ラジオフリーアジア
2015年4月30日
ワシントン
モンゴル人活動家のハダ(60)とその息子が病気治療で海外に渡航するためパスポートを申請したが、内モンゴル当局から拒否されたと、木曜日にハダがラジオ・フリーアジア(RFA)に語った。
ハダは「国家分裂」「スパイ活動」で15年間服役した後、4年間の非合法拘留を経て去る12月に釈放されたが、服役中に多くの病気を患っている。
ハダは全身のアテローム硬化症と肝臓病にかかっており、それは刑務所で長年肉体的に虐待を受けた結果であると本人は語っている。そして、パスポート申請が拒否されたとフフホトにある自宅に正式に連絡があったとハダが木曜日に語った。
「私は重い病気にかかっています。外国で治療を受けることを望んでいますが、植民地当局は私にパスポートを発給してくれません」とハダがRFAに語った。「これは国内法、国際法どちらにも違反しています」。
「私はパスポートの問題が解決されるよう国連に緊急支援を要請しました。それによって外国で治療が受けられるのです」とハダは語っている。
ハダは「国家分裂」「スパイ活動」の罪で15年間服役した後、フフホトの金叶生態公園にある非合法の拘留センターで4年間過ごし、昨年11月警察管轄のアパートに移された。
警察は、外国人記者のインタビューに答えるのをやめて、自分への処遇について当局を訴えないと約束するなら、収入と住居だけは確保してやるとハダに伝えている。しかしながら、ハダは拒否した。
息子は中国に圧力をかけるよう要請している
息子のウイレスは国際社会に対し、中国政府に圧力をかけて人道的見地から父親にパスポートを発給するよう要請している。
ハダのパスポートは「中華人民共和国パスポート法」7条13項に基づいて拒否されたという。同項は、パスポートは「その出国が国家の安全保障を脅かすか、国益に重大な損失をもたらす」と国務院の管轄部署が判断すれば、拒否される場合があると定めている。
ハダは木曜日、国連人権委員会および国連拷問禁止委員会に公開書簡を送り、中国共産党による彼への処遇を強く非難している。
「植民地当局は、もし私が十分に食べ、治療を受けたいなら自分の意見を捨てろと強要し続けています」とハダは書いている。
「選択の余地がなく、私は外国で治療を受けようと考えたのですが、パスポートの発給が拒否されました」
「私たちは一般の市民で、パスポートの発給は私たちの権利です」
「当局は息子にもパスポートを発給しません。息子は私に関連づけられて有罪にされています。この無法で恣意的ふるまいは文化大革命時の犯罪行為と全く違いがありません」とハダは書いています。
ホームレスへの恐怖
海外のモンゴル人はハダを支援するためオンラインで基金を立ち上げた。ハダが刑務所での処遇について発言し続けるなら、ホームレスになるおそれがある。ハダは刑務所で拷問され、何か月も続けて独房で拘束された。
日本在住のモンゴル人ティエ・ムルンはハダがパスポートの発給を拒否されたと聞いて怒り心頭だと話した。
「私は中国政府による市民権を踏みにじる行為に強い抗議を表明します」と語った。
「当局はハダを拘束し続け、彼を分離主義その他の罪で19年間も拘束したのです。19年間でハダは心身のひどい迫害に苦しみました」とティエは語った。
「ハダと同じ状況であれば誰もが医療支援を受けるため出国するのは当然のことです」「当局は人道的な用件を考慮すべきである」とティエは言った。
中国の人権侵害について国連に働きかけをする活動家は「行方不明」になり、拘束され、起訴されると人権団体は語る。
他の収容者や管理官による虐待は、国の司法や法制の実施システム全般に広がっていると人権団体は国連に語っている。
中国は1988年、国連の拷問等禁止条約を批准した一方で、裁判所、刑務所、あるいは警察勾留センターにおいてそれを十分に実施していない状況で、病気治療を受けさせない行為は、頻繁に見られるネグレクトによる虐待であると人権団体が語っている。
2014年3月、活動家のツァオ・シュンリは、家族と弁護士が治療のための保釈を要求したが拒否され、5か月以上に及ぶ警察拘束中に病気治療を拒否され死亡に至った。
取材:Qiao Long (RFA漢語放送)
英訳:Luisetta Mudie.
http://www.rfa.org/english/news/china/china-hada-04302015104152.html#.VUOkDV8l1Rg.facebook
中国政府、モンゴル人活動家の治療のためのパスポート発給を拒否 : 南モンゴル人権情報センター
http://www.smhric.org/Japanese_215.htm