新型コロナウイルスのため協議会主催講演会が開催できない中、チベット仏教僧侶 ラマ・ウゲンさんとペマ・ギャルポ会長のお話を無観客にて収録したものです。
どうぞご覧ください。
ラマ・ウゲン氏の報告について、要点を簡単に説明しておきます。
学んだ寺院が、その半分はブルドーザーで壊され、そこで修行に励んでいた僧侶や尼僧の多くが追い出されている現状でした。尼僧の中には自殺したものもいるという話です。この寺院は、観光用に残すために完全な破壊はされないでしょうが、既に信仰の場ではなく、共産党の指導者を讃えることが強制されています。
また、チベット人全員は監視体制に置かれ、パスポートはほぼ取り上げられると共に、村から村へ移ることにも許可証が必要、数名が集まって立ち話をすることも禁じられています。これは、現在の感染症が広がってからの処置ではなく、もちろん昨年から、もっと言えば習近平体制以後のことです。
寺院でも習近平や毛沢東など、中国の共産主義者をあがめることが強制され、僧侶には禁じられている肉食を強制されています。チベット民衆も、共産党を讃える歌やスローガンを日々強制されています。共産党の命令に従わないものには暴力や拷問が加えられています(ラマ・ウゲンはその具体的な拷問方法についても語っています)。
チベットの子供たちも、事実上学校の中に閉じ込められ、そこでは中国語だけが教えられ、チベットの民族意識をなくすような洗脳教育がされます。今起きているのはウイグル同様の、民族絶滅政策です。
ラマ・ウゲン氏は、中国がいつかこのような姿勢を変えるだろう、平和的な国になるだろうというのは全くの幻想だ、なぜなら、ただ日々祈ることしか考えず、最も平和的な生活をしている僧侶たちをこのように迫害し、抵抗すれば殺してしまうような中国政府が良い方向に変わるなどはあり得ないと強調しました。
また、現在のコロナ感染症について、チベットでは中国人は治療の対象となってもチベット人は後回しにされているとラマ・ウゲンもぺマ会長も語っており、おそらくこれは全土で同じではないかと思われます。各民族に対する平等な治療や検査が行われているとはとても思えず、そのような中国政府の報告を簡単に信じるわけにはいきません。
ラマ・ウゲン氏は、チベットに親族も残しており、このような証言をすることは極めて危険なことです。しかし、このまま黙っていては、自分の民族も、信仰も守れなくなってしまう、という決意からこのようにカメラの前で語りました。どうか皆さん、この動画をご覧になり、人々に紹介いただければありがたいです。(文責:三浦)