事件について、中国当局は、事件の容疑者とされるウイグル人青年ヘズリテエリ・マムット氏がばくち打ちで、過去にも複数回刃物による傷害事件を起こし警察の取り調べを受けた経歴があり、家族と関係がうまく行かないことがきっかけで今回の悪質な事件を起こしたと発表していた。
しかし、ヘズリテエリ・マムット氏を良く知る一人が先日現地からRFAに情報を寄せ、中国当局が発表したヘズリテエリ・マムット氏に関する情報が全くの嘘であり、中国当局の現地における抑圧的な諸政策に対する抗議こそが本当の動機であると告発した。
RFAでは、この情報を基に、現地の関係機関らに電話取材を行った。 取材の結果、コルラのホトンスムブル県警察当局が、ヘズリテエリ・マムット氏が同県カルムドン郷の住民であることを明らかにした。カルムドン郷の警察署が、ヘズリテエリ・マムット氏が同郷ウランガデル村第6集落在住の住民であることを明らかにした。RFAでは、ウランガデル村の村長であるヤスン・アブドレヒム氏を取材した。
記者:あなたはウランガデル村のヤスン村長ですか。
村長:はい、私です。
記者:先日事件を起こしたヘズリテエリ・マムット氏ですが、どんな青年だったのですか。
村長:何時も一生懸命働いていて、しっかりしたいい青年だった。事件を起こしたと聞いて耳を疑って驚きました。
記者:彼が以前人々と喧嘩したり、傷害事件を起こしたりしたことはありましたか。
村長:いいえ、ありません。
記者:彼が過去にも複数回刃物による傷害事件を起こし警察の取り調べを受けた前科があると報道されていますが・・・
村長:私はそのような事実を聞いたことがないです。
記者:それでは、彼が、この村を離れて別の町で暮らした時期があったのですか。
村長:いいえ、ありません。
記者:つまり、この村で生まれ育って、ずっと村長の目も前で暮らしてきた青年だったということですね。
村長:はい、そうです。
記者:ヘズリテエリ・マムット氏について、政府があなたにどのような情報を提供しましたか。
村長:私は今のところ、事件の詳細について政府から説明を受けていません。先日警察がやってきて、ヘズリテエリ・マムット氏がどんな青年だったのですかと聞きましたが、今あなた(RFAの記者)に話したのと同じことを話しました。
このインタビューから、中国当局がヘズリテエリ・マムット氏の人柄や経歴について偽った情報を流したことが確認できたほか、事件の全容や動機についても中国当局が偽った情報を流した可能性が浮上した。
http://www.rfa.org/uyghur/xewerler/qanun/hezreteli-mamut-03222013225728.html
コルラ市の殺傷事件、中国当局の嘘が判明 : 世界ウイグル会議
http://www.uyghurcongress.org/jp/?p=6115