グルジャ抵抗運動”19周年記念講演会
『“中共中央七号文件”と“2・5グルジャ虐殺”』
1997年2月5日から6日まで起きた“グルジャ抵抗運動”とこの運動を武力で弾圧した“2・5グルジャ虐殺”(“グルジャ事件”)は今年で19周年になります。
グルジャのウイグル人によるこの抵抗運動は、グルジャで展開されていた民間娯楽活動“マシュラップ”に関する当局の禁止措置に関連して起きたものです。
1996年3月チャイナ共産党中央は北京で秘密に“新疆工作会議”を開き、ウイグル人に対する政策を根本的に変え、“新疆における脅威は民族分裂主義と非合法宗教活動に由来するものである”と決め、共産党高級幹部だけに秘密文書“中共中央七号文件”を通達しました。
この秘密文書を受け、チャイナ共産党“新疆”当局はウイグル人全体に対する締め付けを一気に強化しました。
ウイグル社会におけるマシュラップとは、一般的な意味として、音楽の演奏やウイグル式落語“チャクチャク”などの演劇を中心とする集落やコミュニティーが集う文化活動です。
1994年グルジャ(伊宁)市や、その周りの村のウイグル人はマシュラップの伝統的形式を復活させ、ウイグル社会で起きていた様々な歪んだ現象の矯正も視野に入れて、頻繁にマシュラップの活動を展開していました。
1996年3月以降、“中共中央七号文件”の決定に従い、チャイナ共産党“新疆”当局はウイグル全土で厳打(厳しく取締る)キャンペーンを行い、ウイグル人の宗教活動も含む様々な社会活動に対する干渉を強め、各地で社会的に影響力の大きい、当局が危険と決めつけた人物や宗教指導者を逮捕するようになりました。この“厳打”キャンペーンはグルジャ市でも、イスラム聖典“クルアーン”を私的に教える指導講師などの所謂“不法宗教活動”を確実に取締り、逮捕の嵐の中で多くの人々が投獄されました。マシュラップ運動も監視対象になり、そのリーダーの何人かが拘束されると同時に、マシュラップ運動の重要な内容の一つになっていたサッカートーナメントも阻害され、多くの試合が禁止され始めました。
1997年はじめ、ラマダン(断食月)期間中、二人のウイグル人宗教学生(talip)が警察に逮捕され、これを原因とした衝突が発生し、何十人かの逮捕につながりました。この一連の逮捕はウイグル人社会の怒りを買い、2月5日には千人を越す人々が、前夜の逮捕者の釈放のためにデモを行ないました。その多くはチャイナ当局の武力による弾圧に遭い、殺害され、また逮捕されました。抵抗運動は翌日以降も続き、さらに鎮圧も続きました。
2月5日、6日の民衆デモに対し、対暴動警察と軍隊がデモ隊だけでなくウイグル人の傍観者にも犬、催涙ガス、放水を用い、殴打し、さらに実弾発砲を行なって、百数十名のウイグル人を殺害し、デモ参加者の殆どを逮捕しました。逮捕された人々はグルジャ市内のスポーツスタジアムに集められ、氷点下20℃の厳寒で裸にされて消防車で放水され、凍死させられたり、凍傷を負わされたと言われています。
その後、当局はグルジャ市を2週間にわたって封鎖し、数千人を逮捕しました。
グルジャ抵抗運動が血生臭く鎮圧されてからも、運動に関わったとされる人々の裁判、公開処刑、刑罰は何年も続きました。
今回の講演会では、トゥール ムハメットを講師として、19年前の“グルジャ抵抗運動”の経緯、チャイナ共産党中央の“中共中央七号文件”の内容と背景、そして凄まじい“2・5グルジャ虐殺”の真相について詳しく報告します。
ウイグル人権問題に関心のある多くの方々のご参加をお願い申し上げます。
主催:日本ウイグル連盟
共催:世界ウイグル会議日本代表部、世界ウイグル会議を支援する日本人の会
講師:トゥール ムハメット (世界ウイグル会議日本全権代表、日本ウイグル連盟会長)
時間:2016年2月7日(日曜日) 18:30~20:30
場所:新宿多文化共生プラザ
〒160-0021
新宿区歌舞伎町2-44-1 ハイジア11F
連絡:日本ウイグル連盟 Tel 03-5840-6460 E-mail: rare.metal09@gmail.com
グルジャ抵抗運動”19周年記念講演会 : 日本ウイグル連盟
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