1月12日、午後1時半から、東京都神田の会議室にて、「緊急抗議集会 中国は民族虐殺を止めよ」が、日本ウイグル協会主催、アジア自由民主連帯協議会、モンゴル自由連盟党共催の形で行われました。参加者は約70名、都知事選に話題が集中する中でしたが、熱心に聞き入ってくださいました。
司会はアジア自由民主連帯協議会の三浦が行い、最初に「頑張れ日本!全国行動委員会幹事長を務める水島総氏が登壇。現在中国政府が行っていることは、かってナチスが行った民族絶滅政策に他ならず、まさに平和と自由、民族自決権の敵であり「悪の帝国」であると述べました。さらに水島氏は、日本ウイグル協会のこれまでの活動に敬意を表し、特にイリハム氏の、運動の中で起きる様々な矛盾や、事態が進まない悔しさの中でも、ウイグル民族の自決と独立、そして人権擁護を訴えて一歩も引かずに闘いつづけたこと、また、彼を見えない所で支え続けた日本人ボランテイアの努力を讃えました。
同時に水島氏は、世界が中国の横暴にほとんど沈黙する中、アジアに於いて日本こそが、ことなかれ主義や戦後レジュームを脱却し、中国に対しても、他のいかなる国に対しても堂々と正義を主張するようにならなければならない、それがウイグルをはじめとする諸民族への応援であり、今回の都知事選もまた、日本を変えるための重要な選挙の一つであることを述べて挨拶を終えました。
水島総氏
続いて、Yotubeに挙げられているウイグル民族への過酷な弾圧のありさまを編集し、かつ解説を付けた映像が上映された後、イリハム・マハムテイ日本ウイグル協会会長が登壇しました。映像の中には、ウイグルの小さな子供が泣き叫んでいる映像がありましたが、イリハム氏は声を詰まらせながら、あの子供は多分5歳か6歳くらいだろうが、自分の娘も同じくらいの年ごろであること、あの子供はおそらく誘拐された子供であることは確実だと述べ、今、中国ではウイグル人の小さな子供を誘拐し、そしてスリなどを覚え込ませて犯罪行為をさせる、それによってウイグル人が悪い民族で抹殺すべき存在だと漢人に偏見を持たせ、憎しみを煽るようなひどい犯罪行為を行っていると述べ、そこから、ウイグルで起きている人権弾圧、民族虐殺の実態を語り始めました。
イリハム・マハムテイ氏
まず、当日配布の世界ウイグル会議政策の資料にあるように、現在ウイグルでは、若者が次々と失踪していること、彼らがどこに行ったのかが全く分からない状態になっていることを述べ、仮にその親族が警察に訴えても、警察はあるケースでは誘拐犯らしき人間を掴んだにもかかわらず、証拠不十分だと言って捕まえようとしない。おそらくさらわれた人の中には、臓器売買などの犠牲者となっている恐れがあると指摘しました。そして、幾つかの映像を写し、ウイグルでは母親が望まない強制堕胎が行われている目をそむけたくなるような生々しい実態を報告しました。
そしてイリハム氏は、現在中国が「テロ事件」として発表しているいくつもの事態について、ウイグル人は武器など何も持たず、それこそ家に料理のための包丁やナイフくらいしか持っていないのに「テロ」など事実上不可能であると指摘した上で、ある事実として、今ウイグルでは宗教行為や民族文化、衣装に対しても激しい弾圧や禁止政策がとられており、ある家に警察が無断で侵入し、その家の主人の妻がまとっている帽子やヴェールをはぎ取ろうとした事件がある、しかも、その警察は、本当に悲しいことだがウイグル人だったと述べました。
そして、その家の主人は、仮にその警察がウイグル人でなければ、自分たちの文化や風習を知らないし意味も分からないのだろうと思い、そこまでは怒らなかったかもしれない。しかし、同じウイグル人からここまで自分の家で無礼なことをされて、家の名誉を守るためにも抵抗し、その抵抗が「テロ」とされて警察に殺され、その家自体も形が残らないほど破壊された、これが中国政府のやっていることで、民族の文化や精神を侮辱し、最後には民族そのものを抹殺する政策がいま日本のお隣の国で大々的に行われている、その事に対し、日本ももっともっと危機感を持ち、このような国はいつか日本に対しても侵略の意志を明らかにするだろうと講演を結びました。
小島健一県議会議員
続いて休憩後、日本ウイグル地方議員連盟の小島健一県議会議員が紹介され、このウイグル問題には最初期から取り組んできたこと、地方議員としても日本国の未来や名誉、そして人権問題は積極的に取り組んでいきたいとあいさつがあった後、モンゴル自由連盟党代表のオルホノド・ダイチン氏が登壇しました。
ダイチン氏は、モンゴルでも同様に中国政府は露骨な弾圧と、同時に民族差別政策を行っている、大量の漢民族が流入すると共に、文化大革命時からモンゴル人への虐殺が続き、現在も、仮に漢民族がモンゴル人を自動車でひき殺しても、「臭いモンゴル人が死んでもお金を払えば済む」などと言う酷い言葉で片付けられ、牧畜文化は侮辱されていることを語りました。
そしてダイチン氏は、静岡大学の楊海英氏の著作「墓標なき草原」(岩波書店)など、文革時の、そして今も本質的に変わらぬ 中国政府の本質が世界に明らかになっていること、自分たちもウイグル同様、中国政府に抗議し民族の自決を目指して運動していきたいと語りました。
オルホノド・ダイチン氏
最後にアジア自由民主連帯協議会のペマ・ギャルポ会長が登壇し、現在残念なことながら、世界は正義よりも一時の経済的利益や安定を求めて中国の暴政に明確な抗議を示していない、しかし、私たちはそのような中国に融和的な態度をとる人たちに対しても、説得と共に、厳しい批判をもしなければならない、特にテレビのコメントなどを聞いていると、中国における民族虐殺の実態などについて全く無知か、もしくは見て見ぬふりをしている人がいるように思う、そして、知っていながら中国に抗議しない人がいるとしたら、それは明らかに共犯者に他ならないと批判しました。そして、日本では平和を讃え、非暴力での問題解決を主張する方がたくさんいらっしゃるが、もしそうであるとするならば、暴力を否定する以上、言葉の力を使って、暴力以外のすべての手段を使って中国の現在の民族弾圧に抗議しなければ、それはただの偽善に近いものだと述べました。
ペマ・ギャルポ会長
そして、今日ここにいる以上の、沢山のモンゴル人、チベット人、ウイグル人が、このような集会に参加したいと本当は思っている、しかし、彼らも家族が本国にいることや、日本での生活や仕事など様々な事情で動くことがなかなかできない。その彼らがもっと行動しやすい状況を作ることも大切なことであり、そのような中で危険を犯し、勇気を揮ってこのような運動をしているイリハム氏やダイチン氏こそ、まさにかってのアジア独立の志士であり、かってアウンサン将軍が日本で訓練を受けた本の30人の同志と共に立ち上がったのが現在のミャンマー(ビルマ)独立への第一歩だったことを思う時、将来、いま日本で闘っている彼等こそが未来のアジアを作っていくだろうと述べ、講演を結びました。
(文責 三浦小太郎)
【動画】
2014年1月12日 日本ウイグル協会「緊急抗議集会 中国政府は民族虐殺を止めよ」
https://www.youtube.com/watch?v=bujQuk7CP30
昨年から、新疆ウイグル(東トルキスタン)自治区では、中国政府の民族絶滅政策というべき弾圧と、それに対するウイグル民族の決死の抵抗運動が激化しています。
昨年末も、ウイグル自治区カシュガル地区ヤルカンド県で30日午前6時半ごろ、ウイグル人9名が公安局を襲い、中国警察によって8名が射殺されたというニュースが伝えられました。
中国政府は自らの弾圧とウイグル人虐殺の歴史には一言も触れず抵抗するウイグル人をテロリスト呼ばわりしています。
私たちはウイグルで起きている現状を伝え、中国の、ナチス同様というべき民族絶滅政策を止めさせるための緊急抗議集会を開催します。
是非、一人でも多くのご参加と、報道関係者の方々の報道面でのご協力をよろしくお願いします。
日本ウイグル協会 会長 イリハム・マハムテイ
・登壇者
水島総(映画監督 プロデューサー)
イリハム・マハムテイ(日本ウイグル協会 会長)
小島健一(神奈川県議会議員/日本ウイグル地方議員連盟)
オルホノド・ダイチン(モンゴル自由連盟党)
ペマ・ギャルポ(アジア自由民主連帯協議会 会長)
・司会
三浦小太郎(アジア自由民主連帯協議会)
※講演会で配布した資料については各団体にお問い合わせください。
・日本ウイグル協会
http://uyghur-j.org
・世界ウイグル会議
http://www.uyghurcongress.org
・モンゴル自由連盟党
http://lupm.org
制作・協力 ラジオフリーウイグルジャパン
http://rfuj.net