RFA 2013.11.06 | 翻訳・掲載:2013.11.08
先週天安門広場に車両が突入した事件は、中国警察によるイスラム教のモスク襲撃と関係がある可能性が出てきた。
車両を突入させた運転手ウスメン・ハサン(33)は、故郷ウイグルのアクトのイェンギ・アイマク村のモスクを昨年中国警察が襲撃したことに対する復讐を公然と口にしていたという。この村の元村長ハムト・トゥルディ(55)からの情報だ。
「村の襲撃に対する復讐をウスメン・ハサンがした可能性は高いと思います。」
昨年、中国警察はピラルモスクに侵入し、中庭を破壊したという。中国当局は、祈祷所の建て増し部分が村のコミュニティが集めた資金で違法に建てられたと述べていたという。ハサンはこの件に激怒していたという。
トゥルディによると、ハサンは、この建設のために多額の寄付をしていたという。
「これが天安門での車両突入事件の一因である可能性があります。」
トゥルディはこう述べた。
中国警察によるモスク襲撃は、昨年10月28日に起きた。天安門での事件とまったく同じ日付だ。
「日付が同じであることから、モスク襲撃が原因であると私は信じています。」
イェンギ・アイマク村は、ウイグルのキジルス・キルギズ自治州のウジメ街にある。ウイグル人たちは長きにわたり、中国当局による民族差別と宗教弾圧に苦しんできた。
トゥルディは、イェンギ・アイマク村の村長を22年間務めたが、昨年中国警察がピラルモスクを襲撃した際に任を解かれたという。トゥルディは、役人100人がモスクを取り囲んで中庭を破壊した際、ハサンが情熱的なスピーチを行ったのを記憶しているという。
ハサンは、武装警察と口論を行っていたモスクの役人に口論をやめるよう諭したという。
「ハサンはその場に飛び入り、モスクの役人を諭しました。彼は次のように言っていました。『今日は中国警察の勝ちで、我々の負けです。警察は銃を持っていますが、私達は何ももっていないからです。でも、心配はいりません。いつの日か、私たちにも何かできることがあるでしょう。』」
トゥルディはこう語った。
「ハサンの情熱的なスピーチが終わった後、ハサンの母クワンハン・レイムが彼を抱きしめ、涙を流し、額にキスをしました。母はハサンに誇りを持っていたのです。これを見た民衆は心を動かされ、涙を流し、抗議をやめました。」
モスクの役人が引き下がると、ブルドーザーが入って来て、モスクの中庭と壁の一部を破壊したという。また、カーペット12枚が押収され、水と暖房が停められたという。
この事件の翌日、ハサンは村を去り、戻って来なかったという。
ピラルモスク
トゥルディによると、ピラルモスク建設のために村人は20万元を3年かけて集めたという。そして、2011年に建設許可を得たという。
モスクは、2012年半ばに建設された。その後、中庭にコンクリートを敷き、宗教儀式を行うための壁を建てるために追加の3万元を集めたという。
しかし、中庭プロジェクトが終わると、中国当局は許可がないとしてこれを破壊するよう命じたという。
http://www.rfa.org/english/news/uyghur/demolition-11062013163042.html
日本語訳: http://ameblo.jp/dream-for-children/entry-11676959291.html
天安門の車両突入事件は、1年前の同月同日の中国警察によるイスラム教のモスク襲撃が原因か? : 世界ウイグル会議
http://www.uyghurcongress.org/jp/?p=6680