6月4日、東京のアルカデイア市ヶ谷にて、天安門事件25周年記念集会が開催されました。集会は古川郁絵イベントプロデユーサーの司会ではじまり、天安門の犠牲者に黙とうを参加者全員で捧げたのち、石平氏が基調講演を行いました。
石平氏は、今から25年前、純粋な若者たちが、名誉の為でも権力を得たい為でもなく、ただ、中国に自由と人権と民主主義という、人間として当然の権利を実現するために立ち上がったこと、その彼らが無慈悲な弾圧を受けたことを涙ながらに訴えました。
そして石平氏は、現在の中国は、国内の弾圧だけではなく、海上に派遣を求めて侵略を始めており、中国の野望は、東アジア、南アジア、アジアの海を完全に支配する、そして、それに成功すれば、我々アジア人全員が、チベット人や南モンゴル人、ウイグル人と同じ苦しみを味わうことになると述べました。
25年前の天安門で自由を求めて起ち上がり、殺されていった若者たちが逆に私たちに教えてくれたのは、自由で平和なアジアを、世界を実現しようというのならば、必ず、中国共産党政権を潰さなければいけないことだと力説し、この政権が逆に存在し続ける間は、アジアの私達の生命、財産、自由は保障されないと力説し、何よりも中国が、その侵略思想の根本である中華思想を捨てて、他民族や他国への侵略を停止すれば、アジアは平和になるのだと述べました。
石平氏、陳破空氏
そのためには、まずわが日本国が強くなること、日本が強くなれば、この日本を侵略から守ることが出来る、そして、中国の侵略からアジアを守ることもできると述べ、さらには、中国共産党政権を打倒するまで日本をはじめとするすべてのアジア諸国家、諸民族が闘わなければならないことを述べました。
続いて陳破空氏が講演し、天安門事件が示したことは、自国民に加えられた暴力は必ず他国、他民族への向かうことは明らかであること、そして、天安門事件は確かに民衆、学生、知識人たちの自発的な運動だったが、現在の反日デモは全く異なり、冷静で知識のある中国人はほとんど支持していない、中国民衆は本当は日中友好を望んでいる、中国政府と中国民衆は分けてみてほしい、中国が民主化すれば、世界は平和に近づくのであり、日本の皆さんも中国民主化を支援してほしいと述べました。
西村慎吾氏、三宅博氏
続いて西村慎吾議員は、すでに14億の人口となった中国が、そのまま一つの国として存続し、かつ、民主化して平和な国になるということは敢えて言えばありえないことだと断言し、日本は中国共産党政権と腹をくくって対決しなければならないと述べました。また三宅博議員は、現在の中国をここまで強大なモンスターにしてしまったのも、また、北朝鮮に拉致を許し核開発を許してしまったのも、実は日本からの経済支援や不正送金によるものであり、日本の戦後体制こそが最大の問題だったと指摘しました。和田正宗議員は、大東亜戦争にも、また、大東亜戦争戦後もアジア各地に残って民族独立のために戦った日本の戦士たちがいたことを述べ、この方々の遺志を継がなければならないと述べました。
ペマ・ギャルポ氏、和田正宗氏
また、当会会長のペマ・ギャルポ氏は、日本が近現代史に果たした役割はアジアの解放だったこと、そして今は欧米ではなく中国が植民地体制をアジアで敷いていることを強調し、かっての日本の歴史を引き継ぎ、かつ、現代のアジアの人たちもまた自ら植民地体制からの解放を目指して起ち上がらなければならない、そのために、まだ小さな組織ではあるけれど、私たちはアジア自由民主連帯協議会と言う組織を作り出し活動を始め、中国のウソ、宣伝、侵略に対抗するために戦っていきたいと、日本とアジア諸民族の連帯を訴えました。
グリスタン氏、相林氏
日本ウイグル協会のイリハム・マハムテイ氏のメッセージは、同会会員のグリスタン氏が代読、かってイリハム氏は新疆大学在学当時、天安門広場の運動に対する連帯のデモに参加した日のことを昨日のように思い出す、ウイグル人の独立のためにも、中国民主化運動と連帯しなければならないと述べました。
日本在住の中国民主運動家相林氏は、香港での天安門25周年記念のデモや集会について述べ、香港人は、たとえ経済的に圧迫を中国から受けて仮に貧しくなったとしても、それよりも自由や民主主義の実現のために運動をしている、7月1日、香港で抗議活動が予定されている、その同じ日に、世界中で自由と民主主義を信じる人たちが決起して中国大使館を包囲していこうと呼びかけました。
オルホノド・ダイチン氏、王明理氏
モンゴル自由連盟党のダイチン氏は、中国政府は今やモンゴルに対しては完全な民族絶滅政策に等しい弾圧を行っている、そして中国がここ日本を含むアジア諸国に侵略を仕掛けていることに、日本国民はもっと危機感を持ってほしいと述べました。また、台湾独立建国連盟の王明理氏は、台湾におけるヒマワリ学生運動を紹介し、仮に中国が台湾を支配下に置けば、あのような運動は全くできなくなる、第2の天安門事件、そして台湾の最大の悲劇である228事件が再開するだろうと述べました。そして、昨年だけで141億円のお金が今もODAとして日本から中国に送られている、この経済援助が中国にミサイルを作らせ台湾を圧迫させているのだ、日本はまずこの援助を即時止めてほしいと述べました。
ベトナム革新党のアウン・ミン・ユン氏は、日本こそアジアのリーダーになってほしい、ベトナムは今も独裁政権で、中国と同じように民主化が必要である。日本はこれまで中国やベトナムの共産党独裁に対する批判が乏しかったように思うが、ぜひこれからは、民主化や人権改善を強く要求してほしいと述べました。
アウン・ミン・ユン氏、藤井厳喜氏
政治学者の藤井厳喜氏は、かってフィリピンは中国から米軍基地を撤退させたが、今は再び戻そうとしている、そして現在のフィリピン大統領は明確に、今の中国共産党と対話や妥協を目指すのは、ナチスのヒトラーとの間で対話が成立することを期待するようなものでほぼありえないことだと述べていると紹介しました。アジア自由民主連帯協議会副会長の西村幸祐氏は、これまでの講演者の発言への深い共感を示し、中国共産党の打倒以外に道はないこと、しかし、ここではっきりと認識しておくべきことは、今回の安倍政権誕生まで、日本政府は中国の独裁政権を支持し続けてきた、それがあらわになったのが震災以後の中国漁船の衝突に至る過程であり、中国に対峙しうる政権が誕生した今からが、この共産党体制打倒の戦いの始まりだと述べました。
西村幸祐氏、黄文雄氏
評論家の黄文雄氏は、中国の最大の問題はその精神構造にあり、民主化以上に、今の中国の精神をこそ変えなければならないと主張。頑張れ日本幹事長の水島総氏は、中国共産党打倒や民主化を唱えることは大切だが、現実的な見通しと、具体的な運動を行っていかなければいけないし、中国の侵略に抗するには、移民受け入れが中国の人口侵略につながる危険性をしっかり見ていかなければならないし、尖閣列島を断固防衛する姿勢を民間も政府も見せなければならないと述べました。
水島総氏、河添恵子氏
ノンフィクション作家の河添恵子氏は、体験を通じ、中国が如何に信用しがたい相手であり、契約を簡単に破ったり虚偽の書類を出してきたりする具体例で語ると共に、今の日本の単純な平和主義や軍事アレルギーではとても現実の侵略に対抗できないと、危機に目覚めるよう訴えました。坂東忠信氏は、中国に対しきちんと嘘の宣伝には対峙しなければ中国自身のためにもならない、たとえ民主化したからと言って、中国の本質である様々な欠点、虚偽宣伝が変わらない限り問題は解決しないと述べました。バングラデシュのサーカー氏は、日本の若い政治家に、どんどん自らアジアに来て、アジア諸民族が何を考え、何を日本に求めているかをしっかりつかんでほしいと述べました。
坂東忠信氏、サーカー氏
宮崎正弘氏、田母神俊雄氏
そしてこの集会の主催者である宮崎正弘氏は、今回の集会の賛同人の方々を紹介すると共に、中国経済は最早崩壊の瀬戸際にあること、その証拠の一つとして、中国共産党幹部がその莫大な財産を次々と外国に移していることが確認されていることを指摘しました。そして最後に田母神俊雄氏が、中国の軍事力はそれほど強大なものではない、尖閣であれ、日本全体の国防であれ、日本国家に領土と主権を守る意志さえあれば何ら恐れる必要はない、その意味では、フィリピンやベトナムが日本よりもはるかに劣る軍事力なのに堂々と中国に立ち向かっている姿勢には大いに学ぶべきところがあると述べ、軍事的侵略には同じく軍事をもって対抗する決意を持つことこそ、現実には戦争を防ぎ、侵略国から自由と主権を守ることにつながることを指摘し、天安門25周年記念集会は閉会しました。(文責 三浦小太郎)
【動画】
(全)天安門事件二十五周年 東京集会
http://www.youtube.com/watch?v=hRiY5Rx6n8Y
※西村幸祐氏のチャンネルから。全収録版。
【天下圍城】天安門事件二十五周年 東京大会[桜H26/6/10]
http://www.youtube.com/watch?v=Lda-GIlxcx0
※チャンネル桜のダイジェスト版。