要請文
中国政府の天安門車両突入事件を利用したウイグル人迫害に抗議し
国際社会と日本政府は人権外交の精神から中国政府への人権改善を促することを求める
10月28日、天安門広場で起きた自動車による車両突入事件を、中国政府はウイグルの組織的テロ活動と一方的に決めつけ、世界に対し情報操作を行うと共に、ウイグルにおける人権弾圧をより一層強化しようと試みている。私たちは、この事件の犠牲者すべてに深い哀悼の意を示すと共に、ウイグルで現在進行中の中国政府による人権弾圧や民族抹殺政策が全ての問題の根源であること、そして中国政府が、この事件を利用してウイグル人をテロリストとみなすレッテル貼りと情報操作が行われていることに強く抗議し、日本政府及び国際社会に人権改善の立場からも中国政府に対する積極的な抗議と関与を要請する。
現在新疆ウイグル自治区では、モスクにおける自由な礼拝すら弾圧され、信仰の最後の証として、男性が髭を伸ばしたり女性が宗教的な衣装を着けることすら禁じられている。中国警察は若いウイグル人男性を罪状も明らかにせず連行し、しかも数年たっても行方不明の状態が進んでいる。今年6月のトルファン地区、そして8月のカシュガル地区において、ウイグル人はこのような絶望的な状況下で抗議し、中国軍隊により殺戮されているが、この事件についても中国政府は情報を閉鎖し、国際社会も中国の蛮行を看過している。
そして中国政府は、東トルキスタン・イスラム運動という、世界ウイグル会議ですら把握していない運動をウイグルの代表的テロ組織と宣伝し、9・11ニューヨークテロ事件以来、ウイグル人弾圧をテロとの戦いだとして正当化してきた。今回も孟建柱・共産党中央政法委員会書記は31日、この事件を東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)の指示によると述べている。しかし、中国政府はこの事件の客観的な情報も公表せず、今回の事件をテロ組織による自爆攻撃とみなせる証拠は何ひとつ挙がっていない。
私たちは事実に基づくジャーナリズムの精神と、自由と人権、そして民族自決権を尊重する立場から、以下を中国政府及び日本ならびに国際社会に要請するものである。
1、中国政府はこの事件がテロだというのならば客観的な証拠を明らかにし、且つ、総てのジャーナリストや国際機関の自由な取材と調査を受け入れよ。
2、国際機関はウイグルをはじめ中国全土の人権査察の受け入れを中国政府に求めると共に、人権問題の査察と改善を認めない間は、中国政府が現在推進している国連人権委員会への参加のみならず、国連安保理常任理事国参加資格も失うことを通告せよ。
3、日本政府は直ちに中国政府に事件の真相究明とウイグルにおける人権改善を要請し、それに応じない場合は中国向けのあらゆる経済支援、環境支援などを停止する意志のあることを内外に表明せよ。
2013年11月6日
アジア自由民主連帯協議会
会長 ペマ・ギャルポ
日本ウイグル協会 代表
イリハム・マハムテイ
※PDFファイル(304KB)
https://freeasia2011.org/statement/20131106.pdf