産経新聞 2014.06.04
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140604/chn14060407440005-n1.htm
中国で民主化運動が武力弾圧された天安門事件から4日で四半世紀。当時の学生運動のリーダーは、「大虐殺事件の生き残り」という罪悪感を抱えながら、世界各地で中国の民主化を訴え続けている。
「この25年間、いつになったら祖国の両親に会えるのかと毎日考えてきた」。東京で1日開かれた民主活動家らの集会で、ウルムチに住む年老いた父母への思いを吐露した。
天安門事件直前、学生運動の指導者として李鵬首相(当時)と面会するなど注目を集めた。事件後は「反革命宣伝扇動罪」で指名手配され、国外に亡命。現在は台湾で投資銀行家として生計を立てているが、名刺の肩書は「民主運動人士」(民主運動家)だ。
名目の国内総生産(GDP)で中国は世界2位の経済大国となったが、一党独裁体制は変わらない。「問題は中国が世界のルールに従うのか、世界が中国の横暴なルールに屈するのかだ」
緊張が高まる日中関係についても、「普遍的価値を持つ国と専制独裁の国との間で衝突が起きれば、日本は当然有利な側にいる」。一方で日本政府が中国に対し人権問題を提起していないとし、「関心があるのは経済だけだという誤ったシグナルを出している」と批判する。
北京出身だがルーツはウイグルだ。「民主活動家は希望を捨てていないが、ウイグルやチベットなどの少数民族は未来に絶望している」。ウイグルが民族自決権を勝ち取るためにも、漢族との和解を達成するためにも、民主化と言論の自由が必要だと信じている。
「いつか、天安門事件の犠牲者たちの理想が実現されるという希望が、私にとって唯一の救いだ」(西見由章、写真も)
「中国が世界に従うか世界が中国の横暴なルールに屈するかだ」 天安門事件学生リーダー、ウアルカイシさん(46) : 世界ウイグル会議
http://www.uyghurcongress.org/jp/?p=7065