【動画・資料文書】「ウイグルにおけるジェノサイドの実態」ご報告

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グリスタン・エズズ氏を迎えたアジア自由民主連帯協議会講演会「中国によるウイグルにおけるジェノサイドの実態」の動画です。ぜひご覧ください。




アジア自由民主連帯協議会講演会報告
中国によるウイグルジェノサイドの実態
講師;グリスタン・エズズ(日本ウイグル協会)

4月17日、東京の会議室にて、グリスタン・エズズ氏の講演会が行われました。以下の報告は、グリスタン氏の講演内容を資料に基づき三浦がまとめたものです。

 中国の支配下におけるウイグル人女性の被害状況は、次の5点に集約されます。
●計画生産という名における女性の人権侵害
●強制労働と脱貧困政策という名における女性の人権侵害
●強制収容所という名における女性の人権侵害
●強制結婚という名における女性の人権侵害
●無償労働という名における女性の人権侵害

1,計画生産
これは1980年代からウイグルで始まり、現在まで続いています、この31年間、ウイグルでは、都市部の戸籍の場合は、2人までしか子供を産むことが許されません。農村部においては3人です、逆に、一人しか子供を産まない女性に対しては、社会の見本としてよい評価を受けます。
両親が何人の子供産むかは、その家庭に決める権利があるはずです。確かに人口爆発により、中国人には一人っ子政策が敷かれました。しかし、ウイグル人は今や人口が減り続け、民族が滅ぼされている過程におかれているのです。

2,強制労働と脱貧困政策
 ウイグルでは収容施設に隣接した地域に工場が作られ、そこで強制労働が行われているという報告があります。
(参考情報1)
中国の新疆ウイグル自治区では2018年、少なくとも57万人のウイグル族の人々が中国の強制的な労働訓練を通じて、綿花の収穫に送り込まれたという。Center for Global Policyの最新レポートで分かった。
アメリカでは、活動家たちが連邦議会に対し、ウイグル強制労働防止法(Uighur Forced Labor Prevention Act)案を可決するようロビー活動をしている。
この法案は企業に対し、新疆ウイグル自治区から製品を調達していないことを確認するよう強いるものだ。
中国の新疆ウイグル自治区では2018年、少なくとも57万人のウイグル族の人々が中国の強制的な労働訓練を通じて、綿花の収穫に送り込まれたという。アメリカのシンクタンク、Center for Global Policy(CGP)の最新レポートで分かった。
「新疆ウイグル自治区における少数民族の綿花の収穫への労働移転の合計は、この数字を数十万は上回るだろう」とレポートは指摘している。
アメリカでは、人権活動家たちがトランプ大統領に対し、中国の新疆ウイグル自治区からの綿製品の輸入を禁止するよう求めてきた。
ロイターによると、トランプ政権は12月上旬、中国最大の綿生産者の1つで新疆ウイグル自治区で開墾などに従事している準軍事組織、新疆生産建設兵団(XPCC)からの綿の輸入を禁じた。
ただ、活動家たちは連邦議会に対し、ウイグル強制労働防止法案を可決するよう圧力をかけている。
https://www.businessinsider.jp/post-226236

(参考情報2)
米上院、ウイグル強制労働防止法案を可決-新疆から輸入原則禁止
米上院は(2021年7月)14日、中国の新疆ウイグル自治区から全ての産品輸入を原則的に禁止する法案を全会一致で可決した。輸入するには生産過程で強制労働が行われていないことを立証する必要がある。
「ウイグル強制労働防止法案」は国土安全保障省にウイグル族らの抑圧で中国政府に協力している企業・団体のリストを作成するよう義務付けている。米税関・国境警備局(CBP)局長が例外として認めない限り、全ての産品が強制労働の下で作られていると見なす「反証を許す推定」規定も盛り込まれた。
共和党のマルコ・ルビオ上院議員は「この法案が下院を通過し、大統領が署名すれば、強制労働で生産された製品が米国のサプライチェーンに入り込むのを防ぐ手段が増えることになる」と声明でコメントした。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-07-15/QW9NJLT0G1L001

 また、ウイグル人口が密集しているホータンや、カシュガルなどの街から、10年以上前から、中国内陸部の工場に、脱貧困対策という名目で、たくさんのウイグル人女性が強制的に連行され、長時間労働や、安い賃金で働かされています。

3、強制収容所という名の下での女性の人権侵害
 ウイグルにおける強制収容所は、2014年の段階ですでに農村部において始まっていました。運よく出てくることが出来た証言者の証言によれば、女性は招待のわからない薬物を飲まされています。しかも、確実に飲んだかどうかを監視、確認した上でです。そして、飲んだ後は、体の力が抜ける、めまいがする、生理が来なくなる、記憶が失われるなどの症状が現れています。

 収容所内では、組織的、集団的レイプが行われています。マスクをして顔を隠した中国人が、夜、収容所を訪れて、警察にお金を払い、ウイグル人の女性を選んでレイプしています、また、収容所に勤務する監視兵や警官が、尋問を理由に女性を別室に運んで集団レイプを行い、又抵抗する女性には、殴るけるなどの暴行が加えられています。

4、強制結婚という名の下での女性の人権侵害
 中国政府は、大量の中国人を送り込み、ウイグル人女性と結婚させようとしています。仮に中国人とウイグル人が結婚した場合は、無償で入居できるマンション一室、乗用車一台、多額な現金が支給され、子供が出来た場合は、18歳になるまで手当が支給されるなどの優遇政策がとられ、中国人とウイグル人の結婚が推奨されています。
 お互いが愛し合っているのなら、違う民族同士の結婚は何ら問題がありません。しかし、多くの場合、ウイグル人女性は、収容所行きがのがれるため、また、家族を収容所から救いだすために、やむなく中国人との結婚を選ぶケースがほとんどです。

5、無償労働という名の下での女性の人権侵害
 ウイグルが中国共産党の支配下にはいったときから、無償労働の強制は始まっています。ウイグルではハシヤルと呼ばれ、主にインフラ工事をさせられます。私のお父さんも若いときに参加しました。
 主に冬、農作業が落ち着いたころ、自宅のロバや馬車を使って、掘り起こされた土を積んで運ぶ厳しい作業を無償でさせられました、男女関わらず、一家に一人は必ず動員され、指定された人は若い人も老人も同じく働かされます。この無償労働は現在も継続中です。

中国の子供の人権侵害
計画出産政策のため、ウイグルでは、1980年から2006年までに、300万人のウイグル人の赤ちゃんが、強制的な中絶手術によって命を失いました。この数字は、ウイグル自治区政府が発表したままのものです。それ以後、現在まではさらに犠牲は広がっていると考えられます。
中国政府は2016年から、一人っ子政策を放棄しましたが、ウイグルでは取り締まりを強化し、ウイグル人口が多い、ホータン、グルジャ、カシュガル、アクス地区では、避妊リングの装着や、不妊手術などが行われています。
不妊手術は、ウイグル人女性が、二度と子供が埋めない体にさせられていることです。中国はこうして、ウイグル人がこの世から亡くなるよう、ジェノサイド政策を行っているのです。(文責 三浦小太郎)


また、当日グリスタン・エズズ氏が使われたプレゼンテーション資料(9ページ)をアップロードしましたので、こちらもご覧ください。
グリスタン・エズズ氏資料(PDF)

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(同資料より抜粋)

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