★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.02.18)
■国連人権委が、北朝鮮は「少なくとも百人余りの日本人を拉致」と報告-家族会・救う会声明
昨日、2014年2月17日、国連人権理事会に設置された北朝鮮の人権に関する調査委員会は、日本人拉致問題や国内の人権侵害問題などにつき、北朝鮮は「人道に対する罪」に相当しているとの報告書(英文)を発表し、国際機関および各国政府に対応を求めた。
以下はそれに対する家族会・救う会の声明の全文である。
◆家族会・救う会声明
国連人権理事会の決議を受けて設置された北朝鮮の人権に関する調査委員会が2月17日、最終報告書を発表した。北朝鮮政権による組織的で凄惨な「人道に対する罪」を詳細に裏付けると共に、国際機関および各国政府に対し「人権を前面に(Rights Up Front)」出した対応を強く促している。
日本人拉致問題についても、解決済みとする北朝鮮の主張を明確に退け、8人「死亡」の根拠はなく、北朝鮮が認めた13人以上、少なくとも百人余りが拉致されている可能性があるとする判断を示した。また、拉致は朝鮮戦争中に始まり、被害国は日本、韓国をはじめアジア、中東、ヨーロッパに及び、拉致の命令者は政権の最高権力者である金日成、金正日だったことも明言された。これらは私たちが韓国、タイ、ルーマニア、レバノン、米国などの被害家族や関係者と共に全世界に訴えてきた内容と同一であり、国連調査委員会が私たちの主張を全面的に支持したことを意味しており、大いに勇気づけられる。
報告者は元工作機関などの幹部の証言を根拠に、日本人女性被害者10名の存在、元日本人が90年代に中国で拉致されたなどと書いている。日本政府は情報収集の次元でこれらの内容を精査してほしい。
報告書は、1978年にマカオから拉致された中国籍の2女性、孔令●(ホン・レンイン)、蘇妙珍(ソー・ミウチュン)の実名を挙げ、孔さんが大韓航空機爆破事件実行犯の金賢姫元工作員の中国語教育係だった事実にも言及している。自国民が拉致された上、テロリスト教育への協力を強いられた重大事案だが、中国政府は、調査委員長の照会に対し、何ら回答しなかった。残念な対応である。●=讐の隹を貝に。
報告書は、「国連安保理は、人道に対する罪に最も責任があると思われる勢力をターゲットとした制裁を発動すべきである」と提言している。これもこれまで家族会・救う会が主張してきた内容だ。すでに安保理は核とミサイルを理由に対北制裁決議を繰り返し採択している。核に関する3本の決議には「人道上の懸念」という表現が入っている。日本政府は、拉致を含む人権を理由とした対北制裁決議の実現に向け、関係各国との連携を強めてもらいたい。
報告書はまた、六者協議参加国や北朝鮮にゆかりのある国々が「人権連絡グループ」(human rights contact group)を形成し、人権重視の対応をするよう求めている。日本政府はこうした枠組作りにイニシャティブを取るとともに、「人権状況の改善」に名を借りた安易な援助や貿易が行われないよう種々の「圧力」も行使していく必要がある。
国連の調査委員会が拉致を「人道に対する罪」と断定したことは、北朝鮮への国際的圧力を強めた。日本政府と国際社会はぜひこの報告書を最大限活用して、すべての拉致被害者が母国に帰れるように最大限の努力をして頂きたい。
以上
国連人権委が、「北朝鮮は少なく とも百人余りの日本人を拉致」と報告-家族会・救う会声明 : 北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会
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