中国の北京で、天安門事件から25年になるのを前に、事件の真相究明などを訴える集会に参加した弁護士や学者らが相次いで公安当局に拘束され、中国の指導部が共産党の一党支配に対する批判が強まることに神経をとがらせていることがうかがえます。
1989年に起きた天安門事件から来月で25年になりますが、中国政府は事件そのものをタブー視し、一部の学生による「暴乱」だったとする立場を見直す動きはありません。
こうしたなか、関係者によりますと、今月3日、事件で家族を亡くした遺族や民主化運動に関わった人たちが北京市内に集まり、政府に対して、事件の真相究明や犠牲になった人たちへの賠償を訴えたということです。
ところが、参加者のうち、市民の権利擁護に取り組み、ことし2月に東京で行われた講演でも中国の人権侵害の実態を訴えた弁護士の浦志強氏が騒ぎを挑発した疑いで、6日、正式に身柄を拘束されたほか、中国を代表する改革派知識人の徐友漁氏など複数の参加者と連絡が取れない状態が続いていて、公安当局による取り調べが行われているものとみられています。
中国の指導部は、このところ、共産党に批判的な人たちへの締めつけをさらに強めていて、事件から25年という節目を前に、共産党の一党支配に対する批判の機運が高まることに神経をとがらせていることがうかがえます。
中国 天安門事件の集会参加者を拘束 : NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140506/k10014247091000.html