モンゴル人反体制活動家の息子が「公務執行妨害」で逮捕され拘束 : 南モンゴル人権情報センター

SMHRIC
2015年10月16日
ニューヨーク

2015年10月15日、モンゴル人反体制活動家で19年間収監されたハダの息子ウイレスが南(内)モンゴル西部ボガト(包頭)市で警官に出血するまで暴行され逮捕された。数日後、ウイレスは「公務執行妨害」の罪で10日間拘留されることになった。

ウイレスの母シンナが南モンゴル人権情報センター(SMHRIC)に語ったところでは、10月15日朝、シンナとその母ハンショーラン、ウイレスの3人はハンショーランの自宅付近を散歩しながら話していた。公安職員が彼らの近くに付きまとい会話を聞いていた。

「私は付いて来ないよう公安に言いました。公安はそれを拒否するばかりか私たちをののしり始めたのです」と、シンナはSMHRICにボイスメッセージで伝えてきた。

「息子のウイレスも付いて来ないよう公安に言ったのですが、その公安は息子に暴行を加え始めたのです」。
シンナは現場の状況を伝えてくれた。「ウイレスは暴行に抵抗して自分を守ろうとしました。ただ、公安職員はプロの訓練を受けており体格も良く、息子の両手・両肘から血が出るまで暴行を加えました」。

シンナは、息子を暴行から守って、口論中に地面に落ちて割れた息子のサングラスを拾おうとした時、自分も暴力を受けたと語った。

「しばらくするとボガト市青山区警察庁のパトカーが現場に到着し、息子を強制連行しました」と、シンナはSMHRICに語った。

通知書は2つとも青山区警察庁から出されたもので、警察庁は「中華人民共和国公安当局刑罰法」第50条に従いウイレスを召喚・拘束したことを述べている。

拘留期間は10月15日から10日間である。シンナに送られた「通知書」によれば、ウイレスは現在ボガト市第一拘留センターに拘留中である。

「これは約20年前から始まった私たち家族に対する継続的な嫌がらせ・迫害です。夫のハダが南モンゴル人の権利を守ろうとして逮捕され収監された時からです」と、シンナは中国当局による地域に対する高圧的な政策を強く批判した。

南モンゴル首府のフフホトで、ハダは息子に対する当局のひどい扱いと勝手な拘留に抗議している。

「私は今日、自治区共産党委員会と自治区警察庁に行き、息子を即時釈放するよう要求して来ました」と、ハダはSMHRICに文書知らせてきた。

「警官は息子を拘留する前に暴行し負傷させました。妻も暴行されました。私は当局に即刻、無条件で息子を釈放するよう要求しています。正義に対する犯罪に関与した警官について公表するよう要求しています」と、ハダは「19年間不法に収監されたウイレスの父親」という名で伝えてきた。

ハダは1995年、逮捕され「国家分離およびスパイ関与罪」で15年の禁固刑判決を受けた。2010年12月10日に刑期を終えたが、中国当局はハダを釈放しないばかりか、フフホト郊外の秘密刑務所でさらに4年間非合法に拘留した。

 妻のシンナは2010年12月4日、「非合法ビジネスに関与した」というでっちあげで逮捕された。それは彼女のモンゴル語書籍を販売する書店のことを言っている。2012年4月、シンナは同じ罪により執行猶予5年禁固刑3年の判決を受けた。

ウイレスは2010年12月5日、「麻薬の不法所持」で逮捕された。1年ほど拘留されて釈放されたが、自宅軟禁となった。


※写真は南モンゴル人権情報センターのサイトでご覧ください。

モンゴル人反体制活動家の息子が「公務執行妨害」で逮捕され拘束 : 南モンゴル人権情報センター
http://www.smhric.org/Japanese_225.htm

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