【第40回・動画あり】アジア自由民主連帯協議会講演会 「中国民主化運動の現在と展望」 報告(2)アラン氏

「中国民主化運動の現在と展望」と題した7月25日講演会の様子(後半)です。香港のアラン氏が登壇しました。

アジア自由民主連帯協議会講演会
中国民主化運動の現在と展望 報告(2)アラン氏

王戴氏の講演に続き、香港のアラン・チョウ氏が登壇しました。アラン氏は、香港の独立を目指す運動家として、まず、香港は、中国大陸とは異なる独自の文化、言語、そして何よりも独裁体制を絶対に受け入れないという政治姿勢を持っていることを大前提として指摘し、なぜ独立を目指すかを説明しました。

第一に、1997年7月1日の香港主権移譲(香港の主権がイギリスから中国へ返還、移譲された)は、中国、イギリス両政府の間で決定されたものであって香港市民が望んだものではない。そして、これによって香港は、イギリスの植民地から、中国というより悪しき独裁国の事実上の植民地になってしまったとアラン氏はまず指摘しました。

第二に、97年以後、中国はその独裁体制を香港にも及ぼそうとしてきた、それに対抗して起きた2014年の雨傘革命の失敗は、逆に、一国二制度という形で中国の支配を受けながら香港の自由民主主義を守ることは事実上不可能であることを明確にした。これによって、2015年から、中国の支配下を完全に脱しようとする香港独立派の運動が始まったとアラン氏は述べました。

しかし、その独立派の運動は徹底的な弾圧を受け、違法組織として政党も作れないし立候補もできない。100万人はいるはずの独立を支持する市民の声を政治に届けることもできない状態にある。しかし、2017年から起きた今回の「時代革命」の運動は、中国の植民地から脱することが香港独立が唯一の道であることをますます明らかにしている、特に、今回、中国政府が香港国家安全維持法を定めた以上、もはや独立に突き進む以外の選択肢はないとアラン氏は述べました。

その上で、香港が独立することは、中国大陸との完全な決別を意味するわけではない。現在香港に来ている大陸からの移民は、公共の場でのモラルもルールも守らない人が多く、そのような不法移民は拒否するが、自由と民主主義、法治の原則を尊重し香港の法律に従う移民は受け入れる。独立したら香港経済は苦しくなるという人もいるがむしろ逆で、中国政府からの搾取も圧力もなくなり、自由な香港でより国際ルールに従った貿易が行われればはるかに経済的に発展するはずだ。そうなってこそ、逆に香港は大陸に対する国際社会への窓口ともなるとアラン氏は指摘し、独立にはメリットの方がはるかに多いと分析しました。

最後にアラン氏は、自由、民主主義、民族自決を実現し、独裁権力と闘うのは人類の普遍的な価値観である、自分たちは民主化運動とも、また、チベット、モンゴル、ウイグルなどの各民族の民族自決を目指す運動とも積極的に連帯していきたいと述べ、日本社会も私たちと共に独裁権力と闘ってほしいと呼びかけました。

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