毎日新聞 2014年08月19日 20時29分
【上海・隅俊之】米政府系の自由アジア放送(RFA)などによると、中国四川省カンゼ・チベット族自治州の村で12日、当局への抗議デモをしていた100人以上のチベット族に治安当局が実弾などを発砲し、10人以上が負傷した。負傷者らは拘束されたが、中には銃弾が体内に残ったままの人もおり、住民らは治療を受けられていないと訴えている。
報道によると、11日に漢族の役人が村を視察した際、踊りなどを披露したチベット族の女性に役人が嫌がらせをした。チベット族の村長がこれに抗議したところ、警察当局が村長を拘束。住民らは12日に釈放を求めて抗議したが、治安当局は催涙弾や実弾を発砲して鎮圧したという。
当局は多数のチベット族を拘束したが、負傷したチベット族1人が17日に抗議して自殺したほか、重傷だった22歳の男性も死亡した。村長の息子も被弾して拘束されたが、約1週間が過ぎても収監されたままだという。
四川省や青海省などのチベット族が暮らす地域では2009年以降、中国政府によるチベット政策に抗議し、120人以上が焼身自殺を図っている。
中国四川省:抗議デモのチベット族に治安当局が発砲 : 毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20140820k0000m030072000c.html