ベトナム:労働者の権利を求める女性運動家の解放は明るいニュース、しかしまだ多くの活動家が投獄中(アムネステイ) : ベトナム革新党

ベトナム:労働者の権利を求める女性運動家の解放は明るいニュース、しかしまだ多くの活動家が投獄中
アムネスティ・インターナショナル 2014年6月30日

ベトナム人女性労働運動家で、良心の囚人であったドゥ・ティ・ミン・ハンが、早期に釈放されたことは、ベトナムにとって前向きな一歩ではあるが、当局は引き続き、いまだ収監されたままの大勢の平和的な活動家を釈放していくべきだ、とアムネスティ・インターナショナルが報じた。

ハン(28歳)は、ベトナム当局により6月26日に釈放、昨日帰宅した。彼女は以前にも労働者を支援し賃金と労働条件の向上を求めるビラを配ったため、「国家に対するプロパガンダを行った」罪で2010年までの7年間投獄された経験を持つ。

「もちろんドゥ・ティ・ミン・ハンの釈放は喜ばしいが、もともと投獄されるべきものではなかった。ビラを配って7年服役という判決自体が荒唐無稽であり、政府批判に対してベトナム当局が長期的に行ってきた弾圧が生み出した悲劇だ」、とアムネスティ・インターナショナルアジア太平洋副支部長、ルパート・アボットは指摘する。

「平和的に人権を行使しただけで投獄されている全員を、ベトナム当局は引き続き即時かつ無条件に釈放しなければならない」

ハンは刑務所内で過酷な条件下におかれ、何度も囚人から殴られたが、看守はあからさまに暴力を止めさせる対策を取ろうとしなかった。さらに適切な医療措置も受けられず、現在は体調不良と伝えられている。

ここ数ヶ月の間に、数人の良心の囚人が釈放されている。法律家のクー・フイ・ハ・ヴュ、民主化活動家でブロガーのグエン・ティエン・チュン、作家のビ・デュク・ホイ、釈放後まもなく死亡した教師のディン・ダン・ディンらもそうだ。

ベトナム当局は変わらず法律や政令を利用して表現の自由を犯罪としており、近年は政府批判に厳しい圧力をかけている。アムネスティ・インターナショナルは、ベトナム国内に大勢の良心の囚人が投獄されていることを、2013年の報告にて記している。

ハン以外にも、少なくとも4人の女性が現在「国家に対するプロパガンダを行った」という、政府が平和的な活動家を罰するために使う曖昧な言い回しの「違法行為」で投獄されている。

そのうちの2人が、2011年12月に5年の刑を宣告された平和的な活動家ホー・ティ・ビック・ケオンや、ベトナム・自由ジャーナリストクラブの創設メンバーであり2012年9月に10年の刑を宣告されたタ・フォン・タンだ。ケオンの家族によれば、刑務所内で他の囚人から暴力を受けており、その怪我の治療も受けていないと言う。タ・フォン・タンの母親は、娘への措置に絶望し2012年7月に焼身自殺している。

残る2人の女性、カトリック社会活動家グエン・ダン・ミン・マンと、ホアハオ仏教徒【ベトナムの仏教系新興宗教】であり土地に対する権利活動家のトラン・タン・トゥイも、それぞれ政府「転覆」を謀ったとして有罪判決を受け、長期間の懲役刑に服している。2人とも、海外に拠点を置くベトタン【ベトナム革新党】という名の、ベトナムの民主主義を目指して運動するグループに関与したとされている。

「ベトナム政府は、平和的な反対活動を罰するために利用し続けている苛酷な法律を廃止すべきだ」と、ルパート・アボットは言う。

「それが実現し、意見表明で投獄されたすべての人が解放されて初めて、ベトナムは東南アジアで最も表現の自由が守られていない国という汚名返上の一歩となる」


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