2014/03/27/Thu
台湾では三月十八日、学生らが立法院(国会)の議場を占領した。国民党の馬英九政権及び同党の国会議員らが国民の意見を聞くこともなく、台湾を更なる中国の影響下に陥れるサービス貿易協定を強行採決しようとしているため、それの阻止に立ち上がったのだ。
一部の学生、民衆は二十三日に行政院(内閣)の建物も包囲したが、こちらは馬英九政権の命を報じた警察の特殊部隊などに襲撃され、多数の怪我人を出している。まさに民衆を虫けらのように扱う国民党の中国式政治文化の表れだ。
台湾を中国に売りかねない協定を密室作業で調印したのもまた、そうした前近代的な文化の為せる技だった。
果たして台湾の民衆は、国民党の暴走を食い止めることができるのか。
民衆には国際世論に声援が必要だ。なぜなら国民党側には中国の強大な支援(恫喝と利益誘導)を受けている。
かくして我々「頑張れ日本!全国行動委員会」と台湾研究フォーラムは三月二十六日、都内の台北駐日代表処(駐日大使館に相当)の前で「頑張れ台湾民主運動!緊急国民行動」を実施した。
当日の模様については台湾紙自由時報が二十七日に大きく報道しているので、その記事を以下に翻訳したい。
なお見出しを読むと在日台湾人の活動のように受け取れるが、実際には日本人主体の友情行動。記事本文を読めばそれはわかると思う。
■在日台湾人 暴力鎮圧の停止を要求(自由時報、3月27日)
「馬英九政権が暴力で学生に危害を加えるのは許さない!」「日本人は台湾を応援する!台湾頑張れ!」約三百人の日本の団体、在日台湾人団体代表、留学生や日本の学生は昨日午後、東京の台湾駐日代表処前で馬英九政権の学生に対する暴力鎮圧に抗議を行い、「日本は台湾学生の正義を支持する!馬英九政権の暴力に反対する!」と叫んだ
集結したのは「頑張れ日本!全国行動委員会」、台湾研究フォーラムの他、在日台湾同郷会、在日台湾婦女会、日本台湾医師連合、台湾独立建国聯盟日本本部の代表、台湾人留学生や日本人の大学生などおよそ三百人。
緑の台湾旗(※台湾独立派の旗)を持つ人もいれば、青天白日旗(※中華民国旗)を持つ人もおり、そして日本国旗を持つ人もいた。ある留学生は「私たちにはグリーン(本土派野党)でもブルー(反本土派与党)でもなく、ただ台湾カラーであるだけ。反対するのは馬英九政権と中国共産党が不平等なサービス貿易協定を台湾統一のジャンプ台にしようとしていることだ」と語った。
「頑張れ日本!全国行動委員会」と台湾研究フォーラムが沈斯淳駐日代表に届けた要求書には、「台湾のヒマワリ運動が世界の注目を集めているが、学生たちは理性ある民主主義の勇者であり、暴徒ではない。貴国政府には今後不当な手段で人権を蹂躙するのを停止することを要求する。学生が問題視するサービス貿易協定は中国の台湾併呑に道を開くものであり、さらには日本とアジアの平和と安全を脅かす。そのため貴国政府の後先を考えない対中政策には、日本人も憂慮している」とあった。
黄姓の女性は「私たちは国民党でなければ民進党でもない。しかし台湾をいじめる者がいれば、抗議するだけだ」と興奮気味に語った。彼女は大きな声で「馬英九は辞任しろ!」「馬政権は無能だ!」と叫ぶと、人々もそれに合わせて叫んだ。
抗議を指揮した「頑張れ日本!」の水島総幹事長は「馬英九の台湾の学生運動鎮圧は容認できない。台湾の自由はすでに脅威に曝され、まさに中共の手中に陥ろうとしている。日台は運命共同体。日本は台湾を応援する。台湾頑張れ!」と話した。
記事は以上だ。この日は本当に日本人と台湾人が心を一つにして声を上げることができ、感動的だった。
この報道が台湾で闘う民衆への日本からの激励になればと願っている。
ちなみに国民党、中国寄りの聯合報も報道を行っているが、こちらは我々日本人の行動を誹謗し、明らかに台湾との離間を図る悪意の内容だった。
それによると、ある留学生は主催者に中華民国旗の掲揚の許可を求めたところ、「それは国民党の党章であり、国旗ではない。緑の台湾旗こそ未来の国旗だ」と言われたなどで、多くの留学生らは主催者は台湾の学生運動を政治利用していると感じ、その場を離れたのだとか。
たしかに日本人参加者の中には、「あれは国民党の旗。敵の旗を出して好いのか」と私に告げに来た人はいた。しかし私を含む主催者自体は、留学生にそうしたクレームなど付けていない。逆にその旗にどのような意味合いがあれ、留学生らの参加を喜び、それぞれの愛国心のかたちを尊重していたというのが事実なのだ。
事実聯合報が掲げた現地の写真にも、中華民国旗を持って抗議に立つ台湾人の姿も映っているのである。
ずいぶん下劣な記事を書くものだと思う。こうした日本人の声援活動は、それほど国民党にとっては不都合であるということなのだろう。
台湾紙が報じる「頑張れ日本!全国行動委員会」の友情ー3・26緊急国民行動の報告 : 台湾は日本の生命線!
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