19の人権団体、ベトナムにおける人権問題の提起をオバマに求める : ベトタン ベトナム革新党

19の人権団体、ベトナムにおける人権問題の提起をオバマに求める
Viet Tanを含む19の人権団体は、ベトナム政府による継続的な人権侵害行為に対する懸念を、次回のベトナム訪問時に提起するように求める手紙を米バラク・オバマ大統領に宛てて送った。


2016年4月25日
バラク・オバマ大統領
The White House
1600 Pennsylvania Avenue
Washington, D.C. 20500

バラク・オバマ大統領 殿

我々は、ベトナムにおける市民の基本的人権の継続的な弾圧に対する共通の懸念に基づいて集結した、多数の国家の人権団体を代表する者です。貴殿のベトナム訪問に先立ち、基本的権利、国際法、人権の尊重に関して我々がベトナム政府に対して抱いている大きな懸念をここで表明し、問題を提起させていただきたいと思います。

向こう数カ月間のうちに米議会は環太平洋経済連携協定(TPP)を批准し、ベトナムは米国の貿易相手国としての完全な地位を得ることになるでしょう。ベトナム政府が、TPPに盛り込まれている人権基準へのコミットメントを確実なものとするために、今すぐに行動を起こすことの重要性を認識していることは間違いありません。

とりわけ懸念されるのは、言論、信念、平穏な集会・結社に関する基本的権利を行使する穏健な活動家や反体制派が禁固刑に処せられているということです。ベトナムでは、宗教指導者、労働権利活動家、ブロガー、弁護士、ならびに人権擁護者が、国際法で認められている正当な法的保護を受けることなく、恣意的に拘留・起訴されています。

その一例として、国際社会から繰り返し非難を受けているDoan Huy Chuong とNguyen Hoang Quoc Hungのケースを挙げることができます。2010 年2月、製靴工場の穏健な労働組合員にすぎなかった2人の労働運動家は(2014年に健康上に理由で釈放されたDo Thi Minh Hanhとともに)拘留されました。公判前の拘留期間は8ヶ月近くに及び、不公正な裁判に苦しめられた後、2人は国家の安全を脅かしたという漠然とした理由により有罪を宣告され、それぞれ7年と9年の懲役判決を言い渡されました。2012年11月14日、国連人権理事会・恣意的拘禁に関する作業部会(UNWGAD)はChuong氏とHung氏の拘留が恣意的なものであったことを確認したうえで、2人の釈放を求めました。しかしベトナム政府は、これらの穏健な労働運動家は違法グループ(独立した組合)のメンバーであるため、懲役刑は正当であるとしてUNWGADに反論しました。UNWGADが彼らの釈放を求める決定を行ってから3年半が経過した今も彼らは不当な禁固刑に服しています。よってベトナムがTPPの一環として独立した組合の結成が合法的であることを認めたとしても、遅きに失する感はぬぐえません。

また、ベトナムの著名な民主改革提唱者であり、ローマカトリックの聖職者でもあるFather Nguyen Van Lyの長期にわたる収監も、国際社会による非難の対象となっています。Father Ly は過去15年間のうち、13年間も監獄生活を強いられてきました。直近の2007年の逮捕は、次回の選挙のボイコットを企てるという「国家の安全を脅かす非常に重大な犯罪」を犯したという理由によるものでした。Father Lyは8年間の禁固刑を宣告され、2010年にUNWGADが釈放を求めたにもかかわらず、まだ釈放されていません。

主に私服警備員による人権運動家への身体的暴行も珍しくありません。2015年12月6日、ベトナムの著名な人権派弁護士であるNguyen Van Daiは、憲法上の権利と基本的人権に関する話をした後、約20人の襲撃者から暴行を受けました。彼は10日後の2015年12月16日に逮捕され、その後間もなく「国家を非難する宣伝活動を行なった」という理由で告訴されました。裁判は何度も延期され、Dai氏は公判前拘留の名目で4年以上軟禁生活を強いられています。

残念ながらTPPの一環として合意が成立しても、ベトナム政府の個人に対する言論弾圧が終わる気配はありません。とりわけ動揺したのは、3月の最後の週に、合計7人のブロガーと人権活動家がベトナム政府によって7ヶ月~5年間の禁固刑を宣告されたことです。刑の対象者はブロガーのNguyen Huu Vinhとその同僚のNguyen Thi Minh Thuy、反腐敗運動家のDinh Tat Thang、ブロガーのNguyen Dinh Ngoc、ならびに土地問題活動家のNgo Thi Minh Uoc、Nguyen Thi Be Hai、Nguyen Thi Triです。

ベトナム当局者による人権侵害の問題を提起するというコミットメントを米国が公表したこと、とりわけ、米国は「平和的な見解を表明した者の逮捕/起訴を正当化するための特定の法律の改正をベトナム政府に求め続ける」というケリー国務長官の最近の発言には感謝しております。ベトナムを訪問される前と、訪問された際には、ベトナム政府に対して、基本的人権の平和的な提唱を許可することを拒否し続けることにより米国とベトナムの関係の進展が妨げられること、TPPへの加盟を認められる可能性が低くなることを力説してください。また、言論、結社、平和的な集会の自由を否定する法律と行政命令をすべて廃止し、基本的人権を保護するための法律を成文化・制定するように要請してください。

政治犯の釈放はベトナムがこれらの人権目標の達成に向けて真剣に取り組もうとしていることを実証するための重要なステップとなるでしょう。したがって、収監されている活動家の釈放、市民社会団体に対する嫌がらせの廃止、国際法の尊重など人権問題の有意義な改善がみられなければ、基本的に米国とベトナムの関係の進展はないということを非公式および公式に表明するために、次回のベトナム訪問の機会を利用されることを切に希望します。

敬具
Advisory Committee on Religious Freedom for Vietnam
Boat People SOS
Christian Solidarity Worldwide, UK
Coalition for a Free and Democratic Vietnam
Freedom House
Freedom Now
Human Rights Foundation
Human Rights Watch
Lawyers for Lawyers
Lawyers Rights Watch Canada
Montagnard Human Rights Organization
PEN American Center
PEN Centre Suisse Romand
PEN International
Rallying For Democracy
Reporters Without Borders USA
Vietnam Human Rights Network
Vietnam for Progress
Viet Tan

http://www.viettan.org/19-Rights-Organisations-Urge-Obama.html


19の人権団体、ベトナムにおける人権問題の提起をオバマに求める : ベトタン ベトナム革新党
http://viettan.sakura.ne.jp/?p=168

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