南モンゴルで工場排水によって希少鳥類が大量死、南モンゴルの砂漠に汚染水を排水したかどうか工場が調査を受ける : 南モンゴル人権情報センター

南モンゴルで工場排水によって希少鳥類が大量死 : 南モンゴル人権情報センター
http://www.smhric.org/Japanese_200.htm
2014年9月12日 CriEnglish.com

 『北京タイムズ』によると、内モンゴル自治区のオルドス市ウーシン(烏審)旗ウーシンジョー(烏審召)の牧草地で、工場による汚染で大量の鳥が死んだという。地元牧民によると、10年前に工業団地が建設され、地下に埋められた太いパイプを通じてチャガーンノール湖に直接排水しているという。

 誰も近づけないために工業団地では日中、排水口へアクセスする2つの道路に監視員を置いている。ところが、夜間は監視がないため、多くの牧民が湖への排水を目撃している。牧民によると、水の悪臭は相当ひどいらしい。

 7月、同地域で鳥が大量に死んでいるのが発見され、その多くは国家レベルで保護されている希少種の鳥であった。複数の牧民は、政府が人を派遣してあちこちから死んだ鳥を集め埋めていると言っている。

 牧民のブルグドは、自然環境がこの数年で非常に悪化していると語っている。多くの野鳥と植物が見られなくなり、地下水位も低下した。地元住民は水を得るために200メートルも井戸を掘らなければならなくなった。

 ウーシンジョーのひどい汚染は広大な南モンゴルにおいて唯一のケースではない。数日前、同じく『北京タイムズ』がテンゲル砂漠(アルシャー・アイマグ)における汚水だまりについて報じた。工場が未処理の排水を砂漠に垂れ流しており、それが大きな水たまりをつくっているという。地下水の過剰利用がこの地域の生態系にダメージを与えている。

 中国環境保護部(省)で環境評価を担当する牟広豊氏は、砂漠の地下水は数億年かけて形成されたもので、一度汚染されると元に戻す方法はないと語っている。


南モンゴルの砂漠に汚染水を排水したかどうか工場が調査を受ける : 南モンゴル人権情報センター
http://www.smhric.org/jap_199.htm
2014年9月16日 サウス・チャイナ・モーニング・ポスト

 テンゲル砂漠南部への産廃の違法投棄が再発したという報告を内モンゴル政府当局が現在調査中である。

 専門家は汚染が地下水源に永続的なダメージを与えたのではないかと懸念している。

 『新京報』紙は、工業団地と地元アルシャー・アイマグ(阿拉善盟)が調査していたとテンゲル工業団地の職員のインタビューを引用して伝えた。週末の記事によると、テンゲル工業団地にある化学技術工場が砂漠に汚染水を放出していたという。

 2012年に起きた同様のケースについて国営テレビが報道し、地元当局が15か所の工場を閉鎖したが、当局の監督不行き届きのため問題の再発を許してしまったと陳という職員が同新聞社に語った。

 2年前、主要メディアがこのスキャンダルを報道したにもかかわらず、『新京報』の特派員の取材時には、砂漠に汚染水だまりが複数できており、それぞれはサッカーフィールドよりも大きかったという。汚染水だまりを工場につなぐパイプの区画が見える一方で、その他は砂で覆われていたと同紙は報道した。

 インクのように真っ黒な汚染水には刺激臭があり、地元住民は取材に対して、住民が汚染水に近づかないよう工場は警備員を多数雇っていると付け加えた。

 また、工場は汚染水だまりが乾燥すると産廃を砂に埋めていると、住民は同紙に語った。

 内モンゴル師範大学の環境学の劉書潤教授は、工場からの排水が地下水に永続的なダメージをもたらすかも知れないと新聞社に語った。

 影響を受けた地域には豊かな地下水源があったと教授は語っている。「もし地下水が汚染されるようなことがあれば、取り返しがつかないことになる」

 地元の地下水位はこの数年間で40メートル以上下がったと地元住民は主張している。

 国土資源部(省)は先月、3年後に全土の地下水質をモニターする新しいネットワークを立ち上げ、既存の基準を改訂する草案を作成したと発表した。

 この記事は『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』に「工場が汚染水を砂漠に捨てている」という見出しで掲載された。

(原文)http://www.smhric.org/news_541.htm

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