【講演会報告】香港独立派・アラン氏発言全文掲載

7月25日アジア自由民主連帯協議会主催講演会におけるアラン氏の講演全文です。
香港独立派の一つの意見としてぜひお読みください


最近日本やファイブアイズ同盟国をはじめ、多くの国では香港からの政治難民の受け入れについて議論されている。香港人の間でも、外国に移住した場合、どんな職業に就くか、どんな投資を行い生計を立てるかという話題が流行っている。このように仕事に真剣に取り組もうとしている管理されやすい人種たちが、いかに数年間で中国共産党という独裁政権による侵略行動に立ち向かうようになり、独立という道を掲げるようになったのでしょうか?

日中戦争と中国国内の内戦から逃れるべく、およそ300万人の人々が英領であった香港に亡命した。こういった人々が共産党による統治を恐れ、香港で安定的な生活基盤を整えながらいつか中国に戻るという僅かな希望を持っていたが、中国本土の「政治改革」、大躍進政策、文化大革命による政治混乱で中国に失望し、香港に留まり自分のルーツを植え付けた。テレビ、音楽、映画、いわゆる香港を代表する「香港文化」もこうした背景で誕生し、ブルースリー、テレサテン、ジャッキーチェン、アグネスチャンなどの「ビッグスター」も登場した。香港の独特な文化、言語と共産党という独裁政権に対する抵抗意識が、これで香港民族という意識の基盤となった。

1997年香港の主権譲渡、いわゆる「香港返還」は終始、香港市民の民意に基づくものではなく、1960年に国連で可決された「植民地独立付与宣言」に違反している。1997年の香港は結局、英国の植民地から中国共産党の植民地に切り替わっただけであった。

97年の主権譲渡後、共産党による文化侵略、教育言語政策が我々の言語を滅ぼそうとしている。クイーンズピア、スターフェリーピアなど市民に親しまれてきた英領時代の建造物も次々と取り壊され、国民教育によって我々の共同記憶は払拭されようとしている。

2014年雨傘運動が失敗に終わり、「一国二制度」と言う名の下に真の民主を手に入れることができないと気付かされた。「香港民族」と「運命の自決」なども話題となり議論されるようになった。2015年から、「独立」と「香港本土優先」と主張する与党の成立が相次ぎ、史上初の「香港独立集会」も行われたが、当時の香港植民地政権の行政長官梁振英氏に目を付けられ、激しく譴責されていた。

香港本土派」と「香港独立派」が政治に関わり、議会議員選に立候補する資格が、植民地傀儡政権によって剥奪され、「香港の独立に賛成する」100万人の香港住民の声も終始議会に届くことはなかった。2017〜 18年は「香港本土派」と「香港独立派」にとっては暗黒時期であり、路頭での宣伝しか許可されず、最終的に政権側に違法組織として決め付けられ、取り締まる対象組織となってしまった。

去年の7月21日、「香港を取り戻せ、時代の革命だ」といるスローガンがようやく、香港事務に露骨な干渉を行ってきた中国の出先機関「中連弁」の外で声高に叫ばれるようになり、引渡し条例反対デモの主流スローガンとなった。

この革命を通じ、我々はこの植民地政権の暗闇を暴くことができ、香港独立こそ唯一の出口なのではないかと沢山の人に問いかけた。最近国安法の成立は、正式に香港の国民、外国の政治家とメディアに「一国二制度」の終焉を告げることとなった。中国共産党は法治社会を堂々と破壊し、人口浄化などの人道に対する罪を犯した。こうした背景が香港の人々に民主と人権を手にするには独立という道に突き進むしかないと気付かせ、香港の民主化運動を後押しした。

【香港の独立は、中国との対立を意味するのでしょうか?】
香港主権譲渡の目的は、香港を中国と国際社会を繋ぐ窓口にし、民主、自由など普遍的価値を中国に導入し真の改革開放を実現させることであると、元中国共産党最高指導者鄧小平氏は述べました。
我々は、国と国が永遠にいがみ合い、交流を断絶することはないと考えています。
今我々が抵抗しているのは、中国共産党による植民地と独裁統治手段です。中国の独裁政治による統治に徹底的に抵抗し、香港の独立や民族自決などを手に入れることこそが我々の目的です。もし中国が将来的に民主化を進め、自由かつ普遍的価値で成り立つ国になることがあれば、中国と貿易や文化的交流なども考えられるでしょう。

【中国という多民族国家の一部になればいいのでは?なぜ独立にこだわりますか?】
中国共産党統治下の「多民族国家」というのは、文化侵略、歴史改ざん、いわゆる民族浄化の手段によって少数民族を統治し、中国化にすることです。この状況に置かれた香港は、独立国家を目指し、香港独自の文化、言語を保存する他ありません。
主権譲渡後、中国共産党による植民統治に置かれた香港では、中国人はほぼ審査なしで香港に移住し、香港人と同様な福祉を享受することができるため、香港現地住民との矛盾や衝突が日々激化しています。例えば月間家賃10,000円ほどの公営住宅ですが、香港の低所得者が公営住宅に入居するには平均で7年以上待たないといけないのに対し、中国からの移民だと香港に来て中国本土の資産を隠しながら2、3年待てば入居できます。さらに香港医療機関の質の高いサービスを目当てにする中国人は、香港の公立病院に駆け込み、香港人向けの医療サービスを使用しています。その結果一般の患者さんが公立病院でCT検査を受けるには2年以上、MRI検査を受けるには20ヵ月以上待たないといけなくなります。中国人による「駆け込み入院」需要により、香港の公的医療機関は医療崩壊の寸前まで追い詰められています。

香港の福祉を享受すると同時に、中国からの移民は香港の文化を受け入れようとせず、迷惑行為をし続けてきました。たとえば屋外排泄、ゴミの不法投棄、自然保護区と定められた海岸での潮干狩りなどの例が挙げられます。これは中国共産党自身が、自国民の教育を怠ることにより、中国人がいかに香港の文化、世界の文化への認知度が欠如していることを証明しています。

違う価値観を持つ香港人と中国人が同じ領土で平和に暮らすことが不可能だとこれにより証明されました。前述の問題を解決するには、香港が独立し、地位が対等かつ全く異なる国家になるしかありません。どの国の移民政策でも、申請者の年収、学歴、財産など様々な客観的な条件を考慮し、民主、自由、人権、法治社会などの自国の価値観との適合性を審査した上で、移住申請を許可するものです。香港は現植民地政権の下ではそれを実現させることはもはや不可能です。独立こそが、唯一の手段です。

【中国共産党を支持する人であれば、香港に移住できないということですか?】
香港はそもそも多民族社会であり、香港の価値観に賛成し、受け入れようとする人間であれば我々も歓迎します。今回の逃亡犯条例反対デモでも、香港に住む多くの東南アジアや、欧米系外国人が仲間として戦ってくださっています。彼らも我々と同じく香港人です。

【香港独立は、中国が香港にもたらす特に経済上の恩恵などを喪失(そうしつ)することでしょうか?例えば、水道水の輸入など】
香港には貯水湖がたくさんあります。今後、海水淡水化施設も竣工される予定です。将来淡水化施設を増設すれば自給自足するようになるでしょう。
香港人は、中国輸入の水道水という選択肢に依存する必要がなく、あくまで選択肢の一つとして留めておくべきです。

【香港が独立すると、香港が孤立されるのではないでしょうか?】
地図をご覧ください。香港は東アジアの中心にあります。優れた地理的位置、司法制度と自由があるからこそ、国際的に認められた中継貿易港と金融センターになったわけです。単なる中国共産党との関係や、中国政府制定の「基本法」で国際的地位を手に入れたわけではありません。

大航海時代以前、イタリアのヴェネツィアも中継貿易港として栄えていましたが、国際環境の変化に追いつけず取り残されてしまった存在となってしまいました。それに反し、香港の人々は1950年代以降の産業構造の経験を活かす能力があり、中継貿易港としての機能が維持できなくなったとしても、生物工学産業やICT産業など発展させる力があると考えます。

【独立派は、香港住民の未来と幸せを政治的賭けとして使っていると考えていいですか?】
真っ逆だと思います。香港の主権譲渡後、香港住民の生活、経済、政治性など、全てを崩壊させたのは中国共産党です。香港を生まれ変わらせるためには、共産党本位での政策制定による香港の中国への依存をなくさなければなりません。香港独立後の新政府は、香港人本位で制作を制定することができるようになり、中国共産党政権の意思を仰ぐ必要も当然なくなります。

【独立運動は衝突、流血事件、犠牲をもたらすことになりますが、多数の香港人から支持を得られると思いますか?】
革命とは必ずしも多数の人々の支持を得られるものではありません。フランス大革命も辛亥(しんがい)革命も、当時の政権または過半数の人民の支持を得てから行われたものではありません。それに反し2016年以降の香港では、毎年行われてきた調査の結果によると、独立を支持する香港住民の人数はなんと150万人で、香港総人口の20%も占めています。独立に反対する人数は逆に下がり続けており、50%〜70%の人々は中立という風に回答しています。この結果に基づきある仮説も立てられますー独立を望んでいるわけではありませんが、中国共産党による統治に対し不満を抱え、共産党の独裁政権から離脱したい願望はあるものの、実行できる方法はないし、リスクが高いように見える革命も支持することができないと考える人々の意見です。我々独立派は単なる独立という主張を持ち出したのではなく、希望が見えない人々に光をもたらすことも我々の狙いです。

最後に、ポンペオ米国務長官が最近の記者会見でこう言いました:「独裁政権を倒すことは、自由世界諸国の義務です。」香港は冷戦当時の西ベルリンと同じく、自由世界の最前線にある灯台のような存在です。我々香港人は、独立するという意思を明確に示し、自由を追求し続けなければいけません。団結力があるからこそ、我々はこの邪悪な政権を倒すことできます。香港だけではなく、中国、ウイグル、チベット、南モンゴル、イラン、タイなど迫害を受けている人々も皆さんの力を必要としています。彼らの自由、人権、民主のために、共に戦いましょう。

.