こちらは、3月9日に行われ、協議会も参加した「カンボジア自由民主の集い」で配付した資料です。
ぜひご覧ください。
カンボジアに公正な選挙を!
カンボジア国民は、国内・国外在住にかかわらず『公正で自由な選挙』を求めています。日本政府並びに国会議員の皆様は、この7月に行われる予定のカンボジア総選挙にて、公正かつ民主的な選挙が行われることを強く要請してください。
【1】日本の平和外交の成果 パリ平和協定とカンボジアPKO
ポルポト政権の虐殺、その後のベトナム軍の侵攻と、混迷が続くカンボジアに平和をもたらすために、1989年に第一回カンボジア問題パリ国際会議が開催され、日本国も参加いたしました。さらに翌年6月、カンボジアの内戦問題の解決のために、カンボジア各党派が参加する「カンボジアに関する東京会議」が開催され、91年10月23日のカンボジアパリ和平協定につながります。これは日本の平和外交の成果の一つです。
パリ和平協定を受けて、明石康国連事務総長特別代表が統括する国連カンボジア暫定機構(UNTAC)による暫定統治が開始され、92年6月に「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(PKO法案)」が成立、同年9月以降、日本から自衛隊施設大隊、停戦監視要員、文民警察官及び選挙要員等延べ人数1300人余りがUNTACの活動に参加しました。1993年4月、国連ボランティアの中田厚仁氏が何者かに銃撃され死亡し、更に5月には文民警察官等の一行が何者かに襲撃され、高田晴行警視正が死亡、その他4名の文民警察官が重軽傷を負うという尊い犠牲を払いましたが、日本国は、カンボジアの平和と民主的な選挙の実現のために大きな役割を果たしたのです。
だからこそ、日本国はパリ和平協定の政治的・人道的成果を守るためにも、カンボジアの人権問題並びに来るべき選挙の公正な運営のために尽力する責務があるはずです。
【2】カンボジアの現状 民主主義の破壊
現在のカンボジアのフン・セン政権は、フン・セン一族により国家の様々な要職を独占し、北朝鮮同様の世襲独裁制を実現しようとしています。政権の腐敗を告発していたジャーナリスト、ケム・レイ氏は暗殺され、英字新聞カンボジア・ディリーや、ラジオ・フリー・アジアのような媒体も閉鎖されました。他にも政権を批判する新聞社の経営陣は不当な裁判を起こされて莫大な罰金を請求されています。さらにこの2月13日には、13日、独立系メディア「ボイス・オブ・デモクラシー(VOD)」の事業免許が、フン・セン首相の息子を批判したことから取り消されました。言論、表現の自由はすでに存在しません。
選挙にも甚だしい干渉が行われています。事実上独裁化したフン・セン政権は、2017年の地方選挙にて、野党カンボジア救国党が躍進すると、同年9月、最大野党である同党ケム・ソカ党首を国家反逆罪で逮捕。 同年11月、カンボジア救国党は解党され、党指導部など118人もの政治家が政治活動停止を命じられています。
この救国党の流れをくむ人たちが、弾圧下でも民主主義の灯を消さないために、「キャンドルライト党」が結成され、地方議会選挙で健闘しましたが、この党に対しても様々な弾圧や脅迫、不当な訴訟による巨額の賠償金などが課せられています。そして、昨年12月1日、来日して衆議院議員会館にてカンボジアの現状を訴えた同党副党首タッチ・セター氏は、1月16日、カンボジア当局により逮捕されました。カンボジアは今年7月に総選挙を控えており、この時期の逮捕は野党への政治弾圧の一環であることは明らかです。
岸田首相は、昨年11月12日のフンセン首相との会談にて「日本は引き続きカンボジアの民主的発展を後押ししつつ、来年7月の総選挙が自由・公正かつ国民の多様な声を反映した形で実施されることを期待する」と述べています(外務省ホームページ)。フン・セン首相の姿勢は、この日本国の期待を大きく裏切るものであり、日本国はセター氏らの釈放と、自由な選挙活動の保証を強く求めるべきではないでしょうか。
【3】日本在住カンボジア人への迫害 日本国の主権侵害
〇カンボジア女性のカット・ソムニアンさんは、夫がカンボジアで賃上げを求めただけで警察に射殺されました。しかも、夫の殺害に抗議した義父は交通事故に見せかけて殺され、ソムニアンさんはいま日本で難民申請をしています、他にも、日本在住カンボジア人は、民主化運動に参加すれば故郷の家族が危険にさらされ、また自分がカンボジア大使館の監視下に置かれる危険を冒すことになります。
〇技能実習生からの聞き取り調査による脅迫・強制行為
カンボジアから日本への技能実習生派遣に際し、日本の実習生からの聞き取り調査によれば、下記のような事実が証言されております。
①日本における政治活動・発言は一切禁止されます。実習生が直接の政治活動をすることへの是非はありますが、事実を伝え人権改善を訴える言論活動は日本国憲法も保証する言論の自由であるはずです。
②カンボジア人民党へ入党しなければ、日本へ出国が許されません。
③日本に入国後も、カンボジア労働省役人が実習生に対し、以下の命令を発しています。
1,カンボジア救国党およびキャンドルライト党の活動に参加するなと脅迫。
2,もしも1のような政党活動に参加すれば、技能実習生としての資格を喪失すると脅迫。
3,労働省役人は実習生のカンボジアにおける住所や家庭環境を把握しており、反論すれば家族への危害が及ぶことへの恐怖を植え付けられる。
ほかにも様々な問題がありますが、これらはいずれも、日本国における主権侵害であり、日本国民とカンボジア国民の実習生や留学生を通じた友好を阻害するものです。
カンボジア救国党 キャンドルライト党 利他利他有興会 アジア自由民主連帯協議会